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5. 「あの日の僕ら」58

مؤلف: 佐行 院
last update تاريخ النشر: 2025-10-06 09:15:27

-58 朝ごはんをきっかけに-

 店長が店に入って行くと2人は海を眺めながら目の前のご馳走に食らいついた、おでんの温かさが店長の心の温かさだと思うと嬉しかった。

 2人は容器を店内のゴミ箱に入れ、発注業務を行っていた店長に軽く会釈をした。

店長「またいらして下さい。」

 そう言うと店長は手を振って2人を見送った。

 午前3:00、コンビニから裕孝の家までの道を月明りだけが照らしていた。波の音が優しく響く中、2人は小さなアパートに着いた。廊下を照らす赤い豆電球の光が2人を出迎えた。

 奥の階段を上がってすぐの203号室、そこが裕孝の部屋だった。直前に掃除をした訳ではなかったのだが、部屋は綺麗に片付いていた。

 午前9:00、窓から差し込む陽の光が2人を起こした。裕孝は2人分の珈琲を淹れて1つを香奈子に渡した。

香奈子「何か作ろうか、冷蔵庫開けるね。」

裕孝「あ・・・。」

 香奈子は冷蔵庫を開けて驚いた。中には缶ビールと栄養ドリンク、そして牛乳しか入ってなかったのだ。

香奈子「どういう・・・、事・・・?」

裕孝「料理得意じゃなくてさ、いつも栄養ドリンクとプロテインだけなんだ。」

 裕孝の
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    -190 優先すべきは店舗か個人か- 自分の屋台と同じチェーン系列である1店舗のオーナーである好美のまさかの行動に慌てて『念話』を飛ばした、別の店舗に食材を探しに行けば良いじゃ無いかと俺は個人的に思ったのだがこのまま国王を待たせたままだと「暴徒の鱗」の信用を落としかねないし何より好美の為にならない。しかし今の好美には仕事を忘れて折角の卒業旅行を楽しんで欲しい、一先ず理由及び動機を聞いてみる事にしてみた。渚(念話)「好美ちゃん、どういう事なんだい。バルフでこんなに食材を買い占めてどうするつもりなんだい?」 いち経営者として、そして先輩として好美のこの行動は許す訳にはいかない。しかし好美サイドにもそれなりの理由があって・・・、欲しかった。好美(念話)「え・・・、何の事ですかぁ~?」渚(念話)「あんたね、いくら「ビル下店」を好きな様にしていい権利を有しているからってこれはあんまりじゃないのかい?店の皆がびっくりしちゃうじゃないか。」 確かに好美は「ビル下店」のオーナーであるがその様な権利をいつの間に持っていたのだろうか、ただ先日の「鮪1本事件」と「大量の白菜・胡瓜事件」という前科があるので流石にイャンダやデルアもこの様な事態は懲り懲りだと思うはずだ。可能であれば買い占めた大量の食材を突然店内に出現させて驚愕させるという事態は未然に防いでおきたい。渚(念話)「何だい・・・、もう出来上がっちゃってんじゃ無いか。なのに酒を中心に買い占めているだなんて改めて聞くけどどういう了見なんだい?」好美(念話)「いや・・・、店を出た後に適当に何処かで呑もうかと思いまして。」渚(念話)「まさか・・・、あんた個人的な吞みの為に買い占めたのかい?ここは一応業務用食材の店なんだから私が来るって思わなかったのかい?」 こんなに買い占めてどうやって運ぶつもりなんだろうか、どう考えてもカペンには乗りそうにもない量なのだが今はそれ所では無い。冷静な表情をしながら好美の隣で2人の『念話』を聞いていた守が割って入って来た。好美(念話)「ネフェテルサ王国のゲオルさんの店で買って『転送』か『アイテムボックス』を使えば・・・。」守(念話)「すみません渚さん、こいつ最近酔ったら馬鹿買い癖が出てしまう様になっちゃうんですよ。この前も八百屋さんから「暴徒の鱗」の名前でピーマンを馬鹿みたいに買い占

