異人青年譚

異人青年譚

last updateDernière mise à jour : 2026-04-29
Par:  kumotakeEn cours
Langue: Japanese
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これは僕が、人とは異なる「何か」に変わる、一年間の物語 異人:人間の姿形をしながら、人間とは決定的に異なった体質や性質をもつ異端の存在。 主人公の大学生:荒木 誠 は、ゴールデンウィークのとある一件を境に、そういう存在である彼女たちと、一年間という時間の中で、様々な関係を築くことになる。 吸血鬼の異人:佐柳 琴音 殺人鬼の異人:柊 小夜 旅人の異人:若桐 薫 狼の異人:花影 沙織 雪女の異人:柳 凍子 そんな彼女達と織り成す、あまりにも異質なキャンパスライフ これはそんな大学生活で、滑稽にも青年が、青年然としようとする物語

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Chapitre 1

プロローグ

『異人』

 人間と同じ姿形をしていながら、人間とは明らかに異なった体質や性質を持ち合わせた、異端の存在。

 この物語の主軸であり、中心であり、中枢を担っているこの言葉を、僕(荒木 誠)はこの春に、故郷である九州から、大学がある神奈川の横浜に来て、初めて知った。

『人間とは異なる』というのだから、この言葉が、人間ではない何かに対して誂われた言葉であることは、なんとなく、初めて知る人にも、理解できるかもしれない。

 実際、僕自身も、最初のうちはこの言葉の字面だけを理解していた。

 字面だけを理解して、全てを理解した気になっていた。

 そう、たったこれだけの説明では、どうしたってこれを理解するには......

 完全に理解するには、あまりにも短すぎるのだ。

 そしてそうなると、やはりどうしても、字面だけの、上辺だけを救い上げて理解するような、そういうモノになってしまう。

 いや......これでは『理解した』ではなく、ただ『知った』だけなのだろう。

 ただ見聞を広めて、言葉を知った。

 まるで小さな幼子が、はじめてその言葉を覚える様な......

 まだ意味も真意も意図さえも知らぬまま、言葉だけを覚えてしまっている様な......

 そういう感覚になってしまうのだ。

 けれどもし、この『異人』という言葉の意味が、本当にあの短い説明だけで理解できてしまえるようなモノならば、これから語られるこの物語は、そもそも語り始める前に終わってしまう。

 それでは物語として、成立しない。

 語らずして終わる物語など、成立する筈がないのだ。

 それにこれは、その人間とは明らかに異なった異端の者達が、人間だった筈の僕を巻き込んだ、僕が語り部となって語る御話で......

 だからこれは、僕が大学生になった、この一年を通して起きた出来事の、謂わば経験談のようなモノだ。

 いや、もっと端的に、『思い出』とでも言ってしまおうか......

 それにもしも、これから語る、この数十万の文字で紡がれる思い出を、例えばたった数十文字に要約したならば、きっとこうだろう......

『最初は吸血鬼に奪われて、次は殺人鬼と過ごした後に、旅人と追い求めて、その後は狼に悪戯をされて、結局のところ、雪女に損失させられる』

 そういう御話なのだ。

 やっぱり、これではあまりにも、要領を得ない......

 わかってはいたけれど......

 だからまぁ、退屈しのぎに触れてくれ。

 異人というモノが居ることを、この横浜という場所で初めて知って、初めて理解する青年が、化け物に囲まれながら、ただ青年然としようとする、そんな滑稽な物語を......

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プロローグ
『異人』 人間と同じ姿形をしていながら、人間とは明らかに異なった体質や性質を持ち合わせた、異端の存在。 この物語の主軸であり、中心であり、中枢を担っているこの言葉を、僕(荒木 誠)はこの春に、故郷である九州から、大学がある神奈川の横浜に来て、初めて知った。『人間とは異なる』というのだから、この言葉が、人間ではない何かに対して誂われた言葉であることは、なんとなく、初めて知る人にも、理解できるかもしれない。 実際、僕自身も、最初のうちはこの言葉の字面だけを理解していた。 字面だけを理解して、全てを理解した気になっていた。 そう、たったこれだけの説明では、どうしたってこれを理解するには...... 完全に理解するには、あまりにも短すぎるのだ。 そしてそうなると、やはりどうしても、字面だけの、上辺だけを救い上げて理解するような、そういうモノになってしまう。 いや......これでは『理解した』ではなく、ただ『知った』だけなのだろう。 ただ見聞を広めて、言葉を知った。 まるで小さな幼子が、はじめてその言葉を覚える様な...... まだ意味も真意も意図さえも知らぬまま、言葉だけを覚えてしまっている様な...... そういう感覚になってしまうのだ。 けれどもし、この『異人』という言葉の意味が、本当にあの短い説明だけで理解できてしまえるようなモノならば、これから語られるこの物語は、そもそも語り始める前に終わってしまう。 それでは物語として、成立しない。 語らずして終わる物語など、成立する筈がないのだ。  それにこれは、その人間とは明らかに異なった異端の者達が、人間だった筈の僕を巻き込んだ、僕が語り部となって語る御話で...... だからこれは、僕が大学生になった、この一年を通して起きた出来事の、謂わば経験談のようなモノだ。 いや、もっと端的に、『思い出』とでも言ってしまおうか...... それにもしも、これから語る、この数十万の文字で紡がれる思い出を、例えばたった数十文字に要約したならば、きっとこうだろう......『最初は吸血鬼に奪われて、次は殺人鬼と過ごした後に、旅人と追い求めて、その後は狼に悪戯をされて、結局のところ、雪女に損失させられる』 そういう御話なのだ。 やっぱり、これではあまりにも、要領を得ない......  わ
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