Puck Me, Stepbrother

Puck Me, Stepbrother

last updateLast Updated : 2026-03-16
By:  Jessa RaeOngoing
Language: English
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Vera doesn't know her new stepbrother is the same masked stranger she spent one reckless night with at a charity gala — until he walks through the front door with a hockey bag over his shoulder and a smirk like he owns the world. Cole Harrington is the NHL's most ruthless player and his billionaire father's golden son. He's used to getting everything he wants. But Vera is the one thing he's been told is completely off-limits — and the only person who has ever genuinely walked away from him. The more they get closer to each other, the more everything gets to fall apart, because some secrets don't just ruin reputations. Some secrets ruin people. Will they find a way to each other or will the truth tear them apart before they ever get the chance?

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Chapter 1

CHAPTER ONE

1億6000万円の大型案件が、新人のミスで白紙になった。

高瀬颯真(たかせ そうま)が私に声を荒らげたのは、7年間付き合ってきて初めてのことだった。

ほかの社員の前で、私の仕事ぶりを徹底的に否定した。

その夜、家に戻っても態度は変わらなかった。

「仕事に私情は持ち込まない。大型案件を失注した責任は、上司のお前にある」

直後、彼の大学の後輩で、新人の水野莉奈(みずの りな)からメッセージが届いた。

【林晴香(はやし はるか)さん、ごめんなさい。商談、私のせいでダメになっちゃったのに、颯真先輩がケーキを買って慰めてくれたんです。すごくおいしかったから、晴香さんの分も冷蔵庫に入れておきました】

翌朝、颯真は私が作った朝食を、迷いもせずゴミ箱へ捨てた。

「朝は食べないって、何度言えばわかるんだ」

出社したら、隣の席の佐藤美紀(さとう みき)が声を潜めて話しかけてきた。

「あの新人、やるわね。さっき社長にコーヒーとサンドイッチを差し入れたのよ。高瀬社長、断るどころか、ぺろっと食べたんだって」

もう、どうでもよかった。

スマホには、以前から私を口説き続けていた男から、またメッセージが来ていた。

【俺と付き合ってくれない?ダメならそばに置いてくれるだけでもいいよ】

私は少しだけ考え、返信した。

【私の彼氏になって】

……

人事部へ退職届を提出した直後、私は高瀬颯真の社長室へ呼び出された。

扉を開けた途端、飛んできたコーヒーが顔にまともにかかった。頬がひりひりする。

颯真が経営するこの会社では、役員も社員もみんな、若くして成功した彼の顔色をうかがっていた。だからといって、社員にこんな仕打ちをしていいはずはない。

革張りのソファでは、莉奈が目を真っ赤にして泣いていた。

「颯真先輩、晴香さんを責めないでください。商談を失敗させたのは私です。辞めるなら、晴香さんじゃなくて私が……」

颯真は怒りを隠そうともしなかった。

普段は何があっても冷静な颯真が、莉奈のことになると、すぐ感情的になる。

「昨日注意された腹いせに退職届を出して、莉奈を追い詰めるつもりか?

上司なら、部下の失敗にも責任を持て。全部莉奈のせいにして、よく平気でいられるな。

お前が辞めると聞いて、社内では莉奈がお前を追い出したみたいに言われてる。

今すぐ皆の前でちゃんと説明しろ!」

7年付き合った私を引き止めるために社長室へ呼んだかと、一瞬でも思った自分が馬鹿だった。

心配していたのは、私が辞めたあと莉奈が社内で肩身の狭い思いをしないか、それしか頭にないらしい。

莉奈はティッシュで鼻をぬぐい、そのままソファの端へ置いた。

颯真はわずかに眉をひそめたものの、すぐに拾ってゴミ箱へ捨てた。

その何気ない仕草に、胸が締めつけられた。

付き合って2年目、2人で忠犬ハチ公の映画を観たことがある。

私は涙も鼻水も止まらなくなり、彼の胸に顔を埋めた。

すると颯真は、露骨に嫌そうな顔で私を押しのけた。

「悪いけど、俺は潔癖症なんだ。自分で片づけて」

そう言い放って、浴室へ行き、何度も体を洗っていた。

まるで、私に触れたこと自体が汚らわしいとでもいうように。

思わず笑ってしまった。潔癖症でも、莉奈が相手なら平気らしい。

私は颯真に言った。

「辞めるのは、もうここで働きたくないから。それ以外に理由はないの」

「そんなわけないだろ。昨日商談を失敗した直後に辞めるなんて、莉奈への当てつけに決まってるじゃないか?」

颯真は取り合おうとしなかった。

「晴香、莉奈にくだらない嫌がらせをするな。これ以上やるなら、俺も容赦しない」

私はため息をついた。以前なら、必死に反論していただろう。

今はもう、何を言われても腹さえ立たない。

彼にわかってもらおうとすること自体、とうに諦めていた。

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