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Home / 恋愛 / Load of Merodia 記憶喪失の二人 / 35.報告

35.報告

Author: 神木セイユ
2025-06-24 16:00:00

「バレてるし」

 執務室で書類に埋もれていたエルが顔を上げる。

「何が ? 」

「下手くそかよ。今、何時だと思ってんの ? 」

 レイが再びドラゴンに乗り、グリージオに戻ったのは日が昇ってからだった。

「城内にいないって言うし、街の外れに飛龍が来てたって聞いたし……お前なんか隠してるよな ? 」

「そこまで聞くならもう知ってんだろ」

 レイは不貞腐れたように椅子にひっくり返った。

「開き直るんじゃないよ」

「リラに会って来たんだよ」

「やっぱり。なんで連れて来ないんだよ、今どこにいるんだ ? 」

 エルに聞かれてレイは天を仰いだまま両手で頭を抱える。

「……んだった」

「は ? 」

「はぁ〜〜〜……別人だった。中身が」

「……はあ ? 何 ? 何だって ? 」

 一先ず、説明はリラがパーティから単独行動して離脱した時に遡った。

「離したはずのゴルドラに襲われて、リラちゃん一人で攻撃したんだろ ? 」

「それが、その時……あいつ油断して尻尾食らったんだよ。下に落ちてった……」

「うん。まず俺、聞いてないんだけど」

「全部説明できるか面倒だ。俺たちが振り落とされたのその後だし……大分距離は開いたとは思ってたんだけど、すぐに見つかると腹括ってたし」

「後出しの情報多すぎ」

「北方に標高の高い山脈があるだろ。なんかそこで二ヶ月、彷徨ってたってさ」

「…… ??? 」

「記憶を失くして」

「記憶っ !!? 今は !? 」

「時々リラに戻るらしい」

「……もっと分かるように説明しろよ」

 事の深刻さを理解したエルがようやく立ち上がる。書類の隙間からほんの少しだけあった窓の光も遂に塞がった。

 そのまま呆然とレイの話を聞き続け、エルも苦い顔をする。聖堂に何と説明すればいいのか。リラの社会見学はエルの許可、そして白魔術師であるシエルの報告書によって許されている。エルが同行していなか
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