로그인クラスで何の露店《ろてん》を出すかを決めている。中々、話し合う時間を取れなかった私達は、時間を取り戻すように会話を広げていった。
班は6グループに分けられている。私達は皆の意見を纏《まと》めて、結局チョコバナナに決めていた。自分の意見が通らなかった事は残念だが、コストと時間を考えると一番安牌《あんぱい》なのかなとも思う。 定番のチョコバナナを定時してきた班は私達以外に1グループが提出《ていしゅつ》している。意見が被《かぶ》った事もあり、一番有利《ゆうり》なポジションにいた。 後の班は、リンゴ飴、イカ焼き、クレープ、焼きそばが出ている。祭りと言えばたこ焼きだが、誰も出していない。その事実を知った美月《みつき》はショックを隠せない様子だった。 もう一つの定番、焼きそばが出ている。この意見を出した班は男子の意見を採用している様子だった。個人的にはオススメの逸品《いっぴん》だが、結局食べ歩きを考えると難しいだろう。 「各班の提案の中で候補を絞《しぼ》ろうと思う。今回は食べ歩きがメインだから、焼きそばは難しいと思うの。私の意見に賛成《さんせい》の人は挙手して欲しい。揉《も》めない為にも、顔を伏《ふ》せてね」 学級委員のメグは皆にそう伝えると、食べ歩きにいくい焼きそばの意見を集計《しゅうけい》していく。皆は素直に彼女の言う事を聞き、机に顔を押し付けた。 結果は想像通りだった。焼きそばに対しての集計結果は反対が多かった。焼きそばを推していた班は残念そうな顔をしている。多数決で決まった事を受け入れると、焼きそばは除外《じょがい》されていった。 「……美味しいのに」 美月はたこ焼きの次に好きな焼きそばが除外された事を悔《く》やんでいる。私はそんな彼女の横顔を観察しながら、ぼんやりしていた。視線に気づくだろうと思っていたが、気づきもしない。 遊莉《ゆうり》だったら、この視線に気づくのかもしれないーー そんなこんなで話は続き意見を絞《しぼ》っていく。その中で一番の最有力候補だったチョコバナナが採用される結果となった。 私の班と同じ意見を出していたもう一つの班、その中に遊莉《ゆうり》も含まれている。私は内心喜びながら、未来に期待を寄せた。 何故なら、二つの班が中心となり露店《ろてん》をする事になったからだ。材料費やパフォーマンスの事で話す機会が増えていく。それは彼女と同じ時間を共有《きょうゆう》する事を意味する。 「遊莉と一緒にいる時間が増えるね。よかったね、美穂《みほ》」 「へっ」 「ふふふ。顔が緩《ゆる》んでるよ」 自分の気持ちを隠せているはずだったが、人間観察が趣味の日雪《ひゆき》には叶《かな》わない。私が遊莉《ゆうり》に対して抱いている気持ちに気づいているようだ。 内心焦っているが、表面に出さないように取り繕《つくろ》っていく。これで誤魔化《ごまか》せる訳じゃない。それでもここで肯定《こうてい》すれば、日雪《ひゆき》の思うつぼな気がした。 「茶化《ちゃか》さないでよ、日雪」 「美穂を見ていると、からかいたくなるのよ」 「……もう」 コソコソと話していた私達に注がれている視線があった。気持ちを通じ合わせた遊莉は仲良さそうに話している私達に複雑な感情を抱いている。 遊莉以外にトキメク事なんてある訳ないのにーー 「Cクラスは露店でチョコバナナをする事になりました。二つの班は協力して進めていく事。何か疑問がある場合は私か先生に言ってね」 メグの言葉が教室中に響いた。 □□ 自分に与えられた役割をこなしていくとあっと言う間に時は流れていく。勉強と文化祭の準備、そして部活。同じ事の繰り返しのように見えても、作業内容は変化している。そうやって形のなかったものを、纏《まと》めて一つの結果へと繋げようとしている。 私は部活に入っている事で露店にいる時間が極端《きょくたん》に短い。文化祭へ向けて練習してきた曲達を披露《ひろう》するからだった。 彼女は帰宅部だ。私とは違って露店を中心に動く事が出来る。他の催《もよお》し物もあるが、それでも遊莉には余裕があった。 「じゃあ私達は演奏会の準備をするから、帰宅部組はよろしくね」 「任せて」 日雪がそう伝えると、帰宅部代表として遊莉《ゆうり》が返事をした。彼女がいれば何か問題が起きても対処出来ると踏んだ日雪《ひゆき》は安心するように微笑むと、私を連れて準備へと向かった。 「遊莉がいるから安心だわ」 「そうだね」 「私達は自分の演奏に集中しよう。きっと成功させる」 「勿論《もちろん》だよ」 私達は決意を固め、部室へ入っていく。殆《ほとん》どの部員が揃《そろ》っていた。最後に部室に入ったのは私達の後に入室した実崎《さんざき》先輩だった。 「全員揃《そろ》ったね。皆に楽しんで貰う為に精一杯頑張ろう」 部長の言葉に私達は大きな声で「はい」と意気込みを見せていく。人前で演奏するのは緊張するが、思い切り楽しもう。 それがきっと一番いい演奏になるはずだからーー ゾロゾロと自分の楽器と譜面台ふ《ふめんだい》を持ち、部室から体育館へと大名行列のように行進していく。程よい緊張感の中で各々が沢山の想いを抱きながら、舞台裏《ぶたいうら》へと滑《すべ》り込んだ。 演奏の時間に合わせて時間を取れた生徒達が楽しそうに待っている。文化祭は一般の方も入れるようにオープンにしていた。前の四列は客席となっていて、保護者や子供達、年配の人で溢《あふ》れかえっている。 