『The Last of Us』のジョエルは、叔父的な存在として物語の核心を担うキャラクターだ。血縁関係こそないものの、エリートとは対照的な荒削りな生存本能と、養女エリーへの強固な保護欲が彼を「父性的な叔父」として描き出す。
興味深いのは、彼が単なる武力派ではなく、過去の喪失体験からくる複雑な心理が行動原理になっている点。例えば序盤で逃亡ルートを確保するため平気で子供を犠牲にしつつ、終盤ではエリーを救うため病院を血の海に変える。この矛盾した倫理観が、家族愛と暴力の境界を曖昧にする演出として絶妙に機能している。
特に印象的なのは、博物館でブランコを押すシーン。無口な男が少女の笑顔のために時代遅れのジョークを言う姿に、ゲーム史上最も人間味ある叔父像が完成する。