……オヤジのしばらくの沈黙後に女神様がとんでもない回答を述べる。
「……え?」
「俺も後で知ったんだが、アデレと対となる双子の星、『ルマニア』に転生しているらしい」「アデレとルマニアは双子の星にして1つの世界。そしてそこにいるスカードとサイファーはそのルマニアの住人なのですよ」
「え、ええっ!」女神様の話の内容に驚くしかない俺達だった。
「うーんそうなると、スカードがこちらの世界に来たのも多分偶然じゃないかもね……」
「ええっ! 雫さんがそんな事言うとなんか妙に説得力があるんだよね」(となるとスカード達は双極の星からの使者ってことかあ……)
「あの博士、少し訪ねたい事があるんですが?」
「ん、なんだい雫さんとやら」「何故、私達にこの世界でこんな経験を積ませたんです?」
「理由は大きく2つある。1つは母さんを探すのに純粋に力と仲間が必要だった」(なるほど、結果的にはなるが魔王スカードと出会えたのも必然だったのかもね)
俺はもう1つの星の住人である魔王スカードとサイファーを見つめ、納得せざるを得なかった。
(だってさ魔王スカードみたいな強者がルマニアにはまだいるってことだろ? そうなると、女神様が俺と魔王スカードを戦わせたのは納得なんだよな)
「で、親父。もう1つの理由は?」
「多分、異世界転生計画の真の目的じゃないかしら? 私は組織から月面移住計画と並行して進められた新しい地球の代替えとなる新天地が目的って聞いていたけど……?」「へ?」俺達はスイさんの難しい言葉に目を細め唖然とする。
「月面移住計画って、私の両親も確か関わっているって聞いたけど。確か月を探索して資源や新しい土地を求める計画よね?」
「ああ、そうだ。月じゃなくて地球に類似した異世界を探す方が早いからな」「ぶっ飛んだ計画ではあるけど、理には適ってる