キャラクター造形において、ツンデレとデレデレは感情表現の異なるアプローチを体現している。『五等分の花嫁』の中野二乃はツンデレの好例で、最初は主人公を毛嫌いしていたのが、次第に本心を表に出していく。この変容過程が読者の
感情移入を促す。
デレデレの代表格といえば『小林さんちのメイドラゴン』のトールだ。竜という異質な存在でありながら、小林さんへの愛情を隠さず表現し続ける。この一貫性がキャラクターの魅力を形成している。
両者の違いを一言で表せば、ツンデレは『感情の旅』であり、デレデレは『感情の宣言』だ。好みの問題ではあるが、物語に深みを求めるときにはツンデレの方が複雑な人間関係を描きやすい。反対に、ほのぼのとした日常を描く作品ではデレデレの方が適している場面が多い。