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心優(mihiro)
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Novels by 心優(mihiro)

恋に恋するって、こういうことですか?

恋に恋するって、こういうことですか?

突然、社長から直々に、専務の秘書に任命された五十嵐寧音24歳。一部上場企業で働くOL3年目。 しかも専務は、外部から来られる!  初めてお会いする当日まで、詳細は明かされず、シークレットだった為、その姿を見て驚いた寧音。 『お若い!』ダンディな男性が来られると思っていたのに、お若いイケメンが… 櫻木修斗29歳。 しかも、その若い専務は、いきなり寧音を下の名前で呼ぶ。 相当変わった人だと思った寧音。心の声と、2人の掛け合いが面白い!  そして、いつしか寧音も周りも修斗のペースに…… そのまま2人は、結ばれるのだろうか。
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Chapter: 第3話 テスト?
「え〜っと、それは、答えるべきなのでしょうか?」と聞くと、 「あ、ごめん。もしかして、こういうの慣れてなかった?」と聞かれた。 「?……」 もちろん私は、答える必要がないので、何も答えない。 「もしかして、寧音ちゃんって|処女《バージン》なの? あっぶね〜! いや、俺まだ指1本触れてないからな」と急に両手を挙げて離れて焦り出した。 ──何も言ってないわ! だが|処女《バージン》はアウトだ! 「今のはセクハラに当たりますので!」 と言うと、 「あっ、ごめん! もう言わないから、許して! ね?」 と機嫌を取る。 ──そうやって、何人もの女を泣かして来たのだろうか? 確かに近づいて来ただけで、触れてはいない。 だからと言って、イケメンと言うだけで、これで目を閉じてしまう女もどうかと思う。 しかも、ココは役員室だ! それに、この方は、少々変わり者というか、イケメンを利用して性格が曲がっているというか…… ただの女ったらし? 「寧音ちゃんは、|純粋《ピュア》なの? それとも俺のことを相手にしてないの?」と聞いた。 ──答えるとしたら、両方かな? と思ったが、答えてやらない。 黙ってニッコリ微笑んでやった。 すると、何を誤解したのか? 「もしかして、男垂らし? かなりの男を泣かせて来たの?」と言い出した。 ──何を言ってるんだこの人は! 想像力豊かな人だな 私は、純粋に『恋に恋して』王子様が来てくれるのを夢見ているような女なのに、男垂らし? は〜? 初めて言われたよ。呆れて物が言えない。 話を変えようと、 「明日のスケジュール確認をしても宜しいでしょうか?」と聞くと、 「え? 今大事な話をしてるのに?」と言った。 ──どこが大事な話なんだ? この人は、バカなのか? 社長! 何が良くて、この方を専務に…… 今のところ、専務に引き抜かれた理由が私にはよく分からないです…… すると、私の様子を見て、 「《《五十嵐さん!》》 合格! おめでとう〜」 とパチパチ拍手をしながら言っている。 ──はあ〜? 何が合格? いったい何の事? しかも今、五十嵐さんと言った? キョトンとした顔をしていると、 「ごめんね、いきなり寧音ちゃん! だなんて呼んで。《《五十嵐さん》》が秘書で良かった」と、微笑んだ。 ──何?
Last Updated: 2025-08-21
Chapter: 外出
