A Mythical World

A Mythical World

last updateLast Updated : 2024-01-26
By:  Faria_SamiraCompleted
Language: English
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Synopsis

The kingdom of Imperium. A kingdom of swords and fights and forever passions. Two powerful, mighty knights, who were also brothers, declared a war the night after their father died and they would fight until one of them was killed. They declared a war of their armies. They were looking for a chance to kill each other for a very long time. Because of a throne. Because of a woman. A poor, abandoned, yet a beautiful looking soul. That was the day when the Lord of Life returned in the kingdom. It was promised that so much blood would drip when his mark appeared beside the new moon. There was also a vengeful witch, who was seeking for revenge. But what happened at last?

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Chapter 1

The Night Before

「んっ……」

夜も更けた頃、寝室にあるキングサイズのベッドは乱れ、部屋には甘く濃密な余韻が漂っていた。

結婚して3年、橘遠時(たちばな えんじ)は毎晩のように橘夏美(たちばな なつみ)を抱き、執拗なまでに求め続けた。

夏美は何も身にまとわぬまま、細い腰を男の大きな手に強く抱き寄せられ、熱い吐息を肌に感じていた。

情事を終え二人が落ち着くと、遠時は何事もなかったかのようにバスローブを羽織り、振り返ることなく浴室へと消えていく。

夏美が服を着終えた直後、部屋の外で待機していたボディーガードたちが無言で入ってきて、そのまま彼女を地下室へ連れて行った。

そこには、すでに執事がいて、採血器具を用意して待っていた。「奥様、篠原様の体調が優れず、輸血が必要との電話が病院からありました」

冷たい針が夏美の血管を貫き、真っ赤な血が少しずつ体から抜き取られていく。

そして、これが遠時と夏美が結婚できた理由だった。遠時の愛する篠原晴香(しのはら はるか)は重い血液の病を患っており、夏美だけが彼女と同じ希少なRhマイナスAB型なのだ。

3年前、夏美の父親である浅倉健三(あさくら けんぞう)は母親の浅倉百合(あさくら ゆり)を盾に、夏美に政略結婚を強要した。その縁談を断ることなどできなかった夏美だが、相手が遠時だと知った瞬間だけは違い、その夜は嬉しさのあまり一睡もできなかった。

なぜなら、誰にも打ち明けたことはないが、夏美は10年前から、ずっと遠時だけを想い続けていたのだ。

18の時、夏美は健三に連れられ接待の席に赴いた。すると、年配の男たちは品定めをするような視線を夏美に向け、遠慮なく彼女の体に触れてくる。そして、夏美の初夜を買うと言うのだ。

そこには偶然、遠時も居合わせていた。男たちに囲まれた夏美を見るなり、彼は冷え切った声で言い放つ。「命が惜しくないなら、触れればいい」

それ以来、遠時は夏美の人生に差し込む一筋の光となり、彼女を暗闇から助け出してくれた存在となった。

だからこそ、彼が自分と結婚した理由が、愛ではなく、晴香への輸血を続けるためだと知っても構わなかった。

結婚してこの3年、遠時は人参が苦手な夏美のために、料理に入っていれば、それを毎回丁寧に取り除いてくれたし、出張に行けば、いつも夏美へお土産を買ってきてくれた。

ある時など、何兆円もの契約を投げ出してまで、夏美の誕生日に駆けつけてくれたことさえあった。

だから、遠時も少しは自分に愛情を持ってくれているのだと、夏美は思っていたのに……

採血を終え、真っ青な顔で携帯を手に取ると、父の健三からURLが届いていた。

そのURLを開いた途端、耳を劈くような絶叫が流れ出す。

それは、何も衣服を身につけていない母親の百合が、縄で縛られ、覆面を被った男たちに竹刀で叩かれている映像だった。

下品な怒声が響く。「200億だ!旦那の遠時さんなら工面できるだろ?もし用意できなければ、お前は母親の遺体を回収することになるからな」

ボトッと、夏美の手から携帯が落ちた。

頭を鈍器で殴られたような衝撃が夏美を襲う。携帯を拾い上げる夏美の手の関節は、力が込められ、真っ白になっていた。

この3年、健三は百合を使い、夏美から金をむしり取り続けてきたが、自分に金を出させるためだけに、まさか父親がここまで母親を痛めつけるとは思いもしなかった。

母にこのようなことをされるなら、自分が死んだ方がましだ。

採血後の立ちくらみを必死にこらえ、地下室から外へ出ると、ちょうど車に乗り込もうとしている遠時の姿が見えたので、夏美は死に物狂いで走り、彼を引き留めた。

夏美の青ざめた顔を見た遠時は、不快そうに眉をひそめる。「何か用か?」

夏美が口を開きかけた時、車の中からか細い声が聞こえた。「遠時、どうしたの?」

車の中に晴香がいると思っていなかった夏美は、ちらりと晴香に視線を向けた後、遠時に言った。「二人で話せない?」

すると、車の中にいた晴香が薄っすらと目を開けた。「遠時、どうかしたの?夏美さんに何かあった?」

晴香の声を聞いた途端、遠時の表情が優しいものに変わる。「晴香より大事なことなんてないから、俺たちはまず病院に行こう」

そう言うや否や、遠時は夏美を避け、車に乗り込もうとした。

さっきまで自分の体をあんなに求めていた遠時の目は、今や晴香以外の姿を映してはいない。

夏美は再び遠時の腕を掴む。「ねえ、私の両親を離婚させてくれるって、約束してくれたよね?」

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