2大商会の設立とその後

2大商会の設立とその後

last updateLast Updated : 2025-09-26
By:  satomiOngoing
Language: Japanese
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異世界の2大商会の設立の起源とその後の商会に関わるドタバタ劇を1章~4章までお送りいたします。

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第1章 俺は王子から国一番の商会になった
俺はこのライレルク王国の第一王子だ。間違いない!しかしだ!最近自分こそが第一王子という輩が現れた。なんか、嬰児取り換え?生まれてすぐの子を取り換えるの?で、侍女の子と取り換えたから侍女の子として育った自分こそが正統な血筋の子である。という話だ。ふむふむ、なるほど。証拠はあるんだよね?で、証拠があったようで、俺は突然ビューティフル王宮ライフから平民ライフになった。名前はラルクと申します。幸いなのは、幼馴染で乳母の子のニースが共に来てくれたことだ。だって、俺自慢じゃないけど料理できないし?ニースも微妙だけど、俺よりマシだろう。騎士としても仕えてくれていたし(今は参謀)、きっと野戦料理みたいなのはできるはず!「ラルク様!今後はどのようにするつもりですか?」「うーん、俺はあのポッと出の王子に王子が務まるとは思ってないんだよね?そのうちそっちはどうにかなるとして…。俺らでしょ?俺には高位貴族と交流があったという人脈がある。外交も俺がしていたからそっちの人脈もある。…とすればやることは一つでしょう?商人です!そうだな、ゆくゆくは国一番の商会にでもなります?」「野望は大きい方がいいです。それにしても、ラルク様の言う通りですね。人脈は多いですね。そして、あの王子には‘王子’という役職は務まりそうもないですね。大方イメージで王子は楽して贅沢をしている…みたいに思ったんでしょうね。山のような書類に追われて、きちんとした食事などなかなか摂れないのに…」「その山のような書類を俺にあてがっていたのはお前だ!」「御意」「そのおかげでか(?)商会のようなところの書類など簡単に処理できるだろうな」「まずは俺は商会を起ち上げようと思う。名前は安易に『ラルク商会』でいいだろう」安易だとは思うがわかりやすいし。「では、まずは商会の特産ですね。ラルク様の人脈をもって東方の国特産のアキヤ貝から採れるというあの石を商会の目玉にするのは?貴族がこぞって欲しがるでしょうね。そこが王に追い出された王子の商会だとしても…」「そうだな。アレはどこにも卸していないんだよな。この商会で独占できれば…というか、するぞ!まずは俺は東方の国に文を出す。もちろん東方の国の言語で。相手に失礼では商談に支障が出てしまう。今後の事業についても要相談だな」ニースはすぐに書面を東方の国に送ってくれ、数日
last updateLast Updated : 2025-09-01
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第2章 ワガママ令嬢には釣り書が1通  第1話 出会い
わたくしももう12才です。我が家は由緒正しい侯爵家。見合いの釣り書の10や20くらいきているでしょう。「この家はうちよりも爵位が低いじゃない?ダメよ!」「え?なんでこんなに背が低いの?ダメよー」「えー、この人は顔が…ハッキリ言うとブサイクではなくて?」「この人。この間のお茶会でプレイボーイだと噂になっている方ね」等、あら捜しをしているんだろうかというくらい断りまくっていた。その結果数年後、「お嬢様、大変言いにくいのですが。お嬢様に見合いの釣り書が来ていないのです!」「何ですって?!」おかしいわ。わたくしは付近を捜索した。わたくしは自分で言うのも烏滸がましいですけれども、由緒正しい侯爵家の一人娘。蝶よ花よと育てられましたわ。わたくしの何が不満なの?「釣り書、あるにはあるのですが…お嬢様、平民はお嫌いでしょう?」「当たり前のことを何を?」「平民なのですが、急成長の商家の息子でして…」ふーん、平民にしてはマシな方ね「わたくしはこの家の一人娘ですからその方は婿入り、という事になりますわね。平民風情が一気に侯爵?!