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第1086話
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交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第1104話
「家庭の幸せのためなら、私だってケチ臭いことは言わないタイプよ。だってあなたは陽ちゃんの父親なんだし、毎月彼の養育費を払っているでしょ。父親と子供の仲を継続させないといけないじゃない。じゃないと、あなたはお金を出して養っているのに、あなたに対して疎遠になったら、まったく損だと思うわ。それに私たち一緒になってからこんなに経つのに、私はお腹が大きくなる気配もないわ。陽ちゃんを連れてきて少しの時間一緒に過ごしたら、もしかしたら刺激されて妊娠できちゃうかもしれないわよ。私の実家のほうには、結婚して数年ずっと子供が生まれなくてね、養子を迎えて一、二年したら妊娠できたなんて人も結構いるんだからね」俊介はそれを聞いてパッと顔を明るくし、莉奈のことを絶賛した。「莉奈、やっぱり俺の目に狂いはなかったんだ。君は本当に物事を深く理解している良妻賢母な子だよ」「結婚してから幸せに過ごしたいって普通の女性なら思うでしょ？あなたの家族があそこまでひどい人たちじゃなければ、私だってこんな嫌な女になったりしないわよ。特にあなたの姉ね、本当にクソみたいな女だわ。彼女はあなたと唯月が結婚していた時もめちゃくちゃにしたんでしょ。そして今また私たちの結婚まで壊そうとしてきているのよ。俊介、私はわざとあなたとお姉さんの関係を壊そうとしているわけじゃないわよ。私が言っているのは全て事実なの。思い返してもみてよ、あなたの姉はクズで最低じゃない？あの人がする全てのことは全部自分の利益になることだけよ。自分にはある程度の貯金があって、店を開きたいと思った時に、私たちのところまでやって来て、二百万以上貸してって言ってきたでしょ。あなたの姉のような人間にお金を貸したら最後、それはこちらに戻ってくることは二度とないわ」莉奈は俊介の前で英子がクズで最低だとディスり始めた。彼女は唯月だって俊介の目の前で文句を結構言っていたはずだと自信を持って言える。ただ俊介が心変わりしてから、自分の姉のほうを味方するようになっただけだ。俊介は少し黙ってから、言った。「俺の姉ちゃんは……もう姉ちゃんには伝えてあるよ、今後何か大事な事でなければうちには来ないでくれって」「彼女、あなたに彼女の二人の子供の住民票をこっちの市内に移したいって言ってきたんでしょ。そうしたら、私たちの新婚の家に一緒に住んで、星城第二に
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第1103話
俊介は頭を傾けて莉奈を一目ちらりと見て、からかうような口調で笑って言った。「莉奈、今日は太陽が西から昇って来たのか？朝早くに唯月の弁当屋に食べに来て、陽と一緒にいてさ、莉奈が来たのを見て喧嘩になるんじゃないかって心配だったんだよ。唯月の前でそんな姿見せて恥かくんじゃないかって。それがまさか陽をうちに泊めてもいいって言われるなんて思ってもなかったよ。莉奈は恭弥にはあまりいい顔してくれないから、子供嫌いなのかと思ってた」恭弥が莉奈の化粧品などをめちゃくちゃにしてからというもの、莉奈は非常に彼のことを嫌っている。しかし、あれは英子の子供だから、英子と俊介が姉と弟の関係を断ち切ってしまわない限り、会わないわけにはいかないのだ。莉奈は内心歯がゆいほど憎たらしかった。恭弥が来た時、彼女は俊介との寝室に鍵をかけて、恭弥が勝手に入らないようにするしかなかった。恭弥は借りている部屋の至るところをめちゃくちゃにしてしまう。義父母も全く構う様子もなく、楽しそうに恭弥の好き勝手に暴れさせているのだった。莉奈は英子の三人いる子供はみんな義父母が面倒を見ていたことを知っている。義父母は三人の孫にはとてもよくしていて、陽のことはあまり構っていなかったのだ。彼らが溺愛している子供たちについては、莉奈はあまり多く口出ししたくなかった。しかし、恭弥が自分たちの家に帰ってしまってからは、義母はいつもいつも彼女に部屋の片付けをするよう口うるさかった。彼女は片付けなどしないのだ。気になる者が片付ければいい。どのみち彼女の部屋がきちんと整えられていればそれでいいのだ。莉奈は頑なに家の掃除などしなかった。最後には義父母が掃除したのだ。一度や二度掃除して、ようやく家を片付けるのが鬱陶しいことだと気づいた。恭弥がまた来た時、義父母はもうこれ以上あの暴れ回る子供に家の中をめちゃくちゃに荒らされるのを止めるようになった。莉奈は義父母、英子たちと何度も闘いを繰り広げ、最終的に得た経験は、あいつらを上回るほどひどい対応をすることだったのだ。俊介の心を掴んで、彼を味方につけておくだけで、いつも勝利を得られるのだった。「別に子供が嫌いなんじゃないわよ。私はただ言うことを聞かない暴れ回るようなガキが嫌いなだけ。陽ちゃんみたいに物分かりよくて、可愛い子供なら嫌いじゃないのよ。もちろん
