届け物?
凛は驚き、慎也の痩せぎすな背中を見て、「もしかして彼が兄弟子?」と思った。
なぜ今まで、慎也が美雨の弟子だなんて聞いたことがなかったんだろう?
疑問を抱えながら、凛は慎也の後について応接室に入った。誰もいないことを確認してから、恐る恐る「あなたが私の兄弟子ってことですか?」と尋ねた。
「ああ」
慎也は巻物を凛に渡した。相変わらず無表情で「これは美雨先生から預かってきた」と言った。
数日前、慎也はこの件で抗議していた。
「先生、あなたも会場に来るんでしょう?どうしてわざわざ俺に先に届けさせようとするんですか?」
電話口で、美雨は笑って言った。「慎也、彼女は私のところに3年しかいなかった