ルールが急に効かなくなると、物語世界そのものが揺らぐ感覚になる。個人的に強烈だったのは' Serial Experiments Lain'的な表現で、アイデンティティや記録の重複が連鎖的に起きると人の一貫性が解けてしまうことがあると感じた。通信やログの断片が断続的に重なっていくと、“一人”の主体が複数に分裂して見える瞬間がある。
記憶の断片がばらばらになる瞬間って、本当に不安を掻き立てる。ゲームではこれがテキストや画面の崩れとして直接表現されるケースが多い。例えば' Doki Doki Literature Club'は、平凡な読み物から段階的に文章が書き換わり、キャラクターの人格と語り口が崩れていく演出で知られている。僕はプレイ中に、表示される単語が意味を失っていくたびに“世界の一貫性”が徐々に剥がれていく手触りを感じた。