-㊾独身女達の女子会-
ハネムーンに出かけた新郎新婦を見送り、街の住民達は普段の生活へと戻っていった。
光はパン屋で有休を取得していたのでその日から週休含め3日間休みとなっていた。披露宴についてはエラノダの計らいで全住民出勤扱いとなり、1日分の給料が王宮から支払われる様になっていた。
ドーラに誘われカフェテラスでスイーツを食べながらお茶を楽しむ事になっていたのでギルド前に待ち合わせの為向かった。
カフェはギルドから数分歩いた所にあった為、2人はすぐに女子会を始めた。スイーツとハーブティーを注文し、ウェイターを待つ。
温かいお茶が提供されるまでの間は一先ず、冷水で喉を潤した。注文したケーキ「こだわり果実のカスタードタルト」が提供されウェイターの手によって切り分けられ、小皿に盛られた。サクサクと焼かれたタルト生地にカスタードクリームを敷き詰めその上に小さく切られた果実が散りばめられている。果実には1つ1つに蜂蜜が塗られ甘く味付けられている。
1口食べると果実の酸味とカスタードクリームや蜂蜜の甘みが織りなすハーモニーが口の中を満足で埋め尽くす。
そこに丁度運ばれてきた温かなハーブティーを流し込むと優雅な休日を楽しんでいるという実感が湧いて来た。
美味しいひと時を過ごしている時、ドーラが突然切り出した。
ドーラ「ねぇ、どう思う?」
光「えっ?あ、ごめん、聞いてなかった。何の話だっけ。」
ドーラ「だからね、あたしらも結婚出来るのかな・・・って。」
光「その前に相手がいなくちゃ。」
的を得ている答えを言ったつもりだった、結婚は1人で出来る事ではないし。互いを理解し合えた2人がする事だ。
ただ結婚したいと思うから出逢うのか、出逢ったが故に結婚したいと思う様になるのか、こりゃある意味哲学だなとこの世界に来てから初めて思った。
ただ光も他人の事を言えない身、これ以上ドーラに意見するのはどうかと自問自答してしまっていた。
ドーラ「あんたはどうなの?相手というか良い人でもいる訳?」
光「いると思う?この世界に来てからずっとただただ吞んだくれてただけだよ。」
ドーラ「沢山の男と酒を交わして仲良くしている癖に、チャンスがあったんじゃないの?」
ドーラは一滴も酒を呑んでいないのに酔っぱらって絡み酒をしている様に見える。
光「いないって言ってんじゃ・・・。」
そんな時