スタンリー・トゥッチが演じたナイジェルの裏切りシーンは、微妙な表情の変化と声のトーンで見事に表現されていた。
最初はミランダに対して忠実な部下として振る舞いながらも、目線の動きや手のしぐさにわずかな不安を感じさせる。そして裏切りの瞬間、それまでの冷静さを保ちつつ、声の裏に潜む冷たさが一気に表面化する。特に『Everybody wants to be us』という台詞を囁く時の笑みは、キャラクターの本質を一瞬で露わにした。
この演技は、ファッション業界の冷酷さを体現しながらも、人間らしい弱さも感じさせる絶妙なバランスだった。トゥッチの演技能なくしてナイジェルはここまで深みのあるキャラクターにならなかっただろう。