なんか気に入らないわね」「しかし、釣り書はこの一つでして…」「しかたない。会って差し上げましょうか?ほほほ」わたくしはこの決断がわたくしの人生を大きく変えることになるとは思ってもみなかった。「初めまして、お嬢様。私の名前はバードと申します。商人は平民ですので、家名はありません。どうぞ気軽にバードとお呼びください」なんなの?18才年齢のわりに、しっかりとしててイケメンじゃない?今後さらにイケメンになるのかしら。声もさらにイイ感じになるのかしら?肩幅とかもガッチリとしていい感じになりそう。今後が楽しみな人材ね。碧眼に銀髪。あれ?銀髪って平民に少ないんじゃ?「わたくしはリラ=ステインベルク侯爵令嬢よ。知ってるでしょ?」「未来の奥方の名前はしっかりと覚えていますよ。リラ嬢」わたくしはこっそりとバードの素性を探るように指示を出した。執事などは「バード様をお気に召したのですね~」などと感涙していたが、違う。どうも、碧眼に銀髪の平民というのが引っかかる。「お嬢様、調べた結果とんでもないことがわかりました。どうやら、バード様は公爵家の落胤のようです」公爵家と言えば…王家ともつながりあるじゃない。バードは超優良
last updateLast Updated : 2025-09-01
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第2話 平民暮らし
バードに会えないまま、17才を迎え私は男の子を出産致しました。バードによく似た銀髪碧眼の男の子です。子供を抱え、お父様は私達親子を勘当しました。孫を無くすのは辛かったろうと思います。侯爵家は親戚から養子を取るのでしょう。私も平民になりました。バードの凄さがわかります。商家の次男ですが、ほぼ家を継ぐような能力を持っているようですし、社交界でも多くの令嬢から秋波を送られているようです。ダンスも素晴らしかった。この子を育てなくてはならない。幸い、私は住み込みで働けるところ“SI亭”を見つけた。昼間は普通の食事処だが、夜は居酒屋というスタイルの店だ。住み込みなので、ライク(男の子の名前)が泣いてもどうにかなる。お客さんもライクを可愛がってくれるので、非常に助かる。「俺が噂できいたんだけどよぉ、あのでっかい商家次男が継いだって話!長男を押しのけて次男かよ?って感じ。よっぽど次男の腕がいいんだろうな」「ああ、あそこの商家で取り扱ってるものに変なものはないからな。ほら、きちんと保証書とかついてるし」ライクが泣き出す。「ああ、ごめんよ?つまらない話でちたね?おいたん達の話」泣き出したので、おむつの交換か母乳だ。貴族なら絶対母乳で育てることはないのだが、母乳が経済的なのだ。両方だった…。流石に食事処でオムツ交換と授乳はできないので、一度部屋に戻らせてもらった。「あなたのお父さんはすごい人なんですよ?」と言い聞かせながら私はオムツを交換し、授乳した。ライクも3才になった。私は20才。子供が年を取るのは早いと思う。「いらっちゃいまちぇ」「あ~、ライクが迎えてくれるなら、オジサン毎日でも通うよ~」おっさんが幼児にメロメロだ。男の子だけど、顔立ちもスッキリ整ってるし、髪も伸ばして後ろで縛っているから、女の子によく間違えられる。「あはは、ライクは看板坊主だねぇ」というのは、私をここで雇ってくれた恩人の女将さん。「人間、話したくない事の一つや二つあるもんだ」と豪気にも私のことをあまり詮索せずに雇ってくれた大恩人だ。「いらっちゃいまちぇ」と、ライクが迎えたのはバードその人だった。二人は驚くほど似ていた。「リラ嬢はいるかい?私のオーダーはリラ嬢だ」23才であろうバードが私を所望だ。泣きそうだ。久しぶりに見たバードは少し疲れているようだった。
last updateLast Updated : 2025-09-02
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第3話 バードの家に行く
