夢醒めて花散る時に十四歳のあの日、幼馴染で唯一のダンスパートナーだった鈴木星哉(すずき せいや)と私・高橋香乃(たかはし かの)は、共に拉致された。
私は命を懸けて彼を逃がし、助けを呼ばせた。その代償に、犯人から半殺しの目に遭った。
彼が両親と警察を連れて戻ってきた時、私はもう二度と立ち上がれず、ダンスを踊ることなど永遠にできない身体になっていた。
彼は泣きながら誓った。一生私を大切にすると、私が世界で一番素敵な女性だと言った。
それから私は、星哉の恋人となり、婚約者となった。
私を少しでも貶める者には、星哉は必ずや容赦なく報復した。
けれど、彼の「一生」がたった十年なんて、思いもよらなかった。
二十四歳の今、彼が新しいパートナーとインターナショナルダンス選手権大会で優勝した動画が、タイムラインに流れてきた。
彼はその子を高く抱き上げると、彼女は片手にトロフィーを抱え、もう片方の手で星哉の首を抱きしめ、その頰にはっきりと口紅の跡を付けていた。
そして星哉は、まぶしいほど輝く笑顔で彼女を見つめ返し、その眼差しにはあからさまな愛が満ちていた。
私の負けが決まった。ここで身を引く時が来たのだ。