想像よりも観客が多い事に驚きながら、舞台裏から隠れるように覗《のぞ》いている。そんな私の背中をちょいちょいと刺激を与えた。 「今は演奏に集中しよう。緊張するかもだけど、私達がサポートするから安心して」 「実崎《さんざき》先輩……」 こういう時に頼りになる先輩がいるのは心強い。私は両手で自分の顔を挟むと、切り替える為に呼吸を整えていった。 今頃、遊莉《ゆうり》も露店を頑張っているだろう。そう思うとなんだか勇気が溢《あふ》れてくる。胸の中で眠る彼女を見つめながら、髪を優しく撫でていく。人に甘える事もせず、ただひたすらに走り続けた美穂は長い間、夢見た現実を手に入れる事が出来た。気を張っていたのだろう。遊莉が見つめていても起きる気配はない。あの時久喜がいなければ、この時間もこの関係性もここまで深くなる事はなかった。すれ違う二人は別々の道を選び、別の相手を受け入れていただろう。 それでも遊莉の心の中には美穂がいる。それだけは変えようのない事実。どんな事があっても枯れる事のない想いは大人になるたび、遠い記憶の中で輝きながら現実とのギャップを生み出していくのかもしれない。守り切る事が出来るのかと何度も挫けそうになった遊莉は、美穂の笑顔があったから、ここまで進む事が出来た。 「私はどんな時も美穂を守るからね」 想いを表面に綴ると、実感していく。過去の物事だとしても確実に存在していた事実なのだと。二人は大人になり、沢山の世界を見て、あの瞬間へと戻っていく。 「私が遊莉を守るから、ずっと一緒だよ」 天真爛漫な姿を見せる美穂に振り回された事が今では妙に懐かしい。遊莉はぎゅっと彼女の存在を確かめるようにスンスンと彼女の髪の匂いを吸っていく。ふんわりと香る柑橘系の香りが鼻腔を駆け巡り、心の中へと満ちていく。この瞬間が一番落ち着くようだった。ぐっすり眠る美穂を起こさないように、彼女の太陽のような温もりを抱きしめながら、夢の中へと沈んでいった。 彼女が見ているのは現実なはずなのに、全てが夢の一部として作られていく。ふわふわと漂う意識を手招きするように昔の自分が待っている。 □□ 美穂の状況を理解しようともせず、目の前の光景に揺れてしまった自分を責めるように歯を食い込ませていく。悔しさと悲しみが合わさりながら、耐えきれなく鳴った遊莉は涙を流し続けた。自分の感情をコントロール出来ないでいる自分に驚きつつ、溺れていくーー 巡を呼びつけると、素直に応じてくれる。何度も何度もさゆりをどうにかして欲しいと頼み込む為に彼女に接近しようとしていたが、やっとその願いが報われた。話の内容を理解していた巡は、普段のキャラを捨て、感情を丸めた。巡を守っていた偽物の仮面が剥がれた時に見えたのは無表情な彼女の姿。 「私にさゆりは止められない。頼んでも無理だから」 「そんなにあの人の事が好きなんですか?」 「
教室に辿り着くとそこには遊莉がいる。美穂はホッとした表情で彼女に近づいていく。周囲がどんな目で見ているかを知らない彼女は、ただただ目の前だけを見つめていた。基本教室で会話する事のなかった二人が向き合いながらクラスメイト達がその光景に釘付けになっていた。事情を知らない彼女達は二人から流れ出る異様な雰囲気に飲み込まれそうになっていく。 「……おはよう」 「……」 遊莉は美穂が話しかけているのに、誰もいないような素振りをする。話し合う事はしたくないと言う意思表示にも取れた。このまま何も言わずに今の状況を受け入れていくなんて出来る訳がない彼女は、何度無視されても諦める事をしなかった。 心が折れそうな美穂の瞳には沢山の涙が溢れている。少しでも気を抜いてしまうと溢れてしまいそうだ。周囲の視線が痛い。自分達が視線を集めていた事に気付くと、顔を見られないように教室を出ていく。どうやっても遊莉との関係性を戻す事が出来ないのだろうか。彼女と通わしていた心は、何もなかったように離れていく。 話も出来ないまま関係性が終わるのかと不安になる美穂がいる。遊莉の気持ちを考えずに、目の前にある事を優先してしまった自分が悪いのは理解しているが、それでもあんな態度は納得が出来ない。他に何かを抱えているのかもしれないと思うと、妙に納得出来る自分がいた。 彼女は知らない。自分の恋人の前で他の人を受け入れてしまった事を、催眠術にかかったようにあの時の記憶を手放し、日常の生活に戻ってしまった。美穂が遊莉の立場でも耐えれないはずだ。真実は彼女の見えない部屋へと仕舞い込まれ、美穂に伝わる事はない。 そんな様子を見つめているさゆりは彼女の表情を見ているとズキンと心に矢を射られたように痛む。自分の思い通りになっているはずなのに、そこには美穂の
自分の後ろに遊莉《ゆうり》がいるのに、自由に体を動かす事が出来ない。実崎《さんざき》先輩のちからがまるで男性のように感じてしまい、力が抜けていく。全ての感覚が歪《いびつ》になっている。自分の中で何が起きているのか分からない。私は焦《あせ》る気持ちを抱きながらも、どこか実崎《さんざき》先輩を受け入れてしまう。頭の中がパンクしそうだ。 「はぁはぁ……んあ」 「可愛い……遊莉《ゆうり》もそんな所で見ていないで、こっちに来れば?」 「……」 実崎《さんざき》先輩は私が向かってくるのを確認すると、口にある錠剤《じょうざい》を含《ふく》み、隠していた。本当は遊莉《ゆうