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第16話

作者: 原稿だいすき
怜司がそう言い終えた直後、バックミラー越しに、数台の車が一定の距離を保ったままついてきているのが見えた。

千夏は見覚えのあるナンバーに気づき、張り詰めていた心が少しだけ緩んだ。

こんな短い間に、誠也がこれほど安心できる存在になるとは思ってもみなかった。

「……ふっ」

怜司は冷たく笑い、さらに速度を上げた。

走り続けるうちに、千夏にも分かっていた。

今の怜司には、何を言っても届かない。

だから千夏は、それ以上一言も口をきかなかった。

車はやがて、私設のヘリポートに停まった。

千夏は怜司に手首を掴まれたまま、一機のヘリコプターの前まで連れていかれた。

「千夏、もうすぐ家に着く。俺たちはもう二度と離れない」

千夏には、ただ絶望することしかできなかった。

「南条、千夏を放せ!」

そのとき、誠也が部下を連れて駆けつけた。

彼は千夏の身を案じ、無理に車間を詰めて追うことができなかった。安全な距離を保つしかなかったのだ。

それでも、間に合った。

千夏は反射的に、誠也のほうへ歩き出そうとした。

怜司の目に宿る冷たさが、いっそう深くなる。千夏の手首を掴む力も、さらに強く
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