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心優(mihiro)
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Novels by 心優(mihiro)

婚約者に裏切られ、親友にも裏切られた私が後に掴んだ幸せは…

婚約者に裏切られ、親友にも裏切られた私が後に掴んだ幸せは…

菜月(ほったなつき)28歳と、婚約者の中嶋卓人(なかじまたくと)28歳は、同じ会社の同期で、交際3年が過ぎた。1年前に卓人からプロポーズされ同棲中。親への挨拶も済ませて、来月挙式披露宴を行なう。 結婚間近なのに、どうも卓人に違和感を感じている菜月。片時もスマホを離さない。たまたま見てしまったスマホ画面に、怪しいメッセージのやり取り!デートの約束をしているようなので、1人では怖くて大学時代の友達、美緒(みお)に相談。そして、目撃してしまった浮気相手。 その後、美緒に紹介された美緒の会社の上司が社長だと知り驚く。その社長、久慈陸人(くじりくと)さんに助けられ、卓人とは婚約破棄。そして、陸人さんと恋に落ちてしまい、どん底からの大逆転劇へと発展する。
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Chapter: 第14話 紹介と報告①
翌日から陸人さんは、本当に運転手さんにお願いして、少し早く迎えに来てもらい、まず私を先に会社へと送り、それから自分の会社へ出勤した。 社長だから、遅めの出勤でも良いのに、私に合わせてくれる。 「元々早く行きたいタイプだから」と、言ってくれるが、運転手さんにも申し訳ない。 「ありがとうございました」と、丁寧に挨拶して 車を見送る。 当然その姿を会社の人にも見られている。 「おはよう! 菜月ちゃん」と川野さんに声を掛けられた。 「あっ、おはようございます」 すると、 「今の方は?」と聞かれたので、嘘を吐くのも嫌だと思い、小声で、 「あ〜今お付き合いしてる人です」と言うと、 「えっ!」と驚かれたので、早く着いたのも有り、 「川野さん、ちょっと良いですか?」と、私は川野さんを会社のカフェスペースまで連れて行き、説明した。 「そうだったんだ……大変だったのね」と言われた。 「はい……恩人だと思っています」 「そうよね〜でも良かった! 心配してたから安心したわ」と言われ、私も話して良かったと思った。 そして私は、山下さんから頼まれていたミッションをクリアしなければならない! と思い、川野さんに今お付き合いしているお相手が居ないかと、聞いてみた。 すると、 「うん、居ないの。どこかに素敵な人が居ないかなあ?」と、おっしゃったので、コレはチャンスだとばかりに、《《銀ちゃん》》の話をしてみた。 32歳弁護士! とりあえず最小限の情報だけで様子を見る。 「え? 弁護士さん! 素敵〜! ぜひぜひ」とおっしゃった。 ──これは、良い反応だ! ならば……更に銀ちゃんの情報を伝えてみる。 中肉中背
Last Updated: 2025-11-19
Chapter: 第13話 山下さん
翌日、仕事終わりに、陸人さんと一緒に、山下さんの事務所へ行く約束をしているので、仕事を早々に切り上げた。 ずっと残業続きだったので、上司からなるべく残業を減らして定時内に収めるように! と言われたところなので、ちょうど良かった。 これからは、定時で帰るようにしないと…… 生活が変わると、仕事の流れも、こうして変化することも有るのだと思った。 今までは、仕事に没頭し過ぎていた。 なので、私も良いきっかけだと思ったので、ホッとしている自分が居る。 それに、今は少しでも早く帰って、陸人さんに会いたい。 『女は、男で変わる』 そうかもしれないと思った。 「お疲れ様でした」 「あ、お疲れ様〜菜月ちゃん帰り支度が早いね〜」 「はい、ちょっと用事があるので」 「そう、お疲れ様でした」 「「「お疲れ様でした」」」 急いで玄関まで降りると、陸人さんが車で迎えに来てくれていた。 「ごめんね、お待たせ! 待った?」と言うと、 「ううん、さっき来たところだから大丈夫」と言ってくれた。 でも、車内は冷房でキンキンに冷えていた。 連日うだるような暑さ。 「あ〜涼しい〜ありがとう」 きっと早めに帰って、車内を冷やしてくれていたのだろう。 ニッコリ笑って、山下さんの事務所へと、車は走り出した。 「オーッス」 「おお、陸人! 来たか。菜月ちゃん! こんばんは」と、ご挨拶してくださる山下さん。 「こんばんは、お世話になっております」と丁寧にお辞儀すると、 「いえいえ、こちらこそ。何? 改まって」と、笑ってくださる。 山下さんは、いつも私が硬くならないように、明るく和らげてくださるのだ。
Last Updated: 2025-11-19
Chapter: 第12話 富裕層家庭の事情
私がボーッとしていたから、 「あっ、そりゃあ驚くよな」と言いながらも陸人さんは、話を続けた。 陸人さんには、4歳上にお兄様がいらっしゃるようで、同じグループ会社の総合金融事業部門に就職され、現在は社長をされているようだ。 なので、お兄様が後を継ぐものだと思っていたから、陸人さんは、お父様の後に続けとばかりに、医師になる為の勉強をし、本当に医師として働いていたのだと言う。 ──え? え? また驚く項目が増えた? まだ、私の頭の中は、混乱していた。 「え?」と言って固まると…… 「24歳まで6年間大学の医学部で勉強して、病院で4年間医師として働いてた」と言っている。 「え────! 本当にお医者様だったの?」 「うん」と、にこやかに笑っている。 頭が追いつかず、ようやく少しずつ理解してきた。 驚き過ぎて、私は目をパチクリさせていた。 「あ、だから私が倒れた時……」と言うと、 「うん、すぐに親父の病院へ運ぼうかと思ったけど、スヤスヤと眠ってるようだったから」と笑われた。 ──親父の病院? お父様が働いている病院のことかな? 一般の人なら目の前で人が倒れたりしたら、怖くて念の為に救急車を呼んで病院へ連れて行くはずだと思っていたから。 「あ、そうだったんだね……ちなみに何科の?」と恐る恐る聞いてみた。 「内科」 「あっ、そうでしたか……」と私は、なぜか敬語で話していた。 ──きっと人気の有るお医者様だったんだろうな 「ハハッ、で、俺が28歳の時、お爺ちゃんがもう引退したいから俺に後を継いでほしい! って言うから」 「医者を辞めて、会社に?」 ──それも勿体ないような……あ、でも大会社だし……どっちも良いのか……贅沢な悩みね
