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第1392話

Author: かおる
謙信が、ためらいがちに口を開いた。「ですが……怜央は明日香に何もしていません。決定的な証拠もありません……本当に問題ないんですか?」

仁志の表情は薄いまま、底が読めない。「昔、誠一が星を陥れたときも、証拠なんて何もなかった。それでも皆、信じたんだ」

謙信は、はっと息を呑む。

――なるほど。仁志の狙いは、怜央と明日香の溝を埋めさせないだけじゃない。あのとき星が受けた屈辱を、そっくりそのまま返す。そういうことだ。

謙信は言う。「優芽利はまだ甘いですね。決定打にできませんでした。もし明日香にも薬を盛っていれば、こっちにもっと有利な展開になったはずです」

だが仁志は首を振った。「男がその気じゃないなら、薬を盛られても、首に刃を当てられても触れない。明日香が薬を飲んだかどうかは、今回の件では大した違いにならない。それに――確かめたいことがある」

仁志はいつも深い。傍にいる謙信でさえ、その考えを読み切れない。

思わず尋ねた。「……それは、確かめられたんですか?」

仁志の黒い瞳に、冷たい暗光が差す。「もう確かめた」

何を、とは言わない。謙信もそれ以上は聞けなかった。

「すぐに雅人
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