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基地からの脱出

Penulis: 吟色
last update Terakhir Diperbarui: 2025-09-21 05:08:49

『緊急事態発生!全職員は避難してください!』

基地全体に響く警報の中、クロたち10人は必死に脱出路を探していた。

「こっちだ!」

ジンが先頭に立ち、廊下を駆け抜ける。

クロは異常演算増幅器の副作用で足がふらつくが、サクラとリアが両側から支えてくれていた。

「大丈夫?」

サクラが心配そうに聞く。

「なんとか……」

クロが苦笑いする。

「でも、しばらく異常演算は使えないな」

《24時間使用不可。ただし、身体機能に問題なし》

ゼロの声が響く。

後方では、マルクとレオが疲労困憊の状態で歩いている。

長期間の監禁で体力が著しく低下していた。

「無理しないで」

ミナが二人を気遣う。

「私たちが守るから」

「ありがとう……」

レオが涙を流す。

「本当に……助けてもらって……」

カイが明るく答える。

「当たり前だろ。俺たちは仲間だ」

その時、廊下の向こうから武装した警備兵が現れた。

「逃走中の実験体を発見!」

「制圧しろ!」

魔術銃が一斉に火を噴く。

「みんな、伏せろ!」

フィアが氷の壁を展開して弾幕を防ぐ。

しかし、敵の数は多い。

「このままじゃ、袋のネズミだ」

レインが土の壁で追加防御を作る。

「別のルートを探そう」

ジンが通路の構造を確認する。

「この先に、非常階段がある」

「でも、そっちにも敵がいるかも」

リアが風で周囲の気配を探る。

「……3人いる」

「よし、突破だ」

カイが拳を握る。

「俺が先頭で突っ込む」

「待って」

サクラが制止する。

「クロが戦えない今、無茶しちゃダメ」

「でも……」

「私に任せて」

リアが前に出た。

「風属性の本気、見せてあげる」

少女が両手を広げると、廊下に巨大な竜巻が発生した。

警備兵たちが一瞬で吹き飛ばされる。

「すげぇ……」

カイが感嘆する。

「風ってこんなに強いのか」

「私たち風属性は、空間制圧が得意なの」

リアが少し誇らしげに答える。

「道は開けました」

「よし、急ごう」

10人が非常階段に向かって走る。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

階段を上がりながら、外の状況が見えてきた。

基地の外では、オブシディアン機関の飛行船が待機している。

「ルーク司令官たちがいる」

ジンが窓から確認する。

「でも、まだ距離がある」

その時、基地の屋上に巨大な影が現れた。

政府軍の戦闘ヘリコ
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