街の闇に忽然と現れ、悪を懲らしめては姿を消すヒーローたちの活躍は、観る者に爽快感と憧れを抱かせます。例えば『ダークナイト』三部作のバットマンは、ゴッサムシティの腐敗と戦いながらも市民からは危険人物と誤解される複雑な立場が描かれ、その
神出鬼没ぶりがカリスマ性を生んでいます。コスチュームや特殊装備なしに素顔で行動する点も、従来のスーパーヒーロー像を刷新しました。
一方、『ウォンテッド』のウェズリーは、超常的な暗殺者集団に引き込まれたことで、常人離れした能力を開花させます。銃弾を曲げる技術や集団戦闘シーンは、漫画的な誇張と現実的な緊張感が絶妙に融合。特に列車内の戦闘シーンでは、狭い空間を活かしたアクロバティックな動きが印象的です。
アニメーション分野では『ザ・インビジブル』が異彩を放ちます。特殊なスーツで透明化する主人公が、政府の陰謀と戦うサスペンスタッチの物語。可視化できない戦いゆえに、残された物理的痕跡や敵の反応から状況を想像させる演出が秀逸です。ヒーロー作品でありながら、スパイスリラーとしての側面も強い隠れた名作でしょう。