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第5話

Auteur: 大きなドリアン
数日後の週末、僕は早起きして、大学時代の友人の結婚式に向かった。

みんなで楽しく過ごしているところに、椎名から不適切なタイミングで電話がかかってきた。

出なかったが、彼女は執拗に掛け続けてきた。

仕方なく、少し静かな場所を見つけて電話に出た。

「何?」初めて僕は苛立ちを隠さずに電話に出た。

「白川、なぜ私をブロックしたの?」電話越しの彼女の声には、戸惑いと不満が混じっていた。

僕は一瞬固まった。記憶が徐々に蘇り、誕生日の日に確かに彼女をブロックしたことを思い出した。

イライラと舌打ちをした。「そんな些細なことで、ずっと電話してきて邪魔するか?」

電話の向こうで長い沈黙があった。「あなたが出席している結婚式のホテルの駐車場にいるわ。白川、式が終わったら会いに来て、お願い」

僕は驚いた。

電話を切った後、すぐにスマホを確認し、椎名が僕の居場所を知った理由が分かった。

数年前、お互いの位置情報を確認できるカップルアプリをインストールしていた。

当時、椎名はそのアプリを極端に嫌がり、僕が監視しているようだと感じていた。

その後の喧嘩で、彼女はアプリを削除し、僕は彼女の位置を見ることができなくなった。

でも僕は削除せず、位置情報は常に表示されていた。

明らかに彼女は僕を探すために、そのアプリを再びダウンロードしたのだ。

僕は即座にそのアプリを削除し、友人の結婚式に意識を戻した。

深夜、椎名は一人で帰宅した。駐車場で僕を待つことはできなかった。

彼女が丹精込めて用意したキャンドルディナーと散りばめられた花びらは、そのままの状態で残されていた。

寝室のドアを開けると、僕はすでに眠りについていた。

かつて僕も、愛する人のためにサプライズを作ることに熱中していた一人だった。

でも椎名はそういったロマンティックな仕掛けを、いつも軽蔑するように鼻で笑っていた。

ある年の彼女の誕生日、僕は懸命に彼女の家族や友人に相談し、盛大なお祝いを企画した。しかし彼女は意図的に欠席し、僕は皆の前で恥ずかしい思いをした。

その時は彼女が風情を解さないのだと思っていた。後に桐山への卒業プレゼント——手描きの童話画集を見るまでは。彼女はロマンティックを理解していないわけではなく、ただ僕のためにロマンティックになりたくなかっただけだと悟った。

「ねぇ、寝てる?」

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