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1ー8.響カリンは地元企業で社畜する

last update Terakhir Diperbarui: 2025-03-05 18:00:31

「あ、あたし」

 社長、どなたにお電話ですか?

「北村、今何してる? そうか。なら、大門前のいつものバーまで私のポルポル取りに来て。うん。そう。わるいな。10時半? 了解。お、そうだ。この間の企画書よかった。うん。お前主導で立ち上げてくれ。じゃあ、あとで」

「北村シニアマネですよね。大丈夫なんですか?」

 車とプロジェクトの運転、両方とも。

「うん。大丈夫。あいつ運転は慎重だから。まあ、いっつも怒鳴ってるの見せてるから、あいつのことそんなふうに思うのも仕方ないけど、あいつはあいつでいいところあってね。昔、辻沢不動産をうちの傘下に入れようってた時……」

 社長。その話、もう何度も聞きました。辻沢不動産の千福オーナーに3か月張り付いて、うんって言わせた。あいつは泥のように這いつくばって粘り強く仕事する昔ながらのビジネスマン、「二枚腰の北」と呼ばれてたっていう話ですよね。で、創業時一緒に汗したやつは特別とくる流れ。ちょっとうらやましい気がするけど、そこは踏み込んじゃいけない領域ってわきまえてますから。

「二人で3か月間、何してたと思う?」

 え? それ初めて聞くな? わかりません。

「芸者遊びだよ」

「3か月間芸者遊びって、お金かかりそうですね」

「いや。一銭もかかんなかったんだ、それが」

 全部、向う持ちってこと?

「ごっこ遊びだったんだ。千福と北村が姉妹の芸者って設定で、千福んとこで3か月間」

 芸者ごっこって、アタマオカシイ? どっちが? オーナー? 北村さん?

「北村の芸者姿もまんざらじゃなかったって」

 北村シニアマネ、見方180度変わった。

 北村シニアマネ来た。お疲れ様です(無声)。この人が白粉塗って着物着て踊ってたんだ。3カ月も。20年前はどんなだったか知らないけど、想像するのが恐ろしい。

 社長をお店の前でお見送り。

「ヒビキんち、ここから近かったよね。じゃあ、また来週。あっちのほうも期待してるよ」

 行っちゃった。ポルポル、もう点になってる。あたしんち、車だと陸橋渡れるからすぐだけど、歩くとなるとソートーかか
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     9月30日22時。町長と千福オーナー倒してから2ヶ月か。車のスマートキーだけ持って、セイラにラインしてっと。[子ネコのママ友会 カリン(そろそろ出るよ)、セイラ(おk)]「ヒビキ、行くのか?」「はい、社長。納品日ですから」「そうか」「あの」 本当にいいんですか?「よろしく頼む」 更生室に寄ってから行こう。これ終わったらなくなるし。 最近は北村シニアマネが新事業立ち上げに奔走しててカイシャにいないから、変わって吉田クンが更生室を占拠してる。役場倒壊事故の責任取らされてヤオマン建設代表取締役から経営戦略室付き平取締役に降格になってから、社長の水平リーベ棒。ぶーらぶーらは黄緑のバランスボール使用。「お、ヒビキくん。よく来たね。こっちのに座りなさい」 いえ、紫のは遠慮しときます。それは北村シニアマネ専用で。「いよいよか。社長は何か言ってたかい?」「よろしくとだけ」「二人のことだから、僕も横から口は出せないが……」 お、何か言うつもりか? ぶーらぶーら、ぶーらぶーら、ぶーらぶーら、ぶーらぶーら。いつまでやってるの?「満太郎もビックリだ」 はあ? あんた二人の同期だろ。何かないのか?二人のなれ初めとか、愛情示すエピソードとか、社長の気持ち代弁するとか。そのためにここにいたんじゃねーの? ほれ。「そろそろ終わったころだな。さて、仕事、仕事っと」 出て行っちゃったよ。印刷室入っていった。あーそうね。そういうことですね。ただの印刷待ちじじーだったのね。

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  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   23-1.レイカとヒビキはすかさず次の試合/納品に臨む

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