翌週、バードの商家に招待されるように遊びに行った。なんだろう?敵意みたいなものを感じる。「ライク、迷子にならないように手をつなごう!」「うん♪」本当にバードはすごいなぁ。この商家はなんでも扱ってるんじゃないだろうか?扱ってないものあるの?「ようこそ。リラ、ライク。本当に欲しいものがあったら言ってね。必要とあれば、ね?」ね?何?怖いんだけど?もし私が宝石欲しいって言っても、OKでそう。怖いわ~。昔ならそんなことなかったなぁ。何?いきなりバードが目の前を覆う。というか、私とライクを覆う。「誰だ?吹き矢なんて古風な事したのは?」バードが怒っている。その手がちょっと痺れているようだ。「誰か、バードを!手が痺れてるみたい。吹き矢に毒でも塗られてたのかしら?」私は、バードの背中から矢を抜き、救護室へ向かうバードと共に救護室に持っていった。私とライクも救護室に行った。「あーこれ、吹き矢に毒だな。古い手だ。で、犯人捕まえたんだろ?」というのは、救護室の主任。 「解毒剤があるはずだから、至急持って来て」主任はのん気にテキパキしてるなぁ。「意識ははっきりしてるな?」主任はテキパキ処置をしていく。ライクは泣きそうだ。「で、犯人は?」バードは意識もはっきりしてるみたいでよかった。で、そこ聞くんだ?「笑えるぞ?お前の家族を狙ったんだと。ここには解毒剤が沢山あるし、吹き矢なんて古風な手を使うとはねぇ」笑えないんですけど。ここに入った途端に感じた殺気の答えか…。「それなんですけど、ライクがずっと二人で暮らしたいって」私は、ライクが一生懸命出した答えをバードに伝えた。バードはショックだろうか?「おかあたんちがうの!おとうたんがいなくなるのはいやだとおもったから、たぶんちがうの!」バードが毒を受けたって聞いて、ずっと震えてたもんね。「ライク、ゆっくりでいいの。話してごらん?」「うん。おとうたんとしぇいかつするのやじゃないよ。でもきゅうにかわるのはこまる。じょうれんのおいたんもいるし、おかみたんだってはなれたくないよ!」ライクが涙目で一生懸命話してくれた。「うんうん、わかったよ。それじゃあさ。お店がお休みの日だけココに来るっていうのはどうかな?」バードの提案。恐らく、ライクの年齢が上がるにつれてココに来る率が上がるのだろう。「うん、わ
last updateLast Updated : 2025-09-03
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第4話 バードvs公爵
翌朝、この家ならよくあることなのかもしれない。4頭立ての豪奢な馬車と馬のいななきが家中に響いた。流石にライクもバードも起きた。「とうたん、かあたん、なんのおと?」ライクが戸惑うのも当然だろう。今までそんな音とは無縁の生活をしてきたのだから。「噂では聞いていたんだが…。君たちを悲しませるような事は絶対にしたくないんだ。あの音は多分公爵」あっ、昔調べたんだった。バードは公爵の落胤って。公爵家に何かあったのかしら?「籍は入れていないが、君は私の妻だ。それが事実だ。」改めて言われると恥ずかしい。バードが出迎えることとなった。「公爵様、いらっしゃいませ。我が家にどんな用件で?我が商家ならばどんな品でも取り扱っています」「うむ、心意気やよし!さすが我が公爵家の跡取り!」「何かの間違いでは?」「なに、その銀髪と青い眼が何よりの証拠!平民にはいないだろう?」「恐れながら、公爵家には後継様がいらっしゃったと思いますが?」「不慮の事故でなぁ…」(本当は横領の罪で勘当したハズ)「私は今の暮らしが好きです。満足しております。跡継ぎでしたら他をあたってください」「公爵の力をもってすれば商家の一つくらい潰せるんだが?」「できないはずですよ。この商家でしか扱っていないものが多すぎて。ここを潰すと国が潰れるんです。公爵様の賢明な判断を。では失礼します」「全く、朝から不愉快だよなぁ。まぁ、そのために奔走してたんだけど?」疲れて見えたのはそのせいなんだ…。「バードが公爵様の跡継ぎってのは?」「多分、本当なんだろうね。ほら、ディスプが言ってただろ?母親が別嬪だったんだよ。公爵邸で使用人してた時のお手つきだろうね」子供(ライク)の前なので、ぼかした会話になった。「本当にこの商家を潰すと国が立ち行かなくなる?」「あぁ、うちは日用品も扱ってるけど、軍関係とかも扱ってるからね。しかも独占状態で」本当にすごい人なんだなぁ。と思う。「あぁ、貴族の奥様が好きな化粧品とか美容系も独占状態だ。ここ潰したら、家庭内戦争勃発だなぁ(笑)」貴族は面倒だと思う。そうか、そういう角度からも攻めたのか。「とうたん、だいちょうびゅ?」「ああ、俺もみーんな大丈夫だ。ライクは心配しなくていいぞ!」公爵は別の角度から攻め込んだ。“SI亭”を買収しようとした。つまり、私とライ
