時代劇の立合いを再現したいなら、まず動きの『メリハリ』にこだわってみよう。『椿三十郎』で三船敏郎が演じたように、静止と爆発的な動きのコントラストが命だ。ゆっくりと刀を抜き、一瞬で斬り込む——この緩急が観る者の心を鷲掴みにする。
刀の扱い方も重要で、ただ振り回すのではなく、『切る』という意識を持つこと。実際に
竹刀で練習する時は、手首のスナップを効かせ、刃筋を通すイメージで。衣装があるなら袖の動きにも気を配りたい。斬り結びの瞬間、袖が舞うように広がれば、それだけで画面が引き立つ。
背景の選択も意外と大切だ。砂埃が立つ道場や、雨に濡れた屋外など、環境が戦いの雰囲気を増幅してくれる。照明は斜めから当て、陰影を強調すると、よりドラマチックな構図になる。