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第1102話
以前、唯花が彼の家に住んでいた頃、ほぼ全ての家事をこなしてくれていたのだ……「り、莉奈、お、俺、ちょっと朝ごはん食べに来ただけだよ」俊介は落ちた割り箸を拾い、テーブルの下にあるゴミ箱に捨てた。そして立ち上がり、莉奈にここへは朝食を取りに来ただけだと弁解した。莉奈は陽のほうを見た。陽も彼女を見つめた。その顔は非常に唯月に似ていた。瞳は真っ黒でキラキラと輝き、とても可愛らしい子供だった。すると莉奈はすぐに陽から視線を逸らした。俊介はまたすぐに言い訳をした。「唯月はさっきすっげー忙しくてさ、陽の面倒を見る人がいなかったんだよ。俺が朝ごはん食べる時に、陽をここに座らせたら面倒も見れるじゃんか。だって陽は俺の息子であることには違いないんだからさ」彼は、莉奈が彼ら佐々木家が陽の話題を出すのが嫌いなことを知っていた。さらに彼が陽のところに会いに来るのを見るのも相当嫌がっている。莉奈は深く数回呼吸をし、心の底に湧き起こる怒りをどうにかして抑え込んでいた。彼女は本当に夫とその家族がいつもいつも陽に会いに来るのと、陽の話を出してくるのを嫌っていた。義父母が一日中、陽は彼ら佐々木家の大切な孫で、唯一の跡取りだと話しているのはもういい。俊介は離婚する前にこの陽という息子と別に交流を持っていなかった。それなのに、今やほぼ毎日のように陽に会いに来ている。莉奈は俊介と唯月が復縁してしまうのではないかと心配していた。義母はずっと俊介に莉奈を捨てて、また唯月を追いかけろと吠え続けている。彼女も変だと思っていた。俊介と関係を持ってから、今に至るまですでに数カ月も時間が経っている。それなのに、彼女は今まだ妊娠する気配すらない。莉奈は自分の体はもしかして妊娠できないのかと不安に思っていた。彼女がもし妊娠できれば、義母たちも、もしかすると彼女に対して態度を改めるかもしれない。「俊介、別にあなたを疑っているわけじゃないわ。ただ、あなたが次また朝食を食べに来るなら、私も誘ってよ。私だって、かなり長い間唯月さんの作る朝食を食べていないんだからね。以前、よく会社に朝ごはんをお弁当に詰めて持って来てくれていたじゃない」テーブルを拭いていた唯月はその手を止め、すぐにそういうことかと納得した。以前、俊介はいつも朝遅くに起きていたから、家で朝食を取る時間がないと言
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第1101話
俊介は昔、自分が唯月に対して本当にひどい扱いをしていたとわかっていた。彼は彼女を少しずつ社会から遠ざけて、収入源を断ち、三十過ぎの美しくない女に仕立て上げようと思ったのだ。多くのこのような状況に陥ってしまった専業主婦からしてみれば、唯月は勇敢な女性だった。さっさと、あっさり俊介とは夫婦の関係を断ってしまったのだから。彼女は子供のために我慢して結婚生活を続けることはなかったのだ。彼女は結婚に失敗し、離婚することになって、子供にもしかすると傷を負わせてしまうかもしれないと思った。しかし、離婚しなければ、夫婦は一日中、口喧嘩し、時には手まで出していまい、穏やかな家庭ではなくなってしまう。それも同じように子供を傷つけてしまうことになるのだ。それならば、離婚してしまって、彼女が子供を連れてシングルマザーとして過ごしたほうがいいだろう。彼女が気を配って子供を導き、強く逞しい自信のある大人になれるよう育てていけばいいのだ。清水は注文された食事を持って、俊介の前にそれを置いた。そして、ぼうっと考え事をしていた俊介は、ハッと我に返った。そして、心の中で、彼は今莉奈との生活も幸せで甘い日々を過ごしているじゃないかと考えた。家庭内での揉め事はあるが、それは夫婦となってから莉奈と喧嘩を繰り返してお互いに理解を深めていく段階であり、それがうまくいけば、今の唯月よりももっと幸せな生活を送れるのだから。それで、彼は心を落ち着かせて朝食を食べ始めた。陽に一口卵焼きを食べさせようとしたが、陽は彼と同じ箸を使っているのを拒否した。彼は自分の箸を使わないと嫌なのだ。すると陽は自分でその卵焼きを箸で掴んで食べた。俊介に食べさせてもらう必要はないのだ。彼は父親が使った箸には唾もついていて汚いからそれに嫌悪感を抱いたのだった。「陽はもう自分で箸が使えるんだな。しかもちゃんと掴むことができるだなんてすごいじゃないか。恭弥兄ちゃんは今も母親から食べさせてもらっているんだぞ」俊介は自分の息子は甥よりも優秀でよく出来る子だと思った。暫くして、俊介の頼んだメニューにセットでついている味噌汁を唯月が清水に頼んで運んでもらった。俊介はそれを別のお椀に少し移して、息子にも少しあげた。父と子は一緒に美味しそうに朝ごはんを食べていた。時間が経っていき、朝の出勤ラッシュの時間も過