last updateLast Updated : 2025-09-04
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第5話 バードとリラとライク
その日の夜、私は久しぶりにバードと肌を重ねる事となった。ライク曰く、「ラブラブなら、ぼくがまんちゅるもん!」と寝室は別々になった。私の寝室は主寝室と繋がっている。あのドアをこえて、バードが来ると思うとドキドキする。つい、ドアを凝視してしまう。「アハハハハっ」何故か横からバードの笑い声??「緊張してるだろうなぁ。と思ってきちんと正しいドアから入ってきたんだけど、内側のそのドアをそこまで真剣に見てると思わなかった」見られた…。凝視している姿。しかも使用人さん、なんなの?このネグリジェ?スケスケ?寒いじゃない。「その服、誰が選んだの?」「使用人さん。私は選ばないわよ~。寒いもん」バードが近づいてくる。「俺が温めるよ…」そう言って、私は再びバードに溺れる事になった。翌朝、バードの寝顔、どう見てもライクにそっくりなんだよなぁ。「おはよう」「おはよう、起こしちゃった?ゴメンなさい。あなたの寝顔、ライクにそっくりだなぁ。ってじーっと見ちゃって」ライクもバードみたいなイケメンに育つのかなぁ?「俺は昨日というか今朝がたかな?君の寝顔見てた。昔と変わらない寝顔」そうだ!寝顔は変わらないけど、体形変わってるよね?恥ずかし~。 「あ、もしかして体形とか気にしてるの?敢えて言うなら、子供を育てて、子供っぽさが抜けて妖艶になった感じかな?」褒められた?それはそれで恥ずかしい~。「実は、今日俺休みをもぎ取ったんだ(無理やり)。なので、お付き合い願いますか?ライクなら、ここの使用人が遊び相手になるって張り切ってるよ」ライクは可愛いからどこでも人気者なのよね~。ん?お付き合い?とはそういうことかな?ライクも引き離してるし、そうよね?「わかりました。手加減してくださいね?」「それはどうかなぁ?なにしろ、会えない分我慢してたからなぁ」こうして、私は一日中バードに付き合い、足腰立たなくなり、喉も涸れ、第2子を妊娠しました。ライクは喜んだ。「ぼく、おにいたんになるんだね?」「そうだよ。まだ妹か弟かわからないけどね。必要なものはうちの商家から用意しようか?楽しみだねぇ?」「うん!」なんだかライクとバードがタッグを組んだような感じだ。跡目争いをしてほしくないから、女の子がいいかなぁ。あぁでもライクに跡目教育をするのもなんか可哀そうな感じ。好き
last updateLast Updated : 2025-09-05
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第6話 ライクの縁談話 
「父さん、この計算合ってる?次はこの商品が当たると思うんだ」12才になったライクはバード(32)と結局商家の話をしている。バード曰く、「商家の世界の勉強が楽しくて、好きみたいだ」そうだ。我が家の第2子はルリという名前になった。これはルリ色という色があるらしい。私はわからないけど、東方の国では結構メジャーな色らしく、バードとかライクの瞳の色に近いものらしい。            青じゃないの…。と私は思ってしまうのです。ルリは見事にブラコンになりました。まぁ、ライクはイケメンに育ったし、商家の勉強もしてるし、気持ちはわかるけど、近親相姦はダメだからね!ライクの方はルリの事をそれは可愛がってる。楽しみにしてた可愛い妹だから。家族愛。ルリは勘違いしたらダメ!バードとは未だにラブラブです♡これ以上家族が増えないように…と私は言ってるけど、バードは経済的に問題ない。とあんまり話を聞いてくれないので困ります♡「ところで、ライクに縁談が来てるぞ」なんですと――――?あ、でもバードだってそうだったから、不思議じゃないか。「どこから?」「それがなぁ、貴族なんだよ。断れないよなぁ。腐っても平民だし」うちは腐ってなけど、貴族かぁ。いい思い出ないんだけどなぁ。「家門は?」気付かないうちにバードが後ろからのっしりとのしかかっていた。重い。「ディーペスト侯爵家」「バード重い。ディーペスト侯爵家かぁ。聞いたことないわね、侯爵家として。恐らくだけど、私を勘当してから、ステインベルク侯爵家が衰退したんじゃないかしら?それで、ステインベルクが伯爵家に、ディーペスト伯爵家が侯爵家になったんじゃないかしら?バード重い」「ワザと~。元・伯爵家かぁ。それなりにやり手ってわけか?で、うちと姻戚を結んでこの国で一気にのし上がろうって腹か」バードはついでとばかりに私の耳に息を吹きかける。「お見合い自体は断れないんだけど、婚姻は結ばなくていいんだよなぁ。ライクが気に入ったなら止めないけど?」「ライクって12才よね?ライクに媚薬効くかしら?貴族は前科があるから…」「微妙だなぁ。直接聞くような事でもないし。お見合い自体は断れないから、媚薬に気を付けろとしか言えない。ディスプに相談するか?」「そうしましょうよ!」このままだとなし崩し的にベッドに連れていかれそうなので、話に即
last updateLast Updated : 2025-09-06
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第7話 ライクの見合い
見合い当日、ルリはライクが出かけるまで駄々をこねていた。一応の正装。といってもスーツだけどを着て、付き添いはバード。バードの方が交渉が上手いから。私が付き添って下手に婚姻が成立すると大変なことになる。いろんな意味で。政治的にマズいだろうし、ルリはごねるだろう。「本日は悪天候の中、侯爵に出向いていただき誠にありがとうございます」訳:悪天候?出かけたくなかったし?侯爵も悪天候なら家でおとなしくしてろよ。「いやぁ、ライク君は噂通りお父様にそっくりないい男だねぇ」「恐れ入ります」(ライクは小さい頃から俺に似てるんだよ!)「うちの娘なんだが、親の欲目かねぇ?なかなかいい娘に育ったと思ってるんだ。どう思う?」(完全欲目だ。うちのルリの方が断然よい)「ライクがどう思うかですからね。でもライクは普段からうちの妻や娘を見ているんで、目が肥えているんじゃないかと思いますよ?」「そうそう!バードさんの奥方も美人だと評判ですよね?」(当然の評価だ!)「ライク、こちらはディーペスト侯爵閣下だ」「初めまして、私はただの商家の長男ライクと申します」(ただの商家じゃないけど、まぁ挨拶としてはこんなもんだろう)「でなぁ、こっちがディーペスト侯爵家の次女のエミリー嬢だ」「はあ」(まぁ、そんなリアクションだよなぁ。リラとかルリの方が美形だし?)「ライク君、緊張で喉乾いただろう?そこの水でも飲んだらどうだ?」(明らかにおかしい。水というわりに、澄んでいない!毒を盛るならもっとわかりにくくしてくれ。ライクは帰ってから3日間寝込むんだぞ?)「はぁ、でも…この水濁ってません?変えてもらっていいですか?なんなら商家から水を今すぐ取り寄せます」(気持ちはわかる!なんでこんなにわかりやすいんだよ?もっと隠せよ。俺達の苦労を返せ!)ディーペスト侯爵が呼ぶと、店の人がすぐに来て水を取り替えてくれた。正直ライクは全く緊張していなかった。侯爵の方が緊張しているようだった。ライクはどうでもいいから早く帰りたいようだった。「ライク様のご趣味は?」「ライク様のお好きな色は?」「ライク様のお好きな場所は?」等、エミリー嬢の質問が正直うっとおしかった。仕事、と割り切ってココにいるだけで、エミリー嬢には全く興味がなかった。「はははっ、エミリーのやつはライク君にホの字というやつだ
last updateLast Updated : 2025-09-07
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第8話 ストーキングは嫌だ
「何だったんだ?あの貴族?結構な手腕で侯爵って爵位になったと思ってたけど、違ったのか?」珍しい。バードがお怒り。「そうだよねー。俺なんかこれから薬の副作用で3日間寝込むんだぜ?それなのに、あからさまに、毒でーすって水飲ませようとする?」うーん、水に気を取られてると他で薬を摂取させられてるかも。「とりあえず、ライクは注射キライでしょ?寝てる間に血液検査ね?おそらくなんらかの毒が検出されるんじゃないかな?」「水飲まなかったのに?」「そこがあからさま過ぎるのよ。変でしょう?例えば…ライクが座る椅子にチクっとする毒針を仕掛けるとか?」ありそう。水に目が行って、椅子を見逃すのよ。多分今回はそんなパターンだと思う。「なるほど。あり得るな。よし、あの店のあの部屋担当だったやつを尋問するとしよう」ライクが薬の副作用で寝てしまった。看病は24時間で侍女頭のエマに頼んだ。ルリも立候補したけど、年齢的に無理。と言い切った。ライクの血液からは案の定毒物が検出された。ディスプによると、一定時間侯爵令嬢のいいなりになるような侯爵に都合のいい薬だそうだ。この結果を持って、法務局にかけあい、ディーペスト侯爵は法の下で尋問されることとなった。当然、そのようなところと縁を持つようなことはしないので、ライクはエミリーと会っただけとなった。ディーペスト侯爵は拘束されようとも、金銭を渡して出てくるだろうケド。ライクが起きた。「すごい嫌な夢を見た。エミリー嬢に追っかけまわされるんだ」あながち間違ってはいない。実際エミリー嬢は見合いからというもの、ライクを追っかけまわすようになった。迷惑千万だ。「ライク、本物の婚約者がいないからエミリーみたいなのが現れるんじゃない?」多分そうだろうな。「自分にもチャンスはある!」みたいな…。「そんなこと言ったって、今は商家の勉強が楽しいし…」うーん。私がはっきり「迷惑」って言って聞くかなぁ?「ちょっとエミリー嬢いいかしら?」「なんですか?元・侯爵令嬢のオバサマ」義母になり得る人間に喧嘩売る?あり得ないんだけど?そういう時代なのかしら?ああ、自分を愛してくれるライクが私を貴女から絶対的に守ると思ってるのか。……でも今の発言は多分バードも怒るけどいいのかな?「えーと、ライクは貴女に興味がないって。今、興味があるのは商家の勉強でこ
last updateLast Updated : 2025-09-08
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第9話 vs王家
「バード、エミリー嬢による被害額ってどのくらいだったの?」「色気のないピロートークだなぁ。他の女の話?萎える」萎えて結構!「あれは、嘘も方便ってやつだよ。うちの商家が莫大な金額を稼いでるのはわかるだろ?その数パーセントの被害額って、数パーセントでも莫大な金額だからね。でまかせでまかせ。でも、そんなのにあの子はひっかかったから、万事OK」はぁ、心配したのに。私も引っかかったんだけどなぁ。「私だって、あんな小娘がうちの商家に被害与えてたのかと思ってドキドキしたわよ~。うそでよかった」「さすがにあんな小娘では数パーセントも被害出せないかなぁ?0.01パーセントくらい?それでも庶民には結構な額だけどな~♪」「明日は大事な商談あるんでしょ?あ、もう今日?」「こっちの方が大事だもーん」こういう時だけ子供っぽくて甘えた感じなんだから、こっちは仕方ないなぁって思っちゃうじゃない!「我が商家から軍事部門を引き抜きたいと?」それは無理な話だろう。軍事部門は収入の3割近くのはず。「無理なら美容部門を引き抜きたいと?それは我が商家を弱らせ自分たちの力を付けたいというのが見え見えですね。どちらも私が力を込めて作った部門ですのでこの商談は決裂ですね。いくら積まれても、無理です。私が大事に育ててきた部門ですから」バードは捕縛された。容疑は謀反準備罪。「おかしいよ、軍事部門だって前からあったし、美容部門だって父さんが力入れて大きくしたんじゃんか」ライクの言う通りなんだけど…。「多分…今日の交渉相手、王家だったのよ。面と向かってたてついたから、腹が立ったんでしょうね。権力の乱用よ」軍事部門は確かに前からあって、うちの商家の独占状態だった。バードの手腕で。美容部門については、失っては貴族のオクサマが家庭内戦争を起こすだろうとの予測の下でバードが力を入れていた。「さて、どうしたらいいでしょうね?王家からは2つの部門とバードの身柄を引き換えるって。ライク、考えましょう?」2代目になる予定のライクをたきつけて、さて考えましょう。「王家は名前だけ欲しいのかしら?権利が欲しいのかしら?軍事部門の権利はあげられないわよねぇ。美容部門についても商品の名前だけ?中身の成分とかのリストはいらないのかしら?研究者とか…」「母さん、それだよ!王家には軍事部門と美容部門を渡す。父さ
last updateLast Updated : 2025-09-09
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