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第568話

Author: 雲間探
優里と智昭は、ほぼ同時にレストランに到着した。

彼らがレストランに入ろうとした時、智昭が今朝会う予定だった毛利社長に偶然出くわした。

その毛利社長は、智昭が急遽打ち合わせの時間を変更したことを全く気にしていない様子で、智昭を見つけると、自ら近寄ってきて挨拶をしに来た。「今朝の記者会見を見ました。業界内外から絶賛されていますね。おめでとうございます」

「ありがとうございます」智昭は言った。「今朝の打ち合わせについてですが——」

「藤田グループがこんなに重大な技術的突破を達成したのですから、藤田社長が自ら記者会見に出席されるのは当然です。理解できますよ。気になさらずに」

さきほど藤田グループの記者会見を見ていた優里は、あの記者会見に智昭が出席する必要は本来なかったことを知っている。

そうでなければ、今頃彼は彼女や清司と食事をする暇などなく、記者会見の接待で忙しいはずだ。

だがここまで聞いて、彼女は智昭がわざわざスケジュールを調整して、今朝の記者会見に出席したのだと気づく。

その毛利社長は人と待ち合わせがあるから、智昭と少し雑談した後、話を切り上げて去っていく。

……

藤田グループでの仕事を終え、休日を迎えた玲奈は、ようやく休めると思っていたが——

土曜日の朝、茜から電話を受け、外食や買い物に誘われた。

玲奈は少し疲れていたが、外食や買い物に行く元気がないほどではない。

ただ、外出したい気分ではなかった。茜はそれを察したようで言った。「ママ、半日だけよ。食事して少し買い物したらすぐ帰るから」

「……わかったよ」

11時過ぎに茜は車で青木家までやってくる。

玲奈は車が到着したのを見て、バッグを持って外に出ると、智昭も車に同乗していることに気づく。

茜が手を振った。「ママ、早く乗って」

茜は今朝の電話で、智昭も同行すると一言も言っていなかった。

玲奈は足を止める。

「ママ?」茜は不思議そうに彼女を見上げる。

玲奈は車内の智昭を見る。

智昭は彼女の気持ちを理解しているようで、手を広げる仕草をする。まるで自分も茜の指示に従っているだけだと訴えているようだ。

「ママ、個室はもう予約してあるから、早く行こうよ」

玲奈は何も言わず、車に乗る。

すると、茜は玲奈のそばでペラペラと色々な話をして、玲奈はそれを聞きながら、必要な時に少し相槌を
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Comments (62)
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ゆらりん
話すことはないわ…だって離婚するんだから! と言っちゃおうよ! スッキリするよ! 実際、仕事以外に話すことないのでは? それは夫婦ではなく仕事仲間?取引先? 仕事ができる妻を手放したくなくなったんだよね?
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桜えび
いやいや、離婚してないよ 書類提出してから1カ月たってやっと離婚できる可能性が…… っていうお国なので。 かれこれ2回流れてるけど、、、
goodnovel comment avatar
土御門ユリア
nocccoo様 泣かぬなら泣かせて見せよう時鳥!! 玲奈やっちまいな!!って言ってやりたいです
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