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第307話

作者: 栄子
安人は眉をひそめたが、何も言わず、手に持った子供用箸を見下ろした。

箸の持ち方が間違っていたのだ。

優希は手を止め、彼に子供用箸の使い方を教えた。

「親指はここ、人差し指はここ......そうそう、安人くん、上手だね。じゃあ、私のようにお肉を挟んでみて。挟んで、口を開けて、あーん」

優希の根気強く教えたおかげで、安人は子供用箸で牛肉を挟んで口に入れることができた。

優希はすぐに箸を置き、両手で拍手した。「安人くん、すごいじゃない!私はこの箸を使うのに何日もかかったのに、安人くんは一発でマスターできた、天才だね!」

安人は褒められて恥ずかしがってしまい、顔が赤くなった。

そして、照れくさそうに、克哉の方を見た。

克哉は少しお酒を飲んで、ほろ酔い気分だった。

息子の立派な姿は、ずっと目にしていた。

そして、彼はグラスを置いて、息子の頭を優しく撫でた。「安人、よくできたな。お父さんは見てたぞ、えらい」

褒められて嬉しそうな安人は、口角を上げて、はにかんだ。

綾は黙って克哉と安人のやり取りを見ていた。

食事ができるようになったと同時に克哉の反応を気にする安人の様子から
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