Captivating the Mafia Boss

Captivating the Mafia Boss

last updateLast Updated : 2023-09-30
By:  itsclarixassCompleted
Language: English
goodnovel18goodnovel
10
2 ratings. 2 reviews
121Chapters
13.7Kviews
Read
Add to library

Share:  

Report
Overview
Catalog
SCAN CODE TO READ ON APP

Gabe Clyborne is looking for a personal bodyguard in their mansion. There was Larisa Valestine who introduced herself as Annalise Leonila and applied as his personal bodyguard. She was sent on a mission to be the eyes of the Valestine in the cave of their enemies, the Clyborne clan. Her mission is to spy inside the mansion and with the entire Clyborne as her clan was planning to erase them in the Mafia world. However, as she does her mission, a lot of dark secrets will be unleashed. Including all the lies in her entire life. It was never part of her mission to fall in love with Gabe Clyborne and it was never part of Gabe's plans in life to fall in love with his bodyguard. But, what would you do if your heart is louder than your mind? And what will Larisa do if she finds out that the family she grew up with was the one who killed her real family? What would Larisa and Gabe do if they were both captivated by each other?

View More

Chapter 1

Prologue

「木村先生、研学の交流視察の件ですが、参加させてください」

水村晴美(みずむら はるみ)は頭の飾りやイヤリングを苦労して外しながら、電話の向こうの木村先生の安堵した吐息を耳にした。

「晴美、参加してくれて本当にうれしいよ。でも本当にいいの?今回行ったら、もう京市には簡単に戻れない。確かにこの枠は貴重だけど、君は新婚でしょ?大丈夫なの?」

「お気遣いありがとうございます、木村先生。ちゃんと考えて決めました。半月後なら、大丈夫です。手続きもきちんと引き継ぎますので、そのとき合流しましょう」

電話を切ると、彼女は鏡の中の自分を見つめ、少し動揺していた。

ついさっきの結婚式でのことを思い出した。

「恒志!琴星さんが自害した!」

晴美に指輪をはめようとしていた米村恒志(よねむら ひさし)は手を止め、すぐに背を向けてステージから駆け下りた。

新婦のことを全く気にせず、彼は介添人のスマホを手に取り、必死に画面を見ていた。

一緒に立ち上がったのは晴美の両親もだった。

彼らも焦って恒志の手元のスマホを覗き込み、柳本琴星(やなぎもと ことせ)の様子を確認しようとしていた。

バイオリンとピアノの演奏はぴたりと止まり、会場ではざわめきと噂話が飛び交った。

「琴星はどこにいる?」

恒志は介添人の腕を掴み、切羽詰まった声で問い詰めた。

介添人が小声で答えた。

それを聞くと、恒志はすぐに外に出ようとし、晴美が慌てて彼の腕を掴んだ。

「恒志、これで今月8回目よ?今日は私たちの結婚式なのに、それでも行くつもりなの?」

恒志は晴美の手を振り払った。

「たとえわずかでも危険があるなら、俺は行く。命が関わってるんだ。お前はどうしてそんなに冷たいんだ?」

両親も口を挟んだ。

「晴美、結婚式はまたできるけど、琴星に何かあったら、取り返しがつかないよ」

結婚式はまたできる?

晴美の心は少し崩れかけていた。一生に一度の結婚式だ。

「じゃあ私が結婚するたびに、あの子が騒げば、全部中止にするの?」

「もういい加減にしろ!」

恒志は怒りを露わにし、目は血走っていた。

晴美の目の光は次第に消えていった。

「恒志、もし今日あなたが行くなら、もう別れよう」

恒志は彼女の手を再び振りほどき、叫んだ。

「お前はどうしてこんなに思いやりがないんだ!本来なら、今日ここに立ってるのは、彼女のはずだったんだ。わかってるか?」

本来なら、彼女のはずだった?

