デジタルアーカイブの活用も視野に入れてみてはどうだろう。うちの曽祖父の話を記録した時、ユネスコの『Memory of the World』プログラムを参考にした。音声ファイルにメタデータとして日付や場所、キーワードをタグ付けしておくと、後から検索しやすい。孫世代が編集しやすいよう、1エピソードごとに短く区切って保存するのがポイント。戦時中の地図と照らし合わせながら話を聞くと、『あの角の銭湯で』といった具体的な描写が引き出せる。古いアルバムの写真をスキャンして、それにキャプションを付ける形で証言を紐づける方法も効果的だった。
表題の英語化について触れると、訳者はそのタイトルを 'Sorry for Being Cute' としています。直訳に近い選択で、語感が日本語の軽い謝罪と自己肯定の混ざったニュアンスをうまく英語に移していると思います。
翻訳では語順や助詞のニュアンスをどう処理するかで印象が変わることが多いのですが、この英題は元の短さとリズムを保ちつつ、英語圏の読者にも意味がすぐ伝わるのが利点です。僕は他作品の英題、たとえば 'Kimi ni Todoke' が 'From Me to You' と訳されたケースを思い出して、タイトル一つで受け手の期待がかなり変わることを実感しました。
訳者の意図としては原題の持つ軽やかな自己主張を損なわず、かつ販促上のキャッチーさも確保する狙いがあったと考えています。個人的にはこの英題は作品の雰囲気に合っていると感じます。