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第 983 話

Author: 水原信
星月は小さく首を振った。

それでも彼は海咲の手をさらにしっかりと握りしめた。

そして次の瞬間、彼はゆっくりと手を持ち上げた。

州平はすぐにその手を取った。その瞬間、星月が何を求めているのか、すべてが明らかになった。

海咲の胸に感情が込み上げ、声が震えた。

「星月、ママは約束するわ。あなたが元気になったら、私たち家族でパパとママが育った場所に戻りましょう。ママが毎日、あなたを学校に送って迎えに行くわ。ママと一緒におじいちゃんやおばあちゃんに会いに行こうね。そこはあなたが今までいた場所とは違うの。戦火なんてないわ。毎日遊べるし、おいしいものもたくさん食べられる」

星月は弱々しく頷き、喉を振り絞るよ
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