昼食後、専務は社長と挨拶回りに向かわれた。 私は、お留守番で良いようだ。 ──やった〜! と内心喜んでいた。 社長とご一緒なら時間がかかるだろうし、帰社されるまでは平穏な時間を過ごせる。 秘書室では、専務の話題で持ちきりだ。 当然私にだけは、専務の個人情報が渡された。 知らない他の人は、好き勝手に話しているようだ。 「寧音ちゃん、ホントにラッキーだよね」と嫌味なのか本心なのか? 分かりづらい言葉をかけられる。 「ラッキーなんですかね?」と言うと、 「何言ってるのよ! ラッキー以外の何物でも無いわよ、モノにするのよ!」 とおっしゃるのは、常務の秘書の原田さん。 「要らないなら、私が……」と笑っておられる。 原田さんは、今年31歳の誕生日を迎えられたばかりだ。 結婚はしたいが、焦っている訳ではないといつもおっしゃる。なぜなら、私は知っている。 既婚者の方と社内不倫をしているからだ。 専務の年齢は、公開されているので、口にしても良いが、私より5歳年上の29歳、今年30歳になられるようだ。 ──お若い! しかも、もっとお若く見える だから皆んな驚いている。 ──どうして? そんなにお若いのに専務? もちろん社外からの引き抜きなので、何か秀でることが、あるのかもしれない。 しかし、29歳だなんて、こんなに若い役員への大抜擢は、聞いたことがない。 この隙間時間に、専務の履歴書を見て勉強する。 私は、数ヶ月前、社長から直々に、 「五十嵐さん! 次年度は、新しい専務の秘書をお願い出来ますか?」と言われたのだ。 総務部長から言われるのなら分かるが、社長から直々になんて、とても驚いた。 「はい、分かりました! よろしくお願い致します」 と私は、その新しい専務がどなたかなど、知らされないまま、当日を迎えたのだ。 ただ、『その方は、社長の抜擢により社外から来られる!』とだけ伺っていて、詳細は今日来られてから……ということだった。 セキュリティが厚いので、よほどの方だと思ったのだ。 案の定、履歴書を見て驚いた! ──!! 三橋商事から来られたんだ どちらも一部上場企業、トップクラス! この若さでどういうこと? ──!! そして私は、三橋商事を検索して驚愕したのだ。 「え?」 三橋商事の社長は、|櫻木 良一《さくら
Last Updated: 2025-08-20
Chapter: 私のお相手は…
「|寧音《ねね》 !、結婚しよう!」 「は……(い)」 ピピピピッ、ピピピピッ 「ハア〜〜〜〜、また夢か……せめて最後まで返事させてよ! いつも良い所で……ったく」 〈おはー! 寧音〜! 起きた〜?〉 〈おはよ〜! 起きた〜ありがとう〜〉 〈今日もファイト!〉 〈うん、ファイト!〉 いつも朝の弱い私が起きたかと、確認してくれるのは、高校生の頃からの親友|心菜《ここな》だ。 お互い違う職場で働いているのに、寝坊しては大変だからと、お母さんのように心配してくれる。 〈また、プロポーズされた夢みたよ〉 〈良いじゃん! そろそろ彼氏でも出来るのかな? 楽しみ〜〉 〈でも、いつも良いところで……〉 〈ハハッ〉と笑われる。 |五十嵐 寧音《いがらし ねね》24歳 OL3年目、彼氏無し 高校生の頃、彼氏と別れて以来、まだ彼氏は居ない。最悪な別れをしてしまったので、トラウマになってしまっている。 ──社会人になったら、素敵な彼氏を作ろう! そう思って、既に2年が過ぎた…… ──どうして? 昔から憧れだけは、強い! どこかにきっと私の王子様がいるはずよ! 〈寧音は、目標設定が高すぎるのよ! 恋に恋しちゃってるから、どんどん高くなってるよ〉 「そうかもしれない……」 〈イケメン! 高身長、優しい、価値観が同じで笑うツボが同じ、一緒に居て楽な人、尊敬できる部分がある人、出来ればお金はある方が良い!〉 〈ね! 全部そりゃあそうよ! 皆んながそう思ってるのよ〉 〈でも、価値観は、人それぞれだからね。だから合う人と出会うまで待ってるのよ〉 〈待ってないで、マッチングアプリに頼れば?〉 〈違うのよ! 自然に出会いたいの〉 〈そのいつも同じ夢でプロポーズしてくれる人に?〉 〈そうなのよ〜きっと何処かに居るのよ! 正夢になるのよ〉 〈はいはい! もうすぐ現れると良いね。じゃあまたね〜〉 〈は〜い!〉 会社に向かった。 「おはようございます」 「おはようございます」「おはようございます」 一応頑張って、四友商事という一部上場企業に就職したのに…… 素敵だなと思う人は、既に結婚されてたり、彼女が居たり…… 私の王子様は、いったい何処にいらっしゃるのか
Last Updated: 2025-08-20
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