Last Updated: 2025-11-18
Chapter: 第11話 陸人さん
一緒に夕食の片付けをしながら、エレベーターホールで会った品の有るお婆様の話をした。 「凄く品があって素敵なの! 私もあんなお婆ちゃんになりたいなあ」と言うと、 「そっか……菜月は、可愛いお婆ちゃんになるよ」と、微笑んでいる。 「そうだといいなあ〜33階だって、きっとどこかの大会社の会長夫人よね〜」と言うと、 「そうかもね」と陸人さんは微笑む。 「お風呂入って来たら?」と言うので、 「うん、そうするね」 なのに、ガシッと顔を両手で押さえられたと思ったら、しっかりとしたキスが落ちて来た。 優しく滑り込んで来る陸人さんの舌に撫でられているように癒される。 ──あ〜ダメ〜倒れそうになる〜 と思ったら、片手で腰を支えられた。 ウットリしてしまう…… 「入っておいで」と、また頭を撫でられる。 ──あ〜何? 頭に触れられる度に、キュンキュンしちゃう 「うん、待っててね」 「うん」と優しく微笑む。 陸人さんのニコニコしている顔が好き。 癒される。 ──もう私、大好きなのよね〜陸人さんにハマってる〜 お風呂に入ってから、自動で洗濯機を回した。 「ハア〜温まった〜」と言いながら、 ウォーターサーバーのお水をグラスに入れて飲む。視線を感じると思ったら、陸人さんにジッと見つめられている。 「おいで」と陸人さんがソファーから手招きして呼んでいるので、グラスを持ったまま隣りに座ると、又後ろからぎゅっと抱きしめられた。 「あっ! 溢れるよ」と、笑いながら言うも離さない。 「菜月、色っぽ過ぎ」と言う。 「え〜? そんなことないでしょう?」と言うが、 「ううん」と、言いなが
Last Updated: 2025-11-18
Chapter: 第10話 決着の月曜日
「じゃあ、鍵閉めて、気をつけて行けよ」と、 頭をポンポンされる。 「うん、行ってらっしゃい」 「行って来ます」 チュッと軽くキスをする。 「気をつけてね」と手を振る。 陸人さんは、社長さんだから毎朝、迎えの車が来るようだ。 ──あれ? そう言えば何の会社? 美緒って何の会社に勤めてたっけ? あっ、又イヤな名前を思い出してしまった…… 今夜ゆっくり陸人さんに教えてもらおう。 私は、今日、山下さんの言う通りに、午後からの出勤にした。 卓人が会社側から事情を聞かれて自宅謹慎になるまで、顔を合わせることは出来ないからだ。 山下さんから、 〈おはようございます! 今日は、午後から出勤ですよね?〉と確認メッセージが届いた。 〈おはようございます。はい〉と返すと、 〈お昼までには、郵便が届くはずなので、しばらくそこで我慢していてくださいね〉と…… 〈分かりました〉 お昼まで時間が出来たので、洗濯機を回して、 晩ご飯も作っておくことにした。 陸人さんに、 〈洗濯しちゃったから、クリーニング屋さん、断っておいてね〉と送ると、 〈ありがとう〜〉と、返って来た。 そして、私はふと思った。 〈どこに干すの?〉と聞くと、 〈ベランダには、干せないから乾燥機まで掛けるか浴室乾燥〉と返って来た。 「やっぱ、そうなんだ。高層階だからベランダのない階もあるものね」 〈今日は、遅くなる日?〉と聞くと、 〈いや、今日は、そんなに遅くならないと思う〉 〈分かった! 私もなるべく早く帰るね。晩ご飯作っておくから、要らなきゃ明日でも良いよ〉 〈
Last Updated: 2025-11-17
Chapter: 第9話 手料理と告白
ベランダでのティータイムを終え、私は部屋でしばらく荷物の整理をしながら過ごした。 リビングに戻ると、久慈さんがいらっしゃった。 久慈さんと初めて一緒に過ごす夜は…… 「疲れたでしょう? 菜月さん! 苦手な食べ物は、有りますか?」と、聞かれ、 「いえ、特には」と言うと、手料理を作ってくださると言うのだ。 私は、男性にお料理を作ってもらったことなど無く、それだけでとても感動していた。 ビシッと黒いエプロンを着けながら…… 私がそれをマジマジと見てるものだから、 「お恥ずかしい! 手料理と言ってもカレーですよ」と、おっしゃったが、その手際の良さと出来栄えを見て私は驚いたのだ。 何かお手伝いをと、久慈さんに確認しながら、お米を研いでご飯を炊いた。そして、お皿やスプーン、グラスの用意をしただけだ。 「凄い!」 思わず、 「写真撮っても良いですか?」と聞いていた。 「ええ、何だか照れるなあ」と、微笑んでおられる。 夏野菜カレーだ。 茄子、ズッキーニ、パプリカを素揚げして、挽き肉と玉ねぎを炒めて作ったカレーに添えてある。 「オシャレ〜」と、ニコニコしながら、写真を撮る。 そして、2人で 「「いただきます」」 少しスパイスの効いた辛口のカレーだ! 夏にピッタリで、とても美味しい。 「美味しい〜!」と自然に笑みが溢れる。 「良かった」と、ホッとされたようで、久慈さんも食べておられる。 「凄いですね! お料理が出来るなんて」と、思わず言っていた。 「まあ、1人暮らしが長いですからね」と、おっしゃった。 結婚しようと思っていた女性とは、どのくらい一緒に過ごされていたのだろ
Last Updated: 2025-11-17
それでも…愛

それでも…愛

2年前、佐藤 みあり は、4年間お付き合いした彼と別れた。 結婚の話をしていた時、彼、塩谷 律樹(しおやりつき)のお母様にブライダルチェックを受けるよう言われた。受けてみると、子どもを授かりにくいことが判明したのだ。 子どもが好きな みありは、授かりにくいということに、とてもショックを受けた。 「それでも、構わない!」と言う律樹。 しかし、律樹のご両親に猛反対を受けた。 それでも、一緒に居ようとする律樹、みありは、それが辛くなって自分から身を引いて連絡を絶った。 なのに、28歳になった今、なぜか みありと同じ会社に、課長として転勤して来たのだ。 復活愛♡の行方は……
