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第270話

Author: 雪吹(ふぶき)ルリ
そう言いながら、真夕は真剣な口調で言った。「医学を志した者として、厳密さは命だ。ほんの少しの誤差でも命取りになるのだ」

立っている貴志に対し、真夕は座っている。身長の差では貴志のほうがずっと高かったが、真夕は華奢な背中をまっすぐに伸ばし、澄んだ賢い瞳でまるで教師のように、貴志を諭すように見つめている。まるで彼女が教師で、貴志が生徒のように。

貴志「……」

彼女、さっき自分を教えていたのか?

まさか、自分は彼女に生徒扱いされているのか?

自分にとっての先生はケー様だけだというのに!

貴志は世界がどうかしてしまったかのように感じた。彼は真夕を叱ろうとしたが、その前に真夕が先に口を開いた。「もういいよ、林貴志くん。下がっていいわ」

貴志「……」

彼女はまたしても自分をフルネームで呼んでしまった。

その名前を呼ばれた瞬間、貴志は何も言えなくなってしまった。彼は言葉を失い、そのまま踵を返して去っていった。

その後、貴志は学長室に戻った。理不尽すぎる。自分が間違えているなんて信じられない。

彼はすぐにあの医学書を取り出して確認した。すると、本当に第十巻の第四千八ページに、自分
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