エピソードごとの細切れを並べていくと、
りん子の変化が線として見えてくる。僕はまず各登場回を「振る舞い」「台詞量」「他者とのやり取り」「ビジュアルの差異」の四軸でラベリングすることから始める。出番が短くても影響が強い回は“象徴回”として特別扱いし、逆に長尺でも変化が少ない回は補助線として扱う。これにより成長の起点とターニングポイントが客観的に浮かんでくる。
次に、時系列に沿って章立てするのではなく「感情の閾値」で区切る手法を使っている。例えば恐怖を乗り越える回、信頼を得る回、自己主張を学ぶ回、といった具合だ。これだと似たテーマの回が散在していても比較しやすく、りん子の反応パターンの進化が見やすくなる。
最後に、比較素材として『聲の形』のキャラクター成長の追い方を参照にすることが多い。過去の仕草や台詞のリフレインを拾って再配置すると、編集作業を通して「りん子がどう学んだか」が明確になる。こうした整理で読み手にも納得感を与えられると感じている。