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Chapter: 第35話 愛
──5月15日 律樹の誕生日 「29歳のお誕生日おめでとう〜!」 「ありがとう〜」 平日なので、仕事を終えてから急いで帰って来た律樹。 「お疲れ様〜」 「ただいま〜みありに早く会いたかったよ」と言いながらハグをする律樹。 私は、妊娠5ヶ月に入り、少しずつお腹が大きくなって来たので、5月10日で退職したのだ。 「何言ってるのよ、私、会社を辞めてまだ1週間も経ってないよ」と言うと、 「みありの席を見たら居ないのは寂しい」と言う。 「ふふ、毎日家で会ってますけど?」と笑うと、 「そうだけど〜」 「赤ちゃんが聞いてるよ」と言うと、 「赤ちゃん、ただいま! みありを独占出来て良いな〜赤ちゃんも大好きだよ〜」と言ってお腹を撫でている。 そして、グニョっと動いてお腹を蹴る。 「うわっ! 今、動いた!」 「うん、返事してるんじゃない?」と言うと、 「スゲ〜な、今から天才だな」と言っている。 ──最近よく動くんだけどね…… 結局、私の悪阻は、5ヶ月に入り落ち着いた。 やはり空腹になると気持ちが悪くなる食べ悪阻だったので軽い方だった。 1日中少しずつ、ずっと食べていたような気がする。 なので、律樹が帰って来て晩ご飯を食べている時も、先に食べたのに、またお腹が空いて、一口サイズの小さいおにぎりを作っては食べていた。 そして、夜中もお腹が空いて目が覚めてしまうと、 眠れないので、寝る前に小さなおにぎりを食べる。 それを見て、律樹も、 「美味そう」と言って又一緒に食べる。 おかげで、律樹も一緒に少しずつ体重が増えてしまったようだ
Last Updated: 2025-10-21
Chapter: 第34話 長岡さん
すると、長岡さんから、 「あのね〜みありちゃんに、ご報告が……」と言われた。 「はい! どうしたんですか? まさか、辞めるとか?」と言うと、 「ううん」と、おっしゃったので少しホッとして、 「じゃあ?」と聞くと…… 「実は、私、彼氏が出来ました!」 と、照れながらおっしゃった。 「え〜! そうなんですか? 良かったですね、おめでとうございます」と言うと、 「ありがとう。まだ始まったばかりなんだけどね」と、おっしゃる。 「うんうん、どんな方なんですか? どこで出会ったんですか?」と、興味津々で聞くと、 「それがね〜」と、もじもじしながら…… 「原田くん」 と言った…… 「え〜〜〜〜! 原田って、私たちの大学の友達の原田ですか〜?」と、失礼な程、驚いてしまった。 「うん……」と、とても可愛く答える長岡さん。 ──可愛い、もう乙女だ! 「そうなんですね。もしかして、私たちの結婚式の後ですか?」と聞くと、 「うん、そうなの。3次会まで誘ってもらって、意気投合しちゃって」 「ウウッ、長岡さん可愛い〜」と言うと、 「や、やめてよ〜! 私2歳年上だから、ちょっと迷ったんだけどね」と、おっしゃる。 「え? 2歳なんて全然変わらないですよ」と言うと、「そうかなあ〜」と不安そうにおっしゃるので、 「だって76と78なんて、全然分からないじゃないですか?」と言うと、 「そ、そうだけど……28と30は大きいから」と、おっしゃる。 「いえ、全然変わらないですよ。0歳と2歳はさすがに、違いますけど……」と言うと、 「そ、そうよね?」 「はい!」
Last Updated: 2025-10-20
Chapter: 第33話 クリニックへ
──金曜日の夜、 大学病院から紹介されたクリニックに月1回通院しているので、仕事帰りに行った。 結婚式があったので、いつもより行くタイミングがズレて1ヶ月とちょっと、少しだけ遅くなってしまった。 ──前回の診察では、まだ妊娠は確認出来なくて、 その後の排卵日がタイミングだったんだ と思った。 律樹も一緒にクリニックに来たがっていたが、仕事が繁忙期なので、1人で行くことに…… 尿検査と血液検査をして、エコーでお腹を確認してもらった。 モニターに映る画像を見せられる。 検査薬で陽性反応が出たことを医師に告げた。 「うん! ココ分かりますか? 胎嚢があるでしょう? これが赤ちゃんの居るお部屋です。ご懐妊おめでとうございます」と言われた。 「ありがとうございます」 やっぱり嬉しくてウルウルした。 お腹の画像をプリントした物を貰った。 まだまだ、とっても小さい。でも、このお腹の中に居るんだと思うと愛おしい。 ──私たちの所に来てくれてありがとうね 妊娠5週目と診断された。 出産予定日は、10月31日。 「2週間後に又来てください。その時に役所で母子手帳を貰って来てくださいね」と言われた。 「それまでにも、もし何か気になることがありましたら、すぐに来てくださいね。何か聞きたいことは、ありますか?」と聞いてくださった。 「私……産めますか?」と聞いていた。 「ええ、もちろん! 元気な赤ちゃん産みましょうね。嚢胞のことが気がかりですか?」と、 「はい」 「妊娠中は、大きくなることもあります。ですが、この大きさなら大丈夫ですよ。もっともっと大きな嚢胞
Last Updated: 2025-10-19
Chapter: 第32話 妊娠
もしかして、私は、妊娠に気付かずにピルを飲んでいたのかもしれないと思ったから調べた。 〈妊娠中に気づかずに飲み続けていても問題ない〉 「良かった」 ──妊娠した? でも、|悪阻《つわり》がなかった? あっ、律の酒臭さは、いつもより感じたか……私が呑んでないからかと思ってた 「みあり! お腹が空くと気持ち悪くなる|悪阻《つわり》もあるらしいぞ! 食べ《《つわり》》だって」 「!!!!」 律樹も調べてくれていた。 「みあり! もしかして?」 「え、え? 分かんないけど……もしかする?」 「とりあえず、落ち着け! 俺! あ〜妊娠検査薬、何処で買える? 薬局か、近くにあるかなあ?」と、調べてくれる律樹。 近くに薬局はなかった。 そこで律樹は……誰かに電話している。 「もしもし、島田さん?」 ──!!!! 島田さん? 「お願いがあるんだけど……」と言っている。 ──まさか……嘘でしょう! お酒を飲まない島田さんなら車を出してもらえると思ったのか、妊娠検査薬を買ってホテルまで届けて欲しいとお願いしている。 ──いつまで島田さんは、律樹の使いっぱしりをさせられるのだろう。お気の毒と思いながら、今回は、私もとても助かる。 「ごめんね。あっ! それと、絶対に母には言っちゃダメだよ! じゃあお願いします」と、頼んでしまった律樹。 「島田さんに頼んじゃうんだ」 「うん、マブダチだから」と笑っている。 「マブダチなら披露宴に呼ぶでしょう?」と言うと、 「あ、そうだな、忘れてた」と笑っている。 「ふふふふ」 「それより、みあり! もしかすると、もしかするよね