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    -186 普段優しいコッカトリスは怒ると怖い- 好美にこれ以上飲まれてたまるかと言わんばかりに焦った様子で手に持っていたコーラを一気に口にした守は国王の前だという事にも関わらず大きなゲップをしてしましった、第三者として様子を見ているだけの俺からすれば原因は好美にあるのか守にあるのかが分からない。しかし仲睦まじい恋人達の様子を見ていたデカルトは好美を乗せて地上に降り立った後にただただ笑うだけだったが顔が引きつっていない事を願うばかりであった。守「王様、大変失礼致しました。申し訳ありません。」 頭を深々と下げて謝る守、それに対して腰の低さに定評がある国王は全てを笑って許してくれた様だ。デカルト「ハハハ・・・、楽しそうで何よりじゃないですか。私も学生時代に妻と付き合っていた頃の事を思い出してしまいましたよ。」 デカルト達の学生時代が何年前の話なのかは全くもって想像がつきそうにも無かったが今はハッキリ言ってどうでも良い話だ、と言うよりあんたらここには遊びに来た訳じゃ無いだろう?守「分かってるよ、好美がいけないんだぞ。ずっと王様の背に乗って遊んでいたから。」デカルト「まぁまぁ守さん、良いじゃないですか。誰だって何もかもを忘れて無邪気に楽しみたい時だってあるはずです、今回は私の顔に免じて許してあげて頂けませんか?」守「王様がそう仰るなら・・・。」 致し方なく好美を許した守、でも心中はずっともやもやしているままだった。デカルト「一先ず入りましょう、このままだと大臣の弟さんに迷惑をかけるだけですから。」 店に何の用事も無い訳では無いがこのままだとただの迷惑駐車だ、早く店に入った方が賢明だと皆が思うだろう。好美「分かったよ・・・、早くこの問題を解決して旅行に戻りたいもん。」 ビジネストークをしている時が多いので2人がまだ卒業旅行の最中だった事をついつい忘れてしまっていた俺、作者からすれば恋人達にはもっとほのぼのとした異世界ライフを楽しんで欲しいのだがそうは問屋が卸さないらしい。 そんな中、店の中からずっと様子を伺っていたランバルは店にも入らずにずっと遊んでいる者達にしびれを切らして外に出て来た。ランバル「あの・・・、うちの店の前でずっと何をされているんですか?」デカルト「すみません、本当はすぐにお店の中に入ろうと思っていたのですがついつい楽しくなって

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    -185 店には着いたけど・・・- ダンラルタ王国にて連なる山々を眺めながら国王の背で笑顔を見せる好美は美しい景色によりすっかり空腹を忘れてしまっていた、これは台風が来かねない位の事態と思われたが今はそれ所ではない。しかし、2人共に(?)今から向かう目的地における問題の当事者では無いのでゆったりとした空の旅を楽しみながらずっと笑い合っていた。ただ転生者達、いや住民達にとっての貴重な経験は長くは続かなかった。守「王様、こちらです!!非常に申し上げづらいのですがずっとグルグルと回ってないで降りて来て頂けませんか?」 いつの間にか目的地についていた事に気付いていないフリをしていたデカルトは後ろを追う守達が来るまで好美に特別サービスを行っていた、どうやら王城で延々と家事をこなしていた為に外で遊びたかった様である。デカルト「すみません、お気遣い感謝致します。すぐに降り・・・、へ?」 突如好美に背中を数回タップされた国王は好美へ耳を貸す事にした。好美(小声)「あの・・・、敢えてずっと旋回を続けて頂けませんか?もう少しだけ遊びません?」デカルト(小声)「貴女も悪いお方ですね、彼氏さんを無視しちゃって大丈夫なんですか?」好美(小声)「折角の旅行なんでもう少しだけ楽しみたくて、駄目ですか?」 好美の質問に優しく微笑みながら返答したデカルト。デカルト(小声)「ハハハ・・・、好美さんが良いなら私は構いませんよ。それにしても折角のご旅行中に私共の大臣がご迷惑をお掛けして申し訳ありません、お詫びと言ってはなんですがサービスさせて頂きますね。」好美(小声)「私自身は大丈夫です、ランバルさんには悪いですけどお陰でそれなりに楽しませて貰っていますので。」 そう言うと速度を上げて空中を旋回するデカルト、何処からどう見ても好美の悪戯心による行動だという事が分かる。地上から2人の様子を見ていた守はため息をつきながら好美に『念話』を飛ばした、元の世界にいた頃と合わせたらこういった放置プレイは何度目だっただろうか。守(念話)「好美、勘弁してくれよ・・・。それにその人国王様だろ?大丈夫なのか?」好美(念話)「良いじゃん別に、本人が「良い」って言ってくれたんだから。」守(念話)「だからって他の人を待たせたら駄目だろ、特に渚さんに変なイメージを持たれたらまずくねぇか?」 時すでに

