Mated To The Half-Brother Alphas

Mated To The Half-Brother Alphas

last updateLast Updated : 2023-01-26
By:  Yusriani PutriCompleted
Language: English
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Sophia is the latest beta in the Blood Moon Pack, when she learns of the betrayal by James, her boyfriend. And Sophia knows the evil plan that James has for Alpha Xavier. When Sophia tries to run away from James, she learns that Alpha Xavier and James are her mates. And things get really hard with another truth from the past starting to come to light.

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Chapter 1

Prologue

夫の西岡英吾(にしおか えいご)が幼なじみの及川空音(おいかわ そらね)のために家を飛び出したのは、これで19回目だった。

ある日、私は英吾の引き出しに、2枚の映画のチケットがひっそりと挟まっているのを見つけた。

「サプライズにするつもりだったのに」

英吾は素っ気なく言った。

「先に見つけちゃったなら仕方ない。夜、映画館で待ってろ」

その夜、私・西岡絵里奈(にしおか えりな)は開演から終演まで、ずっと待ち続けた。

――でも、英吾は来なかった。

帰り道、何気なくスマホをスクロールしていると、空音のSNSの投稿が目に留まった。

【映画には連れて行ってもらえなかったけど、花火を用意してくれたし……今回だけは、特別に許してあげる】

思わず顔を上げると、夜空の向こうで、色とりどりの花火が咲き乱れていた。

どうしてだろう。

今この瞬間、彼を愛し続ける気力が、底の抜けた器から水がこぼれるように、静かに消え去っていく気がした。

……

疲れ果てて玄関の扉を開けると、脱ぎ散らかされた革靴が真っ先に目に飛び込んできた。

苛立ちに任せて、それを足先で払いのける。あの映画のチケットだって、結局は他人に向けられた幸せを横からかすめ取っただけのものだったのだと思うと、惨めな自分が笑えてくる。

この10年間、私はずっと空音の影に隠れて、道化師のように生きてきた。

リビングへ向かうと、英吾はソファに深く腰掛け、何事もなかったかのように、いつも通りこちらへ手を差し出してきた。

「水」

「自分で取ればいいじゃない。手、ついてないの?」

思わずそう冷たく言い返した。

以前の私なら、すぐさまお茶を淹れて、甲斐甲斐しく世話を焼いて、少しでも英吾の気を引こうと必死になっていただろう。

底冷えするような静けさの中で、もうわかっている。無理に手繰り寄せた幸せは、どこまでいっても苦い味しか残らないのだと。

今日の私の態度が意外だったのか、英吾は珍しく少しだけ口調を和らげた。

「今夜は会社で急な案件が入って、約束を忘れてた。映画はまた別の日にすればいいだろ。それより、そのヒステリーをどうにかしろよ。そんな顔をして一緒に映画館に並んだら、俺の面目が丸潰れだ」

カッと頭に血が上った。

妻に黙って裏でこそこそ他の女と会っておきながら、平然と私を責めるというのか。

積もり積もった10年分の理不尽と悲しみが、一気に決壊した。

「面目?あなたが私に隠れて空音と会っていたことは、恥ずかしくないの?このクズ!あの女と一緒にいるのって、そんなに楽しかった?」

図星を突かれたのか、英吾の顔色が変わった。

「くっ、言葉を選べ!俺と空音は、お前が思ってるような関係じゃない。その汚い妄想を俺に押しつけるな。嫉妬深い女は、空音の足元にも及ばない」

英吾にここまで冷たい言葉で切り捨てられても、私の心は不思議なほど静かだった。

もう、感覚が麻痺しているのかもしれない。

10年も耐え抜いてきたのだ。今さら一言二言の暴言で傷つくほど、私の心はやわではなくなっていた。

気がつくと、私は壁に飾られていた結婚写真を引き剥がし、床に叩きつけていた。ガラスごと、思い切り踏み砕く。

英吾は信じられないものを見るような目で私を睨み、咄嗟に私の肩を突き飛ばした。

「正気かよ。性格が歪んでいるだけじゃなく、頭までおかしくなったのか!」

不意を突かれて床へ倒れ込んだ拍子に、割れたガラスの破片が手首を切り裂いた。じんわりと赤黒い血が滲み出してくるのに、痛みなどまったく気にならなかった。床にへたり込んだまま、私の口からは乾いた笑い声が漏れた。

「そこまで私が疎ましいなら、離婚すればいい。そうすれば、堂々と空音と一緒にいられるじゃない。二人で幸せになれるんじゃないの?」

英吾は忌々しげに額へ手を当て、深く息を吐き捨てた。

「わかった。離婚だ。自分で言い出したんだろ、絵里奈。絶対に後悔するなよ」

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