Last Updated: 2025-10-18
Chapter: 第31話 二次会
二次会は、大学サークルのメンバーが中心になって開いてくれた。ホテルの1室を借りてくれたので移動がスムーズで良かった。 律樹と私の高校の時の友達も手伝ってくれたようだ。 友達と友達が仲良くしてくれるのは、嬉しいと思った。 二次会では、パーティー形式で、披露宴の時よりもっとたくさんのゲームをした。 司会者は、大学のサークルメンバーの1人、原田(くん)がしてくれた。 幼少期の写真をたくさん並べて、新郎と新婦を当てるゲーム。 「え〜コレ誰だ? みありは……たぶんコレだと思うんだけどな」 「では、みありさん、律樹はどれでしょう?」 「え〜この2人、似てるけど、きっとこっちだな」 「答えは……2人共大正解!」 「「良かった」」 「ホッ」 「ではでは、次の問題です! 2人の記念日は?」 ──律樹、気づくかなあ? 司会の原田が、「コレは間違えると、大変だよね〜」と言う。 すると…… 「あ〜〜〜〜!」と大きな声で言った律樹。 私がニヤニヤと笑うと、 「では、律樹から答えてもらいましょうか?」と言う原田。 「大学4年の時に、告白したのは、2月23日でした」と言う律樹。 皆んなが、 「え〜! 今日?……」 「そうです! 今日は、俺たちの記念日だった、ごめん! みあり」 「「え〜すご〜い!!!」」と言う友達が拍手をしてくれた。 「ふふ、やっと思い出したんだ!」と言うと、 「ごめ〜ん、いつから気づいてたの?」 「予約する時から」と言うと、 「うわ〜ホントごめん」と謝っている。 「うわっ、律樹忘れてたんだ! 最低〜」と美耶に言われる。 「あんなに目立って、大学の芝生の真ん中で告ったくせに……」と千秋に言われている。 「あ〜最低だよな俺、だって再会した10月1日のことばかり覚えてたから」と言った。 「あ〜律樹ダメダメそんなの言い訳よ」と、 私が何も言っていないのに、美耶と千秋が怒っていて可笑しかった。 「ふふふ」 「はい、では仲直りのキスをしてもらいましょう」と言う原田。 「「え?」」 「イエ〜い!」パチパチと拍手が起こり、 「キス、キス、キス、キス……」とキスコールが始まってしまった。 「え〜とそれは、唇に?」と原田に聞いている律樹。 「当
Last Updated: 2025-10-17
Chapter: 第30話 涙
私は、まず一昨年、亡くなった母への感謝を述べた。 「今日この会場の席に、座ることは叶わなかったですが、きっと笑顔で『おめでとう! 良かったね』と喜んでくれていると思います。お母さん、産んでくれてありがとう! 育ててくれてありがとう!」 それだけで、皆んなの涙を誘ってしまった。 なので、我慢していた私もやっぱり泣いた。 そして、再会した父と祖父母への感謝。 「最初は、やっぱり戸惑いました。でも日を追う毎に、とても大切に思われていることに、嬉しくなり、独りぼっちになったと思った私を元気にしてくれた、お父さん、お爺ちゃん、お婆ちゃん、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」 そして、 「その架け橋となってくれたのは、何より旦那様になってくれた律樹さんなのです」と言うと、 「え?」と驚いている律樹。 「貴方が居なかったら、私は、ずっと独りぼっちだと思っていました。家族になってくれてありがとう! 心から感謝しています。これからもよろしくお願いします」と言うと、律樹はとても驚いて、泣いていた。 そして、律樹のご両親への感謝。 「お義父様、お義母様、律樹さんを産んで育ててくださりありがとうございます。私は、まだまだ未熟で不束者ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。そして、一人っ子の私に義弟と義妹が出来ました。これからも仲良くしてください」と挨拶した。 皆んな泣いていた。 そして、花束贈呈。 私はお義母様に花束を贈呈し、お義父様の胸ポケットには1輪の花を差した。律樹は、父に贈呈してくれた。固い握手をし抱き合って父が律樹の背中をトントンと二度叩いた。 最後は、新郎である律樹が皆様にご挨拶してくれた。 「いや〜いきなり妻に泣かされるとは思いませんでした!」と笑っている。 「本日は、皆様ご多用の中、僕たち2人の為に、こんなにたくさんの方々にお集まり
Last Updated: 2025-10-16
いつもあなたのそばにいたい

いつもあなたのそばにいたい

OL2年目の椿ひまり22歳と、4歳年上イケメン先輩サラリーマンの田上 大翔(たがみひろと)26歳とのピュアな大人ラブ🩷 ひまりは、入社して1週間後、配属された先で田上大翔に一目惚れ🩷 しかし、新入社員の間では、田上は人気者で、常に噂が飛びかっていた。 『田上さんには、会社でNo.1の美人彼女が居る』と…… 告げることなく一瞬で、ひまりの恋は終わった。 しかし、田上への思いは消えず、自分の〈推し〉として、密かに思い続けることに。 社会人2年目のある日、田上から仕事を頼まれ、そのお礼にと、食事に誘われたひまり。 最初で最後かもしれない2人だけの食事。 そこで、とんでもない事実を知ることに…… それからの試練を乗り超えられるのか? ピュアラブ🩷を応援してあげてください。
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Chapter: 第64話 再確認