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第1100話
陽は恐らくこの「商売」というものが何なのかはわかっていないのだろう。しかし、母親がここにいて、叔母の唯花とその夫は例外であるだけで、それ以外の人は例外ではないのだということを知っているのだ。俊介はそれを聞いて言葉に詰まってしまった。そしてすぐにこう言った。「陽、俺はお前のパパなんだぞ。どうして東って人とパパを比べられるんだよ。あれはよそ者だ。あいつはな、良い人間じゃないんだ。めちゃくちゃ怖い奴なんだぞ」陽はそれを認めて頷き、幼い声で言った。「あずまおじたんはとっても怖いよ。だけどね、おじたんは、わるい人じゃないもん！」前回息子を唆して、ただ隼翔が唯月のところ来るのを息子を使って妨害させようと考えた時のことを思い出した。俊介はうまいことここでタダ飯を食べようと企んでいた話題を変えて、息子とこれ以上この話題で話したくなかったが、陽は頑なにその話題から離れようとしなかった。陽は東おじさんはとても怖いが、悪い人ではないと言った。父親である彼がいくらその考えを変えさせようとしても、一向に変えることができなかった。「わかったよ。金払えばいいんだろ、金をさ。唯月、離婚してから、お前って本当に金にがめつい女になったよな。ものすごいケチになってるぞ。何から何まで俺に金、金って。これでも俺らは昔は夫婦だったんだぞ」俊介は文句を垂れながら、息子を下におろして財布を取り出し、その中から五百円を取り出して唯月に渡し、言った。「その朝食セットをくれ」唯月は彼のお金を受け取り、五十円おつりを渡した。「まだ離婚してなかった頃、あなたは私と生活費は半分ずつ出せと言ったでしょ。何をするのもあなたは私にお金を払わせたじゃないの。今、あなたと私は一切の関係もないのよ、なのにどうしてこの店でタダでご飯が食べられると思えるわけ？」俊介はまた言葉を詰まらせた。女は本当に恨みをいつまでも覚えている生き物だ。あの生活費を夫婦で折半していた日々は、たったの一カ月か二か月ぐらいだった。離婚してから今に至るまでもう数カ月も経っているというのに、唯月はあの時の恨みを今でも心に留めている。「俺は陽の父親だぞ」「まんぷく亭は私の店であって、陽の店ではないわ。あなたは確かに陽の父親だけど、私の父親ではないわよ。その父親だとかいう肩書をどっかに置いてきなさいよ」俊介「……
交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています 第1099話
陽はとても言うことを聞く子だ。それでもやはりまだ三歳にも満たない小さな子供だから、少しやんちゃな部分もある。俊介はあの日、陽を連れて近くの小さな公園に遊びに行った。陽はやんちゃでよく動き回る。あちこちを走り回って、うっかりすると遠くまで走っていってしまいそうになるのだ。それでしょっちゅう俊介は息子を見失ってしまうんじゃないかとヒヤヒヤしていた。俊介はあの一回陽を連れて遊びに行っただけで怖くなり、もう二度と息子を連れ出したくないと思っていた。それに、初めて外に陽を連れて行くのも単なる唯月のところに来るための口実に過ぎない。それで仕方なく息子を公園に連れて行かざるを得なかったのだった。陽は物分かりよく「そっか」とひとこと言うと、俊介に尋ねた。「パパ、仕事に行くの？」俊介は嘘をついた。「ああ、パパは仕事に行って稼がなくちゃいけないから」彼はまだ仕事が見つかっていない。この時、唯月が小さな店を開き、商売もなかなか順調そうなのを見て、俊介もピンと何かを閃いた。彼と莉奈が結婚式を挙げた後、彼女と一緒に店を開いて自分が店長になればいいんじゃないかと考えていたのだった。上司の顔色を窺う必要もなく、自由に働くことができる。ただ、彼が店を開いたら、理仁は引き続きそれを潰しにかかるだろうか？俊介が一番恐れているのは、理仁が俊介を許さないことだった。何をしても成功しないように何かと手出しをしてきそうだ。どうしても駄目なら、タクシーの運転手でもすれば、少し苦労をしてでも少しは稼ぐことができる。俊介は自分が人の夫であり息子であり、家族がいるのだから、彼が家を養っていかなければならないという重荷を担っていることを忘れていなかった。「そっか」陽は父親がお金を稼ぎに会社に行くことをすぐ受け入れた。母親が以前彼にずっと、父親は毎日働いてお金を稼がないといけないのだと言っていたからだ。それを聞きすぎて、陽は父親というものは毎日仕事に行くものなのだと理解していた。唯月は元夫がまた来たのを見ても、彼に構いたくなかったし、忙しすぎて構う暇すらなかった。俊介は息子を抱きながらやって来て、唯月に言った。「唯月、俺、まだ朝食食べてなくてさ、ここのおかずを適当に選んでよそってくれよ」唯月がそれに返事をする前に、清水が来て他のお客に頼まれた弁当を包み終
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