聞いた事のない単語に訝しむレイ、だがハッタリで無い事だけは確かだ。
何せ先程までと明らかに重圧が違う。
「裏の界隈じゃ有名だぜ?神に選ばれた方々から賜る特別な加護、それが神性付与だ。俺は偉大なるルエル様より賜ったのさ!」
確かにレイは、裏社会に精通している訳では無い。
しかし仮にも、今まで生き抜く為に裏も利用してきた、いわゆる善良な一般市民とは違う。
その自分すらも知らないという事は、余程重要な意味合いを持つのであろうという事は容易に想像が出来た。
「これを使うのも随分と久しぶりだ!それこそ人間相手に使わねぇからな!以前使ったのは同じ神性付与保持者と小競り合いした時以来か!」
こんな力を振るう人間が、他にも居るというのか。
目の前に居るだけでも鳥肌が止まらない。
しかしこちらも時間が無い、相手の能力が分からない以上危険ではあるが、対応するより速く決着をつける。
そう結論付け、一気に間合いを詰めたレイだが…
「ぐっ…!」
ベルリに近付いた