──え? ヒロさんって、こんなにもヤキモチを 妬く人だったっけ? 「ん? え、え? ヤキモチ?」と言うと、 「うん」と素直に言うところが可愛い。 「ふふ、可愛い〜」と抱きしめる。 「可愛いって何だよ!」と拗ねている。 なので、ヒロさんのネクタイを引っ張って濃厚なキスをしてあげた。 ── 1度やってみたかったんだよね〜コレ 「きゃわいい〜」と言うと、 「それは、やめろ!」と笑っている。 「ふふ。そんなわけないでしょう。いつもヒロさんのことばかり考えてるよ」チュッとすると、 「嬉しい」 やっぱり、「きゃわいい〜」と言ってしまった。 すると、熱い熱いキスを落とされた。 「ふふ」 ──はあ〜トロける〜 今日は、週末だし、絶対あれだな…… 朝までコース! だな。 そして、又一度言ってみたかったことを言ってみた。 「旦那様、先にご飯にする? お風呂にする? それとも……」と上目遣いで見上げると、またキスをしたヒロさん。 「ふふ、ごめん。ご飯にしよう!」と私が言うと、 「もう〜〜」と笑っている。 一緒にご飯を食べて、一緒にお風呂に入る。 いつまでも、変わらずラブラブ。 なのに、どうして浮気だなんて疑われた? と思った。 湯船に浸かりながら、 「ヒロさんこそ、浮気なんてしてないでしょうね?」と言うと、 「してないよ! あ〜でも……」と言う。 「え? したの?」と聞くと、 「違う違う、今日現場近くのおば様に、挨拶したら『お兄さん、凄くイケメンね』って言
Last Updated: 2025-11-19
Chapter: 第63話 名古屋初出勤と次の計画へ
1週間、あっという間だった。 「あ〜明日から仕事かあ〜」とヒロさん。 「うん、現実〜!」 残り1日だけは、新居でゆっくりした。 ──── 名古屋初出勤の日。 披露宴のお礼を言いながら、皆さんにお土産を配る。 本来は、夫婦違う部署に配属されることが多いのだが、私は初めてのパート採用の1人になったので、ヒロさんと同じ工事部に配属された。 パートになった、おば様たちは、もう電話を取ることがない条件なので、その代わりの要員でもある私が電話を取る。 東京本社や聞き取り調査に行った横浜支店からの電話の時は、お相手の方が知り合いだと、 「あら、お久しぶりです。お元気ですか?」と、つい話し掛けられる。 不思議な感覚だが楽しい。 私は、変わらず事務仕事をさせてもらっている。 ただ、勤務時間が9時〜3時と短くなって、残業なしで帰れるのも嬉しい。 ゆっくり家事が出来る。 今まで手抜きだった料理や掃除も、きちんとしたいから、私の働き方には合ってると思う。 しかし、お父様には『いつでも社員として、戻って来て!』と言われている。 朝は、ヒロさんと一緒に出勤して、ヒロさんは、現場に出てしまうことが多いので、私は時間になれば先に帰る。 ゆっくり買い物をして帰る時間があるのは、嬉しい。 新婚旅行から帰った後の残っていた荷物を全て片付ける。 洗濯物を畳んで、アイロンを掛けたり…… 今まで、ゆっくりすることがなかったので、時間に余裕が出来たことが何より嬉しい。 そして、まだ気が早いが、次は、2年後の東京での披露宴の計画を立てようと思った。 社長であるお父様の人脈を考慮すると、出席
Last Updated: 2025-11-18
Chapter: 第62話 新婚旅行
そして、私たちは、翌日の朝からモルディブへ シンガポールを経由して16時間もかかったので、ヘトヘト。 昨日の疲れもあったので、飛行機の中では2人共、何時間も寝ていた。 モルディブの7月は、雨季のようだ。でも、暖かい為、海水浴も楽しめる。あまり晴れ間は見られないかもしれないと言われていたが、到着した時、曇っていたが雨は降っておらず、なんとその後、晴れたのだ。 雨が降ってもスコールだからすぐに止むし、水も温水のようで気持ちが良い。 1棟ずつ建てられた水上コテージに泊まった。 「何コレ! 最高〜」 1週間のお休みだから、最長5泊7日取れたのだが、そうすると翌日仕事にならないと思ったので、4泊6日にした。 それでも、十分南国リゾートを満喫できた。 毎日朝起きたら、目の前が海。と言うか海の上に住んでるような感じなので、カンカン照りにはならなくても、ちょうど心地良く気持ち良かった。 「あ〜ずっとココに居たいなあ」 今まで1ヶ月間離れていた分、2人は、ずっとくっついている。 好きな時にプールもジャグジーも海にも入れる。 晴れた日には、サンセットも見えた。 「綺麗〜」 「綺麗だな」と又、後ろから抱きしめられる。 初日は、シュノーケリングを体験。それ以外は、非日常を味わう為に、ずっとコテージで過ごす。 「最高〜!」 「うん、最高だな」と、ずっとくっついてくるヒロさん。いつもなら鬱陶しいほどだ。でも、ハネムーンだからか嬉しかった。 顔を見るとキスをする。 何度したのか数えられないほどのキス。 「幸せ」と言うと、とても喜んでいる。 「俺もひまりとずっと居られて最高に幸せ」と言う。 「結婚できるなんて今でも夢みたいだもの」と
Last Updated: 2025-11-17
Chapter: 第61話 1回目の披露宴
「ひまり! おめでとう」と、わざわざ東京から来てくれた美香。 私はとても嬉しかった。 「ありがとう〜」でも、嬉しくてずっと笑っていた。 美香の方が泣きそうになっていたが、 「ひまりが笑顔で良かった」と言ってくれた。 少しずつしか話せないけど、順番に回りながら、ご挨拶が出来た。 そして、この方、 「山田〜!」 「ふふ、おめでとう」と笑っている。 山田が笑ってくれてて良かったと思った。 「ありがとう」 名古屋支社の方々とは、私は、まだ聞き取り調査の時にしか話せていない。 なので、男性の方はほとんど知らない。 ヒロさんがご挨拶している。ヒロさんは、私を妻だと皆んなに紹介したかったのかなと思った。 嬉しかった。 名古屋支社で同期の里中ちゃんも来てくれた。 「おめでとう! ひまりちゃん凄く綺麗」と、 とても嬉しかった。 まさか今日、披露宴までしてくれるとは思っていなかったので、まだ頭が追いついていないのが現状。 ようやく、高砂席に到着して着席する。 「ヒロさんが全部準備してくれたの?」と聞くと、 「うんうん」と笑っている。 忙しいのに、いつの間に……と思ったが、 とても嬉しかった。 「ありがとう」 「ううん」と笑っている。 皆んなから写真を撮られる日だ。
