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漫画の戸惑いシーンで忘れがちなのは、周囲のキャラクターの反応だ。『SPY×FILY』でアーニャが超能力を使いそうになるたび、ロイドとヨルが気づかないふりをしながらハラハラするあの緊張感。
時間の進み方を操作するのも効果的。一コマを長く引くことで、一瞬の戸惑いを強調できる。『ブルーピリオド』で主人公が絵の具を選ぶ手が止まるシーン、あの数秒間の逡巡が芸術への真摯な姿勢を物語っていた。
意外性も大切。堅物キャラが予想外のことで動揺したり、普段と違う環境に置かれたり。『チェンソーマン』のパワーが初めて風呂に入るシーン、あの野生児らしい反応は笑いと共感を誘う絶妙なバランスだった。
キャラクターの戸惑いを表現するとき、細かな仕草や表情の変化を丁寧に描くことが大切だ。例えば『進撃の巨人』のアルミンが初めて壁外に出たとき、震える手や広がる瞳孔で恐怖と興奮が混ざった感情を見事に表現していた。
読者はキャラクターの視点を通して世界を体験する。だからこそ、背景の描写をあえてぼかしたり、コマ割りを不規則にすることで、キャラクターの混乱を視覚的に伝える手法も効果的。『蟲師』で銀古が未知の蟲と対峙するシーンでは、この技法が多用されていた。
セリフより沈黙を使うことも有効だ。『3月のライオン』で桐山零が将棋で迷うシーンは、無音のコマが続くことで読者にもどかしさが伝わってくる。
戸惑いの表現って、実はキャラクターの深層心理を覗く絶好のチャンスなんだよね。『僕のヒーローアカデミア』で緑谷が出久が能力を制御できないとき、不器用な動きと「えっ?あれ?」みたいなセリフがすごく共感を呼ぶ。
意外と重要なのは、キャラクターの普段とのギャップ。冷静なキャラが動揺したり、陽気なキャラが急に無口になったり。『呪術廻戦』の五条悟が初めて本気で驚いたあのシーン、ファンの間で今でも語り草になってる。
あと、読者を引き込むコツは「戸惑いの原因」を少しずつ明かしていくこと。一気に全部説明しないで、謎解きのようにページをめくるたびにヒントが出てくる感じがいい。
戸惑いシーンで重要なのは、読者に「この先どうなるんだろう」という期待を持たせることだ。『チェンソーマン』でデンジが初めてキスをするシーン、あの戸惑いっぷりはもう最高だった。ぎこちない動作と言葉選び、全てがキャラクターの純粋さを物語っていた。
視覚的な工夫も欠かせない。急にコマの枠線が消えたり、背景が抽象化されたりすると、キャラクターの心理状態がダイレクトに伝わる。『少女終末旅行』で二人の少女が廃墟で迷子になるシーン、あのモノクロームの世界観と相まって、不安感が増幅されていた。
音響効果の文字も大きな役割を果たす。ドキドキとかザワザワといった擬音が、キャラクターの心の鼓動を代弁してくれる。