fall in love for the night

fall in love for the night

last updateLast Updated : 2021-08-04
By:  tokkidanaOngoing
Language: English
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Synopsis

College best friends and roommates Moon Cho-ae and Kim Young-mi find themselves constantly blurring the lines between friendship and romance. Forks appear up in the road ahead as they find themselves further apart with more unspoken words between the two of them.

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Chapter 1

Chapter One

「隼人……赤ちゃんが欲しいの。

私なんか、あなたには釣り合わないってわかってる。でも、他の人と適当に生きていくなんてできないの。だから……せめてこの子だけは、私と一緒にいてくれたら、それでいいの」

ぼんやりと意識が戻ったとき、私は隼人の書斎にいた。耳に入ってきたのは、女の甘えた声と、男のかすれた息。

半開きのドアの隙間から見えたのは、床に散らばるビールの空き缶、そしてソファで寄り添うふたり。

その片方は――私の婚約者、真壁隼人(まかべ はやと)だった。

あの光景はまるで時間が止まったかのようで。怒りなのか、衝撃なのか、自分でもわからなかったけど、足はぴくりとも動かなかった。

隼人は手にしていたパッケージを破くのをやめ、そのまま低くつぶやいた。

「結婚しても……お前には会いに行くよ」

「でも、今とは違う……それでも、いいの?

これが……最後のお願いなんだ。叶えてくれる?

たった一度でいい……思い出として、お互いの心に残しておきたい」

女は体を起こして、ぎこちなく唇を重ねる。その目尻からは、未練がましい涙が一筋こぼれていた。

その顔を見た瞬間、私はようやく気づいた。

――彼女は、綾瀬美優(あやせ みゆ)。隼人の初恋の人だった。

頭の中で、何かが崩れ落ちる音が響いた。

隼人と大学で出会った頃から、私は知っていた。彼の心には、決して癒えない傷があることを。

それは、高校の頃に別れた初恋の彼女、綾瀬。

家柄や身分の違いから、卒業と同時に彼女は姿を消した。

隼人は深く落ち込み、何も手につかない日々を過ごした。私と出会ったのは、ちょうどそんなときだった。

ようやく立ち直りかけた彼の笑顔が、私は嬉しかった。

だけど、綾瀬の存在は――ずっと彼の中に残っていたんだ。

……誰だって、触れられたくない過去がある。

それでも、今愛しているのが「私」なら、それでいいって、思ってたのに。

家柄は釣り合っていたし、恋愛も順調だった。

父が隼人を好まなかったから、婚約から結婚の準備まで、私は七年かけて歩いてきた。

その七年間、隼人は私を大切にしてくれて、「結婚までは」と一線を越えることもなかった。

……なのに。結婚式まで残り一ヶ月というところで、私はこの目で、彼の裏切りを見た。

「隼人……私のこと、愛してた?」

綾瀬は涙声で隼人に抱きつきながら尋ねた。

隼人はほんの少しのためらいも見せず、しっかりと彼女を抱き返した。

「愛してたよ」

「じゃあ、婚約者の彼女と比べて……どっちを、より愛してるの?」

「……結衣はお前とは違う」

その会話が耳に突き刺さり、頭の中が真っ白になった。怒りと悲しみが心を埋め尽くしていく。

私は――きっと今すぐにでも飛び出して、ふたりを平手で叩き、そのままスカッと背中を向けて出て行くべきだった。

……なのに、私はただ、書斎に隠しておいたサプライズを静かに片付けることしかできなかった。

どれだけ時間が経ったのかもわからない。ソファからベランダへ、そしてついには書斎の前のカーペットにまで場所を移し、扉の取っ手に誰かの手がかかった音がした。

そして、綾瀬は隼人に抱きかかえられて、寝室へと消えていった。

私はそっと書斎のドアを開けた。

散らばった服と酒の缶、破かれたコンドームのパッケージ……そのすべてを踏み越えて、私は隼人の家を後にした。

どうやって家に帰ったのか、記憶は曖昧。

覚えているのは、帰宅後に高熱を出して倒れたことだけだった。

家庭医と母が、ベッドの傍で三日間も付き添ってくれていた。

「結衣……ほんとに、隼人くんと結婚するつもりなの?うちにはもっといい相手がいるのよ。あの子はね、あんたのお父さんもあまり――」

「もう、隼人とは結婚したくない。

日取りはそのままでいい。お父さんの言う通りにして。

相手は誰でもいい。隼人じゃなければ、それでいいの」
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