Last Updated: 2025-11-16
Chapter: 第60話 2人で引っ越し
今まで漠然としか子どものことを考えていなかった。 子どもが出来たら、どこで産むかなど具体的なことは、考えたこともなかったが、もし実家に帰ったりするなら、やはり一時的に異動で来ている、名古屋より東京で産む方が良いのかもしれないと思った。 「もし、東京で産むならベビーシッターさんやお手伝いさんを付けても良いし」とヒロさんは言ってくれるが…… さすが田上家と思ったが、私はどちらかと言うと、 子どもの成長は自分の目で見たいから、その時は、仕事を辞めて育児に専念したい! そう話すと、「分かった、良いね。仕事はいつ辞めても良いからね」と言ってくれた。 「うん、ありがとう」 なので、名古屋に居る間は、子どもを作らない。 離れていた分、これからの2年間は、もう少し2人で仲良く暮らしたいと思った。 そして、突然ヒロさんが、 「じゃあ、そろそろフォトウェディングでもする?」と。 「え、フォトウェディング? 結婚式は、東京に戻ってからじゃなかったの?」と聞くと、 「挙式披露宴は、東京で盛大に行なうと思うから、2人で先に撮影しない?」と言う。 「ホント?」 「うん、ひまりの花嫁姿が見たいよ」とヒロさん。 「わあ〜嬉しい! ヒロさん! ありがとう〜2年先なら2歳歳が増えちゃうと思ってたの」 「ハハッ、ひまりはまだまだ若いよ」と言うヒロさん。 「でも、入籍した時は、こんなだったのよって、将来子どもに言いたいじゃない!」 「そっか、ならそうしようか……」 「うん、嬉しい」
Last Updated: 2025-11-15
Chapter: 第59話 パート制度、異動
────7月になった 私たちのプロジェクトは、承認された。 そして、新しくパート制度が始まることになった。 なので、名古屋の社員さんだった50代の女性3名は、パート制度を使って、1日4時間程度の勤務に移行した。 業務内容は、各部署で相談していただいて、本人たちのご希望もあり、細かい作業は省いて、電話応対もしないということになったようだ。 なので、その分の即戦力が欲しいとのことだ。 私もヒロさんが名古屋に居る間だけの短期希望なので、パート制度を利用したいと言った。 が、『ほぼ2年弱あるし、社員として働いてはどうか?』と言われた。 これから先のことを考えると、いつかは子どもも欲しいし、主婦業もきちんとしたいので、ヒロさんのおかげで収入も安定しているし、やはりパートの方が有り難いと思った。 ならば、『業務内容に従来通りの事務仕事と電話応対も含めても良いか?』と言われたので、それは構わないということで、話がついた。 いよいよ、私も7月10日付けでの名古屋勤務となることが決まった。 ────7月1日 早速、昼休みにヒロさんに、電話で話す。 『やった〜! 嬉しい! 又ひまりとずっと一緒に居られる』と言うヒロさん。 「うん、ホントやっとだよね。お待たせしました」 と言うと、 『ううん、プロジェクトよく頑張ったね、お疲れ様』と言ってくれた。 「ありがとう〜」と嬉しくて泣きそうになった。 『東京のマンションは、中村さんに管理をお願いして、こっちに
Last Updated: 2025-11-14
恋に恋するって、こういうことですか?

恋に恋するって、こういうことですか?

突然、社長から直々に、専務の秘書に任命された五十嵐寧音24歳。一部上場企業で働くOL3年目。 しかも専務は、外部から来られる!  初めてお会いする当日まで、詳細は明かされず、シークレットだった為、その姿を見て驚いた寧音。 『お若い!』ダンディな男性が来られると思っていたのに、お若いイケメンが… 櫻木修斗29歳。 しかも、その若い専務は、いきなり寧音を下の名前で呼ぶ。 相当変わった人だと思った寧音。心の声と、2人の掛け合いが面白い!  そして、いつしか寧音も周りも修斗のペースに…… そのまま2人は、結ばれるのだろうか。
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Chapter: 第32話 挙式当日
2025.2.2大安吉日 バタバタと準備が進められ、この佳き日を迎えることが出来た。 お腹の赤ちゃんも順調に育っているようで、5ヶ月に入り安定期となった。 しばらくは、悪阻で気持ち悪くあまり食べられなかったので、ついに秘書業務はお休みすることにした。きっとこのまま退職することになるのだろう。 ようやく悪阻も治まった。 ずっと家に居ても退屈だし、修斗が時々体調の良い日は、会社に来て! と言うので、 瀬尾さんに引き継ぎがてら、林さんの顔を見に行っていた。 心配症の修斗は、私専用の運転手さんとお手伝いさんを付けてくれた。 悪阻の時、お腹が空くと気持ち悪くなるようで、 小さなおにぎりを1つ食べると落ち着いていた。 なので、ちょこちょこ食べられるように、お手伝いさんがいつも用意してくださったので助かった。皆さんのおかげで、ようやくここまで来れました。 何もしないと太り過ぎてしまうからと言うのだが、何もさせてもらえない。 なので、赤ちゃんの物を編んだりしてゆったり過ごさせてもらっている。 まだ、5ヶ月なのであまりお腹も目立たず、ウェディングドレスもカクテルドレスも違和感なく着ることが出来て良かった。 バージンロードは、やはり母と並んで入場することに…… 母にベールダウンしてもらい、それを見るだけで、涙する親戚や友達も多く、先に泣かれてしまったので、こちらまでもらい泣きしてしまい、笑顔で居なきゃと思うと、笑い泣きの挙式で始まってしまった。 ようやく修斗の所まで歩いて辿り着き、ベールアップ、誓いのキスは、涙が流れ鼻が詰まって大変だった。 思わず笑ってしまった。 そして、披露宴へ 最初は、新郎新婦の入場。 お色直しの時、ついに社長念願の新婦との入場に、会場が沸いた! だって、社長がまるで選挙活動のように皆さんに手を挙げながら入場するものだから、爆笑をさらっている。 ──社長! 満足ですか? その頃には、私も爆笑していた。 そして、高砂席まで送り届けてくださると、何故か修斗にお辞儀して、2人でお辞儀し合って握手していた。 私の父親代わりをしていただき、有難うございました。 妊娠中と言うことも有り、まだ長時間の拘束は、疲れるので、余興などは全て省かせていただいた。 なので、社長の
