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第167話

Author: アキラ
土砂降りの雨が一晩中降り続いた。

喬念が入内した時、空の端には既に朝焼けが覗いていた。

大殿の上には、朝臣が両脇に立ち並び、そして御上様は玉座に座し、その目が怒りに燃え、じっと喬念を見据えておられた。

昨夜、喬念は人質として明王と交換するために赴いた。計画によれば、生きて戻るべきは明王であり、彼女ではなかったのだ!

喬念はこの上なく不安だった。

座しておられるあの方は、一言で彼女の生死を決めることができるお方。彼女がどうして恐れずにいられようか?

しかし、喬念はそれでも懸命に表面上の平静を保ち、前に進み大殿の中央に至り、地に額づいた。「喬念、畏み奉ります」

その声が途切れると、しばしの沈黙があった。

喬念は額を地に付けた姿勢を保ち、軽々しく動く勇気はなかった。

大殿内の朝臣もまた一人として敢えて話す者はなく、まるで呼吸の音さえも消え失せたかのようだった。

全ての者が、御上様が喬念に対して下される宣告を待っていた。

思いがけず、玉座の上から聞こえてきた声は、驚くほど平静だった。「昨夜、いったい何事が起こったのか?」

声は低く、まるで尋常な事を尋ねているかのようだった。

喬念はゆっくりと頭を上げ、あの鮮やかな黄色の姿を見つめた。

彼女は御上様の顔に浮かぶわずかな疲労の色を見て取り、その平静な瞳の奥で渦巻く感情を見た。

たとえ御上様であっても、たとえ皇子が無数におられようとも、明王の死は彼にとっては、やはり子を失う痛み。どうして平静でいられようか?

喬念は当然、昨夜の真相を語ることはできない。

文武百官の前で、もし彼女が明王が犬のように山賊に懇願したなどと説明すれば、それは公然と御上様の顔に泥を塗るに等しいではないか?

故に、彼女はゆっくりと、来る前にとうに考えておいた言い訳を述べた。

「昨夜、わたくしは山賊に捕らえられ山洞の中へ連れて行かれました。明王にお会いした時、殿下は既に満身創痍でございました。山賊は多勢であり、まるで明王の目の前でわたくしを辱めようとさえいたしました。幸いにも殿下が命懸けで庇ってくださいましたが、しかし......殿下は山賊に何度も斬りつけられ数太刀を受けました。小禄子は明王の仇を討つため、怒りに任せて山賊五人を殺しましたが、残りの二名の山賊が逃亡し、小禄子は追いかけましたが、今に至るまで音沙汰なく、生死不明
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