山犬にまつわる伝説や民話を探しているんですね!日本では『遠野物語』が真っ先に思い浮かびます。柳田國男のこの作品には、東北地方に伝わる山犬(オオカミ)の霊的な存在としての描写がいくつも登場します。山の神の使いとして
崇められたり、人間と不思議な縁を結んだりする姿が、民俗学的な視点で記録されているんです。
もう一冊おすすめしたいのは『日本昔話百選』です。各地に伝わる山犬の民話が収録されていて、特に中部地方の「白い山犬の恩返し」という話が印象的でした。昔話の素朴な語り口の中に、自然と人間の共生の知恵が込められているように感じます。現代の私たちが忘れがちな、動物に対する畏敬の念を思い出させてくれる本です。
海外の作品なら『アメリカン・インディアンの民話集』にも興味深いエピソードがあります。コヨーテがトリックスターとして登場する話が多いですが、中には山犬を
精霊の化身として描いた物語も。文化比較の視点で読むと、日本の伝統的な山犬観との違いが面白いですよ。