Last Updated: 2025-09-18
Chapter: 第31話 誕生日
11月25日は、修斗の30歳の誕生日、そして、 11月29日は、私の25歳の誕生日だ。 修斗の誕生日には、部屋を飾り付け、私の料理でもてなすと決めていた。 でも、誕生日が月曜日なので、日曜日から食事の準備をする。あとは、当日の月曜日にしたいが…… かと言って当日、会社を休んだりしたら、体調が悪いのかと修斗が心配するし…… 「こういう時、四六時中一緒に居ると、大変だな」 修斗は、月曜日の午前中は会議で、午後から外出だから社長と同行。 「そうだ! 午後から半休を取って先に帰ろう!」と閃いた。 林さんに相談して、その旨を伝えると、 「半休は取っても大丈夫だけど、問題はダーリンよね〜」と言われた。 「そうなんですよね〜」 「そろそろ秘書の練習の為に、半日だけ瀬尾さんに入ってもらえば? 私がサポートするわよ」と言ってくださった。 それは、有り難い! 40代で秘書室に抜擢されて来られた瀬尾さん。 もっとも、私が辞めることになったら、という理由で秘書の勉強をしていただいている人だ。 「じゃあ当日、生理痛が辛くなったから早退したって言ってもらえますか?」 「分かった!」 ***** そして、修斗の誕生日当日、夜中12時を回った時に、 「お誕生日おめでとう!」と、伝えると、 とても嬉しそうにしていた修斗。 「去年までは、1人だったから」と、とても喜んでくれた。 そして……そのまま愛し合った。 朝、眠そうに目を擦りながら、いつもと変わりなく一緒に出勤した。 そして、 修斗は午前の会議を終え、専務室に戻って来たので、温かい玄米茶を淹れて出した。 「お疲れ様でした」 「うん。ありがとう! あ〜美味い! 落ち着く〜」と喜んでくれる。 ──いつかは、この役割も私じゃなくなるんだ と少し寂しくなってしまった。 「ん? 寧音どうしたの?」と聞かれたので、 そう話すと、 「う〜ん、そうだな。俺だって寂しいよ。でも、その時は、2人に子どもが出来た時でしょう?」と言う。 「うん、そうだね」と微笑む。 そして、午後から修斗は、社長と外出。 「「行ってらっしゃいませ」」と林さんと共に送り出した。 「じゃあ、寧音ちゃん、後は任せて!」とおっしゃってくださる林さん。 すぐに、瀬尾さんを呼んでくださり、 「半日専務の秘書をお願いします
Last Updated: 2025-09-17
Chapter: 第30話 挙式披露宴について
元電力部長の動画アップのせいで、急いで籍を入れることになったので、挙式披露宴の準備が整っていなかった。 社長の息子、そして、伯父様の会社で働いていることも有り、私たちより周りの方が私たちの挙式披露宴を楽しみにされているようだ。 なので、どうしても避けては通れないらしい。 社長である伯父様は、専務室に来ては、 「結婚式は、いつにする?」と聞く。 「う〜ん、もう来年じゃなきゃ予約が取れないだろうね?」と言う修斗。 「寧音さんは、何処で挙げたいとかあるの?」と聞かれ、 「いえ、私は……」と言うと、 「花嫁さんがメインなんだから、我儘言っても良いんだよ」とおっしゃってくださる。 修斗を我が子のように可愛がり、ようやく結婚してくれたのだから、嬉しくて仕方がないのだとおっしゃる。 そして、初めて魚崎さんとお会いしたホテルを社長もよくお使いだとのことで、 「あそこなら、すぐに取れるんじゃないか?」 とおっしゃる。 「いやいや、会場が空いてなきゃ無理だってば!」と修斗が言うも、 「じゃあ空いてたら、いつでも良いか?」とおっしゃるので、修斗も折れたようで、私の方を見て、 「寧音いいか?」と聞いてくれたので、 「はい」と笑顔で答えた。 「よし!」と社長は、ニコニコしながら、 「予約が取れたら連絡するよ」と専務室から出て行かれた。 しばらくすると、林さんから、 「寧音ちゃん! 社長からホテルの空き状況を調べて欲しいと言われたんだけど、春でも秋でも良いの?」と聞かれた。 「!!えっ?」 結局社長は、林さんに頼んだようだ。 そりゃあそうだ、社長直々に連絡なんてしないよね? 「あ、申し訳ありません。そんなことまでしていただいて」と言うと、 「ううん、楽しいわよ! 良かったね」とおっしゃってくださる。 「ありがとうございます」 結局2人でホテルの空き状況を見ながら、決めることになった。 そして、来年の2月2日ならチャペルと大広間での披露宴が出来るようだ。 でも、私は1つ気づいたことがある。 チャペル、バージンロード、父親と歩く姿をよく見かけるが、私には父親は居ない。アレは父親でなくても良いのだろうか? 林さんに話すと、 「もちろんよ! お母様と歩く方も居らっしゃればご兄弟とか、今では新郎と歩く方も増えてるとか。そんなの決まりはな
Last Updated: 2025-09-16
Chapter: 第29話 フットサル
──週末の11月2日(土) フットサル場に着いて来た。 屋根はあるが壁は開閉式の半屋内と言うのか、Fリーグの選手が使うような場所だ。 「うわ〜綺麗なコートだね〜」 「うん」 「修斗〜!」と言う男性の声が聞こえた。 高校の同級生のようだ。 「おお〜!」と手を挙げている。 近づいて来て、 「久しぶりだな〜」 「おお〜」と手を上に挙げハイタッチしてからクロスして握り合っている。 「ん? 彼女?」と聞かれた。 私は、会釈をして、「初めまして」と挨拶した。 「初めまして」 「《《妻》》の寧音!」と修斗が言った。 「え? お前結婚したのか?」 「うん」 「おめでとう〜! いつ?」 「10月20日」 「え? 今年の?」 「うん」 「え? この前じゃん!」 「うん」 「ヒュー新婚さん!」と笑っておられる。 「お前〜顔が下品!」と言う修斗。 そして、私に、 「山岡です。おめでとうございます」とおっしゃったので、 「ありがとうございます、寧音と申します。