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第5話

Penulis: みやこじるし
影が画像を開くと、それは蒼真が付き合って十周年の記念にプレゼントしてくれたものだった。

高級ジュエラーの特注品で、トップにあしらわれたルビーは、写真の中でさえ美しい輝きを放っていた。

プレゼントされた時、影もその眩さに驚いたが、次の瞬間には蒼真の母親の言葉が突き刺さった。

「親なしの孤児の分際で、よくそんな悪知恵が働くものね。現金の送金だと後で返還を求められると知っていて、うちの息子に宝石を贈らせたんでしょう」

蒼真は顔色を変えたが、ただ困ったように母親を見つめ、「母さん……」と咎めることしかできなかった。

影は蒼真にネックレスをつけてもらうのを断り、ただ大切に金庫の中にしまっていた。

たまに取り出して眺めるだけだった。

今となっては、もう取り戻す必要もなかった。

彼女は「とりあえずそっちに置いておいて。また後で連絡する」と返信した。

メッセージを送った後、彼女は深い眠りに落ちた。

目を覚ますと、蒼真がベッドのそばに座っていた。

影が目を開けたのを見て、彼はかすれた声で言った。

「目が覚めた?様子を見に来たんだ。ついでにネックレスも持ってきたよ」

影は体を起こすことなくネックレスを受け取り、無造作にテーブルの上に置いた。

「ご苦労様。わざわざこんな夜遅くに持ってくる必要なんてなかったのに」

蒼真は首を振った。

「このネックレスは意味が違うんだ」

彼は影の手を握った。

「これを見ると、俺たちが一緒に過ごしたこれまでの日々を思い出す。あんなにたくさんの困難を乗り越えてきたのに、今、こんな小さなことで喧嘩して冷戦状態になるなんて……」

彼はそう言いながら、声を詰まらせた。

「本当に馬鹿げてるよ」

影もまた、過去のことを思い出した。

彼女が熱を出した時、蒼真は深夜に車を飛ばして薬を届けてくれ、危うく事故を起こしそうになった。

神社に参拝した時、ある巫女から彼女は一生孤独な運命にあると予言され、彼は神社で祈り続けた。

「影が一生平穏で、幸せになれますように」

子宮癌が見つかり、二度と子供が産めないと分かった時、蒼真はパイプカット手術を受け、母親に自分の意志を示した。

あの頃は、あんなに良かったのに……

影は手を引き抜いた。手の甲には青ざめた痕と注射の跡がくっきりと残っていた。

しかし蒼真はそれらを無視して、彼女に言った。

「結愛はホテル暮らしでかなり参っているみたいだ。出前の弁当を食べてお腹を壊して、病院に運ばれたんだ。俺と一緒に病院へ行って、あいつを連れ戻してくれないか?」

影は淡々と事実を述べた。

「連れ戻して、どこに住むの?蒼真、前に言ったはずよ。家は売るつもりだって」

蒼真は眉をひそめた。

「いつ?どうして急に家なんて売るんだ?」

影はため息をついた。

「結愛の誕生日の日よ。言ったでしょう、私は引っ越すって」

蒼真は唇を引き結び、それ以上何も言わなくなった。

二人は沈黙した。

しばらくして、蒼真が立ち上がった。

「なら、ゆっくり休んで。俺は病院へ結愛の様子を見に行ってくる。病気の時は、そばに誰かがいなきゃダメだからな」

ドアが閉まる音が聞こえた後、影は少し待ってから起き上がり、ドアのロックから蒼真の指紋データを削除した。

ベッドに戻って横になり、目を閉じた。

一晩中、眠りにつくことはできなかった。

翌朝、影が起き上がった時、立ち眩みがしてベッドサイドのテーブルにぶつかった。

あのネックレスが落ちてきた。

傷がついていたら返す時に困ると思い、彼女はネックレスを拾い上げて念入りに点検したが、裏側に刻まれた文字を見てしまった。

【LOVE YUA】

影は少し考え、立ち上がって金庫を開けた。

自分のネックレスはちゃんとそこにあることに気づいた。違いは、彼女のネックレスには【KAGE】と刻まれていることだ。

YUA、結愛。

このネックレスの持ち主が誰なのかは、言うまでもなかった。

影はしばらく見つめた後、突然笑い出した。

笑いながら、目の奥が熱くなった。

自分と蒼真の記念日は、蒼真と結愛の記念日でもあったのだ。

彼女は涙を拭い、二つのネックレスを包んで病院へ向かった。

病室のドアの前に着くと、影は立ち止まり、数回深呼吸をしてからドアノブに手を伸ばした。

部屋の中から、蒼真の声が聞こえてきた。

「結愛、お前のそばにいると、心からホッとできるんだ。子供の頃の家庭環境のせいかもしれないが、影はいつも思い詰めている。

あいつは神経質で疑い深くて、そのくせ自立しすぎてる。長く付き合っていると、どうしても息が詰まるんだ」

影の手は激しく震え出したが、蒼真の言葉はさらに続いた。

「お前は影とは違う。あんなに明るくて太陽みたいで……」

彼の言葉が終わらないうちに、影は背を向け、遠くへ走り去っていた。

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