例えば、数学の公理が典型的な例です。'The whole is greater than the part'(全体は部分よりも大きい)という命題は、説明しなくても誰もが理解できる自明の真理です。日常会話では、'Water is wet'(水は濡れている)のような文も、感覚的に理解できる自明の表現と言えます。
ただし、文化や背景知識によって自明性は変化します。日本では『腹が減っては戦はできぬ』が自明の教訓ですが、英語圏では'An army marches on its stomach'と表現され、同じ概念でも言語によって異なる定番フレーズが使われる面白さがあります。
言葉を直訳すると「店の入口に掛かっている暖簾に腕で押し当てる」という光景になります。
僕が英語話者に説明するときは、まずその視覚イメージを共有します。暖簾は向こう側にいる人を遮る柔らかい布で、腕を押し込んでも相手は動かず、結果として努力がほとんど意味をなさない状況が想像できます。そこから意訳として「a futile effort」や「an effort that produces no result」という説明に繋げます。
具体的な日本語の用例を見せると理解が早いです。例えば「彼に頼んでも暖簾に腕押しだ」は「Asking him is a futile effort; he won't respond」と訳せます。こうした順で視覚→意味→英語訳を提示すると、ニュアンスが伝わりやすいと感じます。