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第22話

作者: 鴨肉丼
薫がそんなに気軽に楽しそうにしている姿を見ると、拓也はふと考える。自分はこれまでどれだけひどいことをしてきたのだろうか。彼女が心からの笑顔を見せるのが、あんなにもぎこちないものだったなんて。

一瞬、拓也は引き下がりたくなった。

薫と中元光がこんなに幸せそうに過ごしているなら、自分が身を引くことが、みんなのためになるのではないか?

だが、拓也には納得できなかった。

彼の目には、中元光はどこを見ても薫にふさわしい男には映らない。容姿も自分より劣るし、背格好も今ひとつ。経済的余裕だってない。薫のことを理解している度合いだって、自分には及ばないはずだ。

それでも、中元光は生まれつき人を気遣う才能があるようで、薫の好みを細やかに察知する。薫は一日中、何も考えずに楽しむだけでよかった。ふと気付けば、拓也は自分自身に嫌気が差していた。

以前の生活では、大小さまざまな雑事をすべて薫が引き受けていた。彼が気を揉む必要など、まるでなかったのだ。

つまり、薫が小池拓也なしでは生きられないのではなく、逆に小池拓也の方が薫なしでは立ち行かないのだと気付いた。薫の存在は、すでに空気のように彼の生活に
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