The Billionaire's Portrait of Love

The Billionaire's Portrait of Love

last updateTerakhir Diperbarui : 2023-05-22
Oleh:  Dr SlimOngoing
Bahasa: English
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Sinopsis

Jessica’s fairytale love story comes to a tragic end when her husband and first love cheats on her with his ex-girlfriend. Jessica is forced to leave the marriage which has become a cold and loveless one. She leaves and has a surprise pregnancy 1 month later which she decides to keep secret. Fate gives her a second chance at love when she saves the life of a billionaire and ends up falling for his charm and sophistication. It wasn’t without obstacles however. Her ex-husband returns when he learns he has a child with her. Out of jealousy, he kidnaps the child and peddles lies against Jessica to the billionaire. In a twist of events, Jessica gets to know that her ex-husband’s lover, Gwen, is connected to the  organization that tried to kill the billionaire. Jessica has two options: to give up on another chance of finding true love or fight for love against the opposition. 

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Bab 1

Chapter 1

6月10日。

四回目の結婚記念日。

そして——

私が、あと1年で離婚しよう。そう、決めた日。

本当なら、こんな日になるはずじゃなかった。

少なくとも、四年前の私はそう思っていた。

その日の午後6時だった。

テーブルの上にまだ湯気の立つ料理を並べながら、私東郷綾香<<とうごうあやか>>は壁の時計を見た。

夫である東郷優<<とうごうゆう>>の帰宅予定は、7時だったはず。

1時間前。

まだ、遅くない。

——期待なんて、していない。

そう思いながらも、手は勝手に動いていた。

少しだけ良いワインを開けて。

優が好きだった、2年前くらいまではよく行っていたレストランの再現レシピを作って。

花屋で小さな白い花束まで買った。

馬鹿みたいだ。でも、そうでもしないと結婚の意味がないと自分に言い聞かせて。

無心で、優が帰ってくる準備をしたのだ。

三年前には、もうわかっていたのに。

結婚記念日なんて、私たちに意味はない。

スマホを手に取る。

今日は何時頃帰れそう?

送信。

既読。

それだけ。

返信は、来ない。

まあ、いつものことだ。

胸が痛むほどではない。

もう慣れた。

慣れてしまった。

それが一番、嫌だった。

時は既に20時で。

料理は冷え始めていた。

ワインもぬるい。

メッセージは、既読のまま。

ため息を吐きながらスマホを開く。

何気なく流れたSNS。

そして。

指が止まった。

『今年もありがとう♡』

投稿者は、白川咲子<<しらかわさきこ>>。

——優の初恋。

そして、今も続いている恋人。

写真に顔は写っていない。

けれど。

映り込んだ腕時計を見た瞬間、呼吸が止まる。

見間違えるはずがない。

結婚祝いに私が贈った時計だった。

胸が、すうっと冷える。

ああ。

今日も、そっちなんだ。

結婚記念日よりも。

大切な愛人との時間を選んだんだ。

知っていた。

ずっと、わかっていたはずだった。

優が咲子を切る気なんて、一度もなかったこと。

この結婚が、父親同士の事情から始まった“期限付きの契約”だってことも。

最初に言われた。

「誤解しないでほしい」

「咲子との関係は終わらない」

「結婚は五年だけ」

「お互い、割り切ろう」

それでも。

私は好きだった。

頭が良くて。

堂々としていて。

完璧な見た目で。

どこか冷たいけれども、温かい面もある優が。

いつか、少しだけでも。

私のことを見てくれるんじゃないかと。

四年間、馬鹿みたいに期待してしまった。

10時半を過ぎた頃。

玄関のロック音がした。

遅かった。

けれど、帰ってきた。

立ち上がった瞬間。

身体が凍りつく。

「ただいま」

その隣には、当たり前のように彼女がいた。

「こんばんは、綾香さん」

咲子だった。

まるで自分の家みたいな顔で、笑っている。

綺麗だった。

昔から何も変わらない。

優が、ずっと好きな女。

「……なんで」

喉が、うまく動かない。

優はネクタイを緩めながら、当然みたいに言った。

「咲子が終電逃したら困るし、泊まらせる」

一瞬、意味がわからなかった。

今日は、結婚記念日だ。

私たちの、形だけでも記念日のはずで。

なのに、堂々と愛人を連れて帰ってくる?

しかも。泊まらせるって?

「……今日」

声が震える。

「今日、結婚記念日なんだけど」

優は少しだけ眉を上げた。

本当に、不思議そうに。

「だから?」

空気が止まる。

咲子が小さく笑った。

「あ、ごめんね。気を遣わせちゃった?」

悪気なんてない顔で。

「優、あの台湾で買った紅茶ある?」

——あの、紅茶。

胸が、ぐちゃっと潰れた。

私も知らない。

この家にある“いつもの”。

優は迷いなく棚を開ける。

「これ?」

「そう、それ」

自然だった。

あまりにも自然に咲子と優は2人で家にいるのが、馴染んでいて。

四年間の私なんて、まるで存在しないみたいに。

気づけば笑っていた。

笑うしかなかった。

「……すごいね」

声が、自分のものじゃない。

「結婚記念日に、愛人連れて帰るんだ」

一瞬、空気が凍る。

けれど。

優は少し困った顔をしただけだった。

怒るでもなく。

悪びれるでもなく。

ただ、本気で理解できない顔。

「最初に言ったよね?」

静かな声。

「これは期間限定の結婚だって」

「俺、咲子と別れるなんて言ってない」

「期待させた覚えもない」

「プロジェクトも。終わるまで後半年かからないくらいの見込みだし」

その瞬間。

何かが、ぷつんと切れた。

ああ。

そっか。

この人。

最初から、一度も私を妻だと思ってなかったんだ。

私はただ。

都合のいい“体裁”だった。

肩書きの綺麗な妻。

それだけ。

「ごめん、私」

静かにバッグを掴む。

「少し、外に行ってくる」

優は一瞬だけこちらを見る。

でも、止めないし気にもしてない様子。

「遅くなりすぎるようなら連絡して」

それだけだった。

まるで、どうでもいいみたいに。

玄関を閉めた瞬間。

初めて、涙が出た。

惨めだった。

悔しかった。

でも一番辛かったのは。

——まだ少しだけ、期待していた自分だった。

スマホが震える。

みかからのメッセージ。

<<生きてる?>>

<< 今日どうだった?>>

少し迷ってから。

綾香は返した。

<<最悪。>>

<<今から会えない?>>

数分後。

<<青山駅前のカフェいる。来な。>>

顔を上げる。

涙でぼやけた街灯。

そんな最悪な1日なのにも関わらず。

この日が。

私の人生を全部変えるなんて。

その時の私は、まだ知らなかった。

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