SFと恋愛が織り交ざった映画で、特に『彼女』のような独特の雰囲気を持つ作品を探しているなら、まず挙げられるのは『エternal Sunshine of the Spotless Mind』でしょう。記憶を消去する技術が存在する世界で、傷ついた関係を清算しようとするカップルの物語は、SF的な設定と人間の感情の複雑さが見事に融合しています。ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットの演技も素晴らしく、テクノロジーが進化しても変わらない人間の本質を考えさせられます。
もう一つおすすめしたいのは『Her/世界でひとつの彼女』に近いテイストを持つ『Passengers』です。深宇宙航行中の宇宙船で目覚めた男性と、彼と運命を共にすることになる女性の関係を描いた作品。孤独というSF的な状況下で芽生える感情の揺らぎや、倫理的なジレンマが丁寧に描かれています。クリス・プラットとジェニファー・ローレンスの化学反応も見所で、壮大な宇宙を背景にした恋愛物語として楽しめます。
アニメーションの分野では『時をかける少女』も外せません。時間跳躍というSF要素を基盤にしながら、思春期の繊細な恋心を描いた作品は、10代の頃のあの特別な感情を鮮やかに蘇らせてくれます。細田守監督の繊細な演出と、等身大の登場人物たちが作り出す世界観は、『彼女』と同じように、テクノロジーと人間らしさの境界線を問いかけてくるでしょう。
これらはどれも、SFという枠組みの中で人間の感情の本質に迫ろうとする作品ばかりです。特別な設定の中にある普通の感情、あるいは普通の設定の中にある特別な感情―そんな相反する要素の調和が、『彼女』の魅力に通じるものがあると思います。