Twisted Hearts

Twisted Hearts

last updateHuling Na-update : 2022-09-11
By:  EijijiOngoing
Language: English
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Synopsis

During the last fight with the rogues, Sachiko's death was declared causing the moon night pack to lose a great fighter. Meanwhile, Montromey Kingdom's watchman found her and brought her inside the kingdom for treatment and was unconscious for a month but when she woke up only her name that she remembered. What will happen to her after she forgot everything?

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Kabanata 1

C1

私が自分のチケットの予約をするのを見て、蒼介の眉間の皺がふっと緩んだ。

彼は葵の頭を撫でてから、私の手を取りに来た。

「じゃあ、水着を買いに行こうか。葵と陽向は最近、付け焼き刃でサーフィンを習ったんだ。蒼碧島に着いたら早速実践できるな」

陽向が葵の脚に擦り寄り、甘えた声を出す。

「その時は、葵さんが一番きれいな景色になるんだろうね」

陽向がお世辞を言うことなど、滅多にない。私にはいつもよそよそしくて、視線は常に私に微妙な蔑みを感じさせた。

息子との距離を縮めたくて、私は陽向がフォローしているグルメ系インフルエンサーを探し出し、彼が「いいね」した料理を真似て作った。

けれど、期待を込めて「美味しい?」と聞くたびに、陽向は眉をひそめて食べ物をゴミ箱に吐き出し、えずいてみせた。

「ママの料理、本当にまずい」

味は悪くなかったはずだ。最初は、単に陽向の好みに合わないだけだと思っていた。

でも今ならわかる。彼は私自身が嫌いで、だから私が作るもの全てを嫌っていたのだ。

助手席に座った私は、バックミラー越しに、陽向が大人しく葵の腕の中に収まっているのを見た。

私が見ているのに気づくと、陽向はおどけた顔をしてこちらに唾を吐く真似をした。

葵が口元を押さえて笑いながら口を挟む。

「お姉ちゃん、陽向と前世で何かあったんじゃない?私が今まで見た中で一番いい子なのに、なぜかお姉ちゃんとだけは相性が悪いのよね」

ハンドルを握る蒼介が、相槌を打つように言う。

「陽向は確かに葵の方が好きみたいだな。毎年の誕生日の願い事の時に、明るくて元気な葵さんがママだったらいいのに、って言ってるくらいだし」

言い終わるか終わらないかのうちに、葵の顔がぱっと赤く染まった。恥ずかしそうに蒼介をちらりと見てから、陽向のわき腹をくすぐる。

「もう陽向、変なこと言わないで。ママが悲しむでしょ」

車内に響く笑い声が、針のように私の心に突き刺さった。

自分が腹を痛めて産んだ息子を見つめる。葵が家に越してきてから、陽向は一度も私に懐かなくなった。

心の中に苦みが広がる。蒼介が身を屈めて、私のシートベルトを外してくれた。私の沈んだ気持ちに気づいたのか、彼は慰めるように額にキスを落とした。

「子供の冗談だ、気にするな」

水着ショップに入ると、それまで私と並んで歩いていた蒼介は、いつの間にか葵の隣へと寄っていった。

葵が陽向の手を引き、陽向が蒼介の手を引く。

店員が愛想よく声をかけてきた。

「ご家族お三人とも、本当に仲がよろしいんですね」

後ろに取り残された私に気づく者は誰もおらず、本当の家族は私の方だと訂正する者もいなかった。

目の奥が熱くなるのを堪えながら、陽向が葵に水着を選んでやる姿を眺めた。

不意に、陽向は淡い黄色の水着を手に私の方へ歩み寄ってきた。その目は期待に満ちている。

「ママ、これ着たら絶対似合うよ」

蒼介が言葉を継ぎ、私の背を押して試着室へ向かわせる。

「早く試着してこい、陽向のセンスを見せてもらおうか」

心にじんわりと温かいものが広がった。着替え終えた後も、鏡の前でしわを何度も直した。

ドアを開ければ褒め言葉が待っていると思っていたのに、開けた瞬間に浴びせられたのは、カメラのフラッシュだった。

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