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    -⑪ 当たってしまった嫌な予感- 朝6:30、守は窓からこぼれる朝日に照らされて起き上がった。今日の朝ごはんは守が作る予定だが材料があるか正直心配だという気持ちがあったので、「もしも」の事が有った時の為に街の中心部にある露店やリッチのゲオルが経営する雑貨屋へと買いに行ける位の時間の余裕が欲しかったのだ。守「朝だからあっさりとした軽い物の方が良いよな・・・、和食と洋食どっちにしようか。」 鼻歌混じりに冷蔵庫を開けると守が予期していた「もしも」が起こってしまった、そう、材料が全くなかったのだ。予想はしていたが冷蔵庫には酒しか入っていなかった。守「やっぱりか・・・、そう言えば本人はどうして

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」⑩

    -⑩ 眩い月夜の晩に- 1度別れた恋人の家で初めての夜を迎えた守は落ち着いて過ごせる訳が無かった、眩い月明りが照らす夜、喉が渇いた守は冷蔵庫へと向かった。守「麦茶、麦茶・・・。」 決して夏日の様に暑い訳では無かったのだが、緊張で兎に角喉が渇いて仕方がなかった守は冷えた麦茶が飲みたかった。 好美を起こさぬ様にと足音を殺し、決して電灯を点ける事無くゆっくりと台所へと歩んで行くとほんのりとした真っ白な光が見え、小さくだがガチャガチャと音が聞こえた。守「好・・・、美・・・?」 そう、冷蔵庫の前で好美が酒と肴を物色していたのだ。よく考えてみれば彼女は夜勤族、基本的に夜行性なのでこうなっても

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」⑨

    -⑨ 物腰が低い上司- 罰金として支払っていた1億円が戻って来た結愛は昔からの夢を叶えようと一旦珠洲田自動車へと向かった、また商人兼商業者ギルドにて新たに事業でも始める様にも見えたが本人曰く別の用事、その上超個人的な物の様だ。結愛「何だってオッサン?!スルサーティーは此処では買えないのかよ!!」珠洲田「メーカーが違うから此処では売って無いんだよ、それに元々ウチは軽自動車が殆どだ。」 結愛の夢とは真希子とお揃いの車に乗って山を走る事だった、しかし本人にとって誤算がもう1つ。真希子(念話)「結愛ちゃんったら忘れたのかい?私ゃもうスルサーティーには乗って無いんだよ、やだねぇ。」 どうや

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   7. 「異世界ほのぼの日記3」⑧

    -⑧ 神々も人と変わらない- 突然のオーダーストップにしゅんとするマンションのオーナーに朗報がやって来た、どうやらビールだけでは楽しめないかと考慮した貝塚夫妻が肴として色々と用意していた様だ。結愛「好美、ホッケ焼きたいんだけどグリル使っても良いか?」 守は目を疑った、日本と同様な食材がどうしてこの異世界で手に入るのだろうかと不思議で仕方がなかった。正直、目の前の転生して来た日本人達が平然としているのが不自然に思えて仕方がなかった。守「なぁ、さっきの料理もそうだけどさ、この世界ってどうなってんだよ。ずっと肉屋で籠っていたから中々言えなかったんだけど、日本に近すぎやしないか?」好美「え

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