Cut Our Silver String

Cut Our Silver String

last updateTerakhir Diperbarui : 2021-12-07
Oleh:  ViKnowsOngoing
Bahasa: English_tagalog
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Bipartite souls, I never knew such thing exists. A silver string is believed to connect two persons with their hearts beating simultaneously. But what I fell for someone my heart doesn't beat with? Should I cut our silver string?

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Bab 1

PROLOGUE

黒瀬玲司(くろせ れいじ)は、湊市で最も若い心臓血管外科部長だ。

誰もが言う――玲司は誰よりも腕のいい医者で、そして誰よりも冷たい男だと。

けれど私は知っている。彼だって、決して優しさがないわけではないことを。

ただ、その優しさが私に向けられたことは、一度もない。

婚約した翌日、父が突然脳梗塞で倒れ、救急救命室に運び込まれた。

仕事に追われて手が離せないところに、病院から電話がかかってきた。看護師に、家族のサインが必要だと言われた。

すぐに玲司へ電話をかけた。電話はしばらく鳴り続けてから、ようやくつながった。

向こうから、か細い女性の泣き声が聞こえてきた。彼の元恋人・柊木汐音(ひいらぎ しおん)だった。

玲司は声を潜めて言う。

「汐音が発作を起こしてる。俺がついてるから、病院には先に話をつけておけ」

スマホを握りしめた。指先が白くなるほど、力が入っている。

「先生に、家族のサインが必要だって言われた。今、仕事で本当に手が離せないの……私には玲司しかいない」

彼はほんの数秒黙り込んだあと、相変わらず落ち着いた声で言う。

「そんなに大げさに言うなよ。病院には病院のやり方があるし、まさか本当に見捨てたりはしない」

電話の向こうで、汐音がすすり泣いた。

「玲司くん、わたしのために日和(ひより)さんのことを後回しにしないで。もう行ってあげて、わたし一人でも大丈夫だから」

玲司はすぐに言う。「無理するな。俺は行かない」

電話が切れた途端、病院からまた催促の電話がかかってきた。

薬指の婚約指輪に目を落とした。あれは玲司が選んだものだ。

港は霧が深いからな。指輪が少しでも光っていれば、俺はすぐにお前を見つけられる――彼はそう言っていた。

でもあの日、彼の助けを待つのはもうやめた。

自分で手を回して、どうにか間に合って病院に着いた。

その後、父は峠を越え、私は病室の前で一晩座り続けた。

夜が明けた頃、玲司からようやくメッセージが届いた。

【汐音は眠った。お父さんはどうだ?】

窓の外に停泊する渡し船を見つめた。霧が晴れた。

もう行かなければ。

画面に浮かんだ玲司からの一文は、細い針みたいに胸の奥へ刺さって、そのまま抜けなくなった。

私は病室の外のベンチに座っていた。手にはまだ、ペンを握りしめている。キャップはとっくに握りつぶれていて、細いプラスチックの縁が掌に食い込んでいる。

看護師がドアを開けて出てきて、声を落として言った。

「お父様は、ひとまず危険な状態を脱しました。この後も経過観察が必要です」

頷いた。スマホがまた震えた。玲司から二通目。

【汐音が落ち着いた。今から行く】

そのメッセージをしばらく見つめてから、一言だけ返した。

【来なくていい】

彼はすぐに電話をかけてきた。出なかった。

父が集中治療室に運ばれた頃には、もう夜が明けていた。ガラス越しに見える父は、ベッドに横たわっていて、顔の半分が酸素マスクで隠れている。

ふと、婚約披露宴の夜を思い出した。玲司が指輪をはめてくれたとき、指の腹が私の関節をかすめた。

「日和、これから何かあったら、真っ先に俺を頼ってくれ」

あのとき、会場の拍手はとても大きかった。それを、信じてしまっていた。

朝8時、玲司がようやく病院に駆けつけた。昨夜と同じダークグレーのコートを着ていて、襟元は少し皺になっている。消毒液と、女性ものの香水が混ざった匂いがする。

彼は私を見て、一瞬足を止めた。

「なんで電話に出なかった」

壁にもたれたまま、掠れた声で言った。

「汐音さんの睡眠、邪魔しちゃ悪いから」

玲司の眉間に皺が寄った。

「日和、そんな言い方しなくてもいいだろう」

顔を上げなかった。

「じゃあ、どう言えばいいの?こんなに忙しいのに来てくれてありがとう、って?」

玲司は少し黙ってから、私の手首を掴もうとした。その動きはひどく優しくて、まるで医者が患者をなだめるようだった。

「昨日はちょっと事情があったんだ。汐音は重い不安障害を抱えてるから、刺激しちゃいけない」

手を引いた。

「うちの父は救急救命室にいたのに」

「わかってる」

彼の口調が和らいだ。

「でも、お父さんはもう病院にいるだろ。医者だってついてるんだから。汐音の方には俺しかいないんだ」

――俺しかいないんだ。

その一言が胸に落ちた瞬間、思わず笑ってしまった。

玲司は私を見て、目の奥にわずかな不快感を滲ませた。

「いい加減にしてくれ、もう来ただろ」

彼はいつも、顔さえ見せれば帳消しになると思っている。遅れて届くハグも、遅れて届く言い訳も、遅れて届く気遣いも――彼が差し出しさえすれば、私が黙って受け取るのが当たり前だとでも言うように。

先生が医局から出てきて、会計伝票と今後の治療方針をまとめて渡そうとした。私が手を伸ばしかけたところで、玲司が先に受け取った。

「俺がやる」

指先が紙面をなぞる仕草は、手慣れていて、どこまでも冷静だ。

「手術方針はもう一度、専門医に評価させる。あまり気を張るな」

昔の私なら、この一言で目が潤んでいたかもしれない。でも今は、ただ心が冷めているだけだった。

そのときスマホが鳴った。玲司が視線を落とすと、表情が明らかに緩んだ。

画面に浮かんだのは、汐音の名前だった。

彼は出ずに、そのまま切った。次の瞬間、汐音からのメッセージが届いた。

【玲司くん、目が覚めたの。部屋がすごく静かで、ちょっと怖い】

玲司が書類を握る手に力がこもった。

私はそれに気づいた。彼も、私が見ていることに気づいていた。

数秒、空気が静まり返った。

彼が顔を上げた。口調はあくまで落ち着いていた。

「先にお父さんの支払いを済ませてから、あっちを見に行く」

私は彼の手にある会計伝票を見た。

「もういい」

玲司が眉をひそめた。

「日和、意地なんか張ってる場合じゃないだろう」

彼の手から書類を抜き取り、一枚ずつ揃え直した。

「意地なんて張ってない。

うちの父のことは、自分でやる」

彼は私をじっと見つめた。まるで、私がまた沈黙で彼を追い詰めようとしているのか確かめるように。

でも私はただ、会計窓口に向かって歩き出しただけだった。

背後で、汐音からの着信がまた鳴り出した。今度は、玲司が出た。

彼は声を落として言った。

「怖がるな、すぐ戻る」

足は止まらなかった。

列に並ぶ人は多く、窓口の照明が点滅している。

俯いて、薬指の指輪を見つめた。

ダイヤモンドはまだ輝いていた。でもふと、その光はもう、玲司の目には映らないのだと感じた。

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ViKnows
ViKnows
Proud of my work lol
2021-07-03 11:25:20
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ViKnows
ViKnows
I am proud of my work LOL
2021-07-03 11:24:56
1
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