《《主人》》がいつもお世話になっております」と言うと、 「か、可愛い〜」と言われた。 ──初めて《《主人》》と言った キャー照れる〜 そして、修斗に、 「おいおい、こんな可愛い子と、どこで知り合ったんだよ?」と聞かれ、 「俺の秘書」と修斗が言う。 すると、高校の頃から修斗のお父様が会社の社長さんだとご存知の山岡さんに、お父様の「後を継いだのか?」と聞かれ、自分は伯父さんの会社へ移り、今は専務となったことを伝えた。 「うわ〜流石! サラブレッドは違うな、羨ましい!」と言われていたが、修斗は、兄が居るから親父の会社を離れ、伯父さんに頼まれて、会社を変わったことを初めて話した。 恐らく、この山岡さんは、修斗の親友なのだろうと思った。普段、そういう話を全くして来なかった修斗。でも、この山岡さんには何でも話せているようで、そんな人が修斗にも居たんだと思って少しホッとした。 「皆んなには?」 「ああ、言っても構わないよ」と言った。 事実だものね。 そして、続々と同級生たちが集まって来られたようだ。 彼女さんだという方々も来られていたので、一緒に椅子に座って観戦することになった。 見た目は、ギャルみたいな格好の人も居て、少し引いてしまったが、案外ご挨拶は、きちん
Last Updated: 2025-09-15
Chapter: 第28話 やりたかったこと
────翌週の土曜日 「修斗〜」 「ん? どうした?」 「あの白い車、乗りたい!」と言うと、 「おお〜任せとけ!」と嬉しそうにニコニコしている。 私は、初めてスポーツカーに乗ることになった。 「今日は、良い天気だから、幌を開けて走ろう!」と言っている。 私は、当然オープンカーなど乗ったことがない。 「屋根がないのよね?」 「うん」 「暑い? 寒い?」 「アハッ、10月だし気持ちいいと思うんだけどな。イヤだったら閉めても良いよ」と言う。 「うん、途中からね。何か……色々飛んで行かないの?」と私は、変な質問をしていた。 「ハハッ、そうだな、荷物は前か後ろのトランクに入れて」と言う。 「あっ、トランクはあるんだ」と言うと、 「うん、一応あるよ。大きな物は入らないけど、バッグや買い物した物くらいは入るよ」と言うので、早速身支度をして、車まで行って、まずトランクを見せてもらった。 「うん、見た目は、カッコイイよね〜」と外側を見ながら言うと、 「うん!」と喜んでいる。 そして、後ろに回りトランクを見せてもらう。 やはり後ろのトランクは、浅いのであまり入らなそう。 しかも、熱くなるので、食料品などは前の方が良いと言うので、今度は前を見せてもらうと、思っていたより深くて広かった。 「あれ? 思ってたより広い! コレならいつも買い物する分は入るね」 「うん」と喜んでいる。 ただし、一度入れると車を止めるまで出せないので、必要な物は、足元にでも置いておくと良いと言うが、 「う〜ん、やっぱりそういうのが不便なのよね〜」 「ハハ……」と、あまりにも私がハッキリ言うものだから、苦笑している。 「じゃあ、乗って!」と乗り込む。 私は、さほど大きなカラダではないので、スッと乗り込んだが、やはり荷物置き場が全くないのは、ちょっと……と思ってしまった。 そして…… エンジンをかける修斗。 ブーーン! ブロロロロォーン! と爆音が響いた。 「ウワッ!」 思わず耳を塞いで、 「煩〜い!」と言うと、 「ハハッ」と笑っている。 更に、 「迷惑よ! 早く出して!」と大声で言っていた。 「ハハハハッ、行くぞ!」と言いながら、走り出した。 走り出すと、快適で音は気にならなくなった。 「何コレ? 最初のエンジン音は煩いね」と言うと
Last Updated: 2025-09-14
Chapter: 第27話 新婚初夜は…
しばらく起きそうもないので、そのままリビングで寝かせた。 疲れたので、私もお風呂に入って休むことに…… ────翌朝 「あ────!」 大きな声で起こされる。 「ん? な〜に〜?」 「寧音! ごめ〜ん、俺、寝ちゃった」と、朝から騒いでいる修斗。 そのままリビングのソファーで寝てたので、 布団を掛けて寝かせたのだ。 「う〜ん……」 相変わらず私は、朝は弱い。 目を開けても又自然と瞼を閉じてしまう。 「ごめんね、だから、今からでも……」と言っているようだ。 「う〜ん、もうちょっと……」 途中まで言って又眠っていたようだ。 「寧音〜〜」と、私を抱きしめている。 「う〜〜ん」と、私も修斗さんを抱きしめ…… 結局動けなくなっている。 「寧音〜?」 私を呼ぶ声が遠ざかっていく…… 「スースー」 どのくらい眠っていたのかは、分からないが、 目覚めたのは、やっぱり修斗のキスだった。 「う〜ん……」 「起きた?」と聞いている。 「うん、おはよう〜」 「おはよう〜」と何やらニコニコしている。 少しずつ、頭が冴えて来て、昨日のことが蘇ってきた。 「2日酔いは?」と聞くと、 「よく寝たから大丈夫」と言う。 「そう〜良かった」 「うん、ありがとう」とニコニコしている。 「ん? 何?」と聞くと、 朝からお兄様から連絡があり、修斗がすぐに酔ってダウンしたので、私がお父様とお兄様の相手をして一緒にお酒を呑んでいたのだと…… そして、お父様もお兄様もダウンし、 〈寧音ちゃん、お酒強え〜な、楽しかったよ。又呑もうって言っておいて〉とお兄様からメッセージが届いたようだ。 「あっ! そうだった。私やらかした?」と聞くと、 「ううん、助かったよ! 俺の代わりにありがとうな」と言われた。 「なら、良かった」と言いながら、もう一度修斗を抱きしめると、何やら自分のカラダがスースーすることに気づいた。 「ん?」と自分の格好を見ると、見事にパジャマははだけて下は、パンティしか履いていない。 「え────っ!」 と修斗の方を見ると、 「だって全然起きないから、先に始めてた」と笑っている。 「はあ〜? 先に始めてた? 居酒屋じゃないんだから!」と言うと、 「クックックッ、寧音上手いこと言うね」と笑っている。 「笑い事じゃないわよ
Last Updated: 2025-09-13
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