しょうねんじの作者の過去作品との共通点は?

2025-12-03 17:06:39 58

1 回答

Diana
Diana
2025-12-06 22:19:57
少年ジャンプで連載中の『呪術廻戦』を描く芥見下々の作風を振り返ると、初期短編『NO.9』から既に見られる特徴が浮かび上がってくる。緻密に張り巡らせた伏線と、キャラクター同士の感情のぶつかり合いが物語の原動力となる構成は、デビュー時から一貫している。特に『呪術廻戦』で顕著な「死の概念」への執着は、『NO.9』でも人造人間の存在意義という形で表現されていた。

芥見作品に共通するのは、善悪を単純に二分しない視点だ。『呪術廻戦』の呪霊たちにも人間的な背景が与えられるように、『NO.9』の人造人間たちも単なる悪役ではなく、複雑な事情を抱えている。戦闘シーンの描写にも通底するものがあり、静止画のようなコマ割りで緊張感を最大化させる手法は、短編時代から磨きがかけられていた。

興味深いのは、過去作品では実験的に過ぎた要素が、連載作品で洗練されている点だろう。『呪術廻戦』の五条悟のようなカリスマキャラの原型は、短編『神代さやかの場合』の主人公に既に見て取れる。ただ、当時はキャラクターの魅力を引き出す物語の厚みが不足していた。それが週刊連載という形式を得て、芥見の持つ「キャラクターを輝かせる才能」が充分に発揮されるようになったのだ。

過去作と現行作を比較すると、芥見がデビュー時から抱えていたテーマへのこだわりと、それを表現する技術の成長がくっきりと見て取れる。特に「強い者」の孤独と責任というモチーフは、どの作品にも通底する作家性の核と言えそうだ。
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