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1ー9.響カリンは地元企業で社畜する

2025-03-06 18:00:51

 昨日はなんとなく過ぎちゃったし、今日も午前中、何もしないでボーと過ごしてた。たまにはこんな休日もいいよね。でも今日は3時に高校の女バスで一緒だったセンプクさんのとこ行く約束してるからそろそろ出かけなきゃ。車ないからバスで。

「出かけてきます」

「あなた何言ってるの? 今日お客様来るって言っといたわよね」

 占い師は客じゃないよ、おかーさん。あいつの言葉信じても幸せなんかにならないから。

「今日はあなたのためにいらっしゃるのよ。特別料金なのよ」

 なんだよ特別料金って。見料、月額定額制なんだろ? そもそも占いでサブスクって何なのだけど。

「占い師に用はないから」

「占い師じゃないのよ、霊媒師さんよ。何度言ったら分かるの」

 知るか!

 ったく、むかつく。おとーさんがいなくなってからああいうのにどんだけボラれたか。占いだ、宗教だ、オカルトだ、健康グッズだって、他人の言うことに振り回されてさ。前を向いて自分の頭を使わなきゃ人生は見つからないって。

……あたしにそんなこと言う資格ないか。

 久しぶりのバス。あれ、小銭切らしてら。

「ゴリゴリカード、2000円のください」

 お、辻女冬服バージョン。辻女コンプ。これ使えない。

「すみません。もう一枚、2000円のください」

 青洲女学館の夏服か。使うの惜しいけど、いっか。運転手さん、なに? その目。あたし制服フェチじゃないから。

「六道辻まで」

 ゴリゴリーン。

 目の前、成女工の生徒たちだ。土曜にガッコ? そっか、もう学生休みでなくなったんだった。

「なんか、よく変な人見んの、ウチ」

「どんなよ」

 人の前で足開いて座んなよ、見えちゃってるぞ、P。

「それがさ、ノースリーブで半ズボン履いてる女の子で、夜一人で歩いてんの」

「夕涼みっしょ。最近暑いし」

「いや、それが冬も同じカッコして歩いてるんだって」

「はあ? それはツリだわ」

「いや、マジでマジで」

「ツリツリ。だまされねーし」

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