晴美は苦笑しながら、手を引っ込め、絶望に満ちた目で恒志と両親が去っていく姿を見つめた。

ただ一人取り残された晴美は、四方八方から浴びせられる嘲笑の声の中に埋もれていった。

彼女はベールを外し、ゆっくりと床に落とした後、司会者のマイクを手に取った。

「本日はご多忙の中、私の結婚式にご出席いただきありがとうございます。皆様もご覧の通り、本日の結婚式は中止となりました。

ご祝儀はすべてお返しします。今日はただの宴会として、ごゆっくりお楽しみください」

見捨てられたこの瞬間でさえ、晴美は水村家の面子を守った。

今日という日は、彼女の人生で一番美しい日になるはずだった。

それなのに、婚約者も両親も、賓客の前で堂々と彼女を見捨てた。

もういい。琴星が欲しいなら、全部彼女にやればいい。

もう望まない。今回は、彼女が自ら去ることを選んだ。

一年前、晴美の両親は警察から電話を受け、当時の赤ん坊が取り違えられていたと告げられた。

彼らの本当の娘は、琴星だった。

そして、琴星の両親はある事故で亡くなった。

晴美は一夜にして孤児となり、実の両親は養父母となった。

結婚を控えていた婚約者までも、琴星の味方をするようになった。

琴星は一気に晴美のすべてを奪っていった。

恒志との幼なじみとしての絆も、身元が明らかになったその瞬間に、跡形もなく消え去ってしまった。

幼い頃から両家で決めていた婚約も、今や、琴星の登場で全てが変わってしまった。

スマホが再び鳴った。

電話の向こうでは、恒志が必死に叫んでいた。

「晴美!今すぐ来てくれ!北町の温泉ヴィラだ!琴星が言ったんだ。お前が来ないと降りてこないって!」

晴美は一瞬、スマホを持つ手を止めた。

どの面下げて、また琴星を助けるなんて言えたのか。

もし本当に死ぬつもりだったのなら、今ごろ何度生まれ変わっていたことだろう。

あの人たちだけが、いまだに信じている。

「行かないよ。どうせ、あの子、死ぬ勇気なんて持ってないから」

恒志は怒鳴った。

「お前が琴星の人生を20年以上も奪ったんだ!だから彼女はこうなった!お前が償え!今すぐ来い!」

晴美は鼻の奥がつんとして、ため息をついた。

彼女は恩恵を受けた立場だから、恩を返す義務があると責められる。

これが最後だ。これからは、もう彼らと一切関わらない。

平服に着替え、晴美は温泉ヴィラへと車を走らせた。

道中、スマホがひっきりなしに鳴り続けていた。

両親と恒志からの電話は、まるで催促のサインのように、彼女に早く運転するよう急かしていた。

晴美は心の中で冷笑した。

もう随分時間が経ったのに、本当に死にたいなら、とうに死んでいるはずだ。

どうせ、ただの見せかけに過ぎない。

彼女はむしろ、琴星が一体何を企んでいるのかを見てみたいと思っている。

道中、恒志からの電話が鳴りやまなかった。

彼女は電話に出た。

「お前、今どこにいるんだ!」

晴美が答える前に、大型トラックの警笛が耳をつんざき、車は巨大な影に覆われた。

激しい衝撃が彼女の意識を奪い、車は道路で何度も横転した。

窓ガラスが四散し、エアバッグがすべて展開された。

額と顔には鮮血が流れ、晴美はハンドルにもたれたまま、意識を失った。
Expand
Next Chapter
Download

Latest chapter

More Chapters

To Readers

Welcome to GoodNovel world of fiction. If you like this novel, or you are an idealist hoping to explore a perfect world, and also want to become an original novel author online to increase income, you can join our family to read or create various types of books, such as romance novel, epic reading, werewolf novel, fantasy novel, history novel and so on. If you are a reader, high quality novels can be selected here. If you are an author, you can obtain more inspiration from others to create more brilliant works, what's more, your works on our platform will catch more attention and win more admiration from readers.

Comments

user avatar
Wendy N David Barrett
Honestly, this is one of the greatest stories on this site. Captivating all the way to the end. Definitely a must read. Would love a little short story about Gavin. Well done!
2023-09-30 11:28:04
3
user avatar
Delinda Schumacher
47 chapters 8-4-23
2023-08-05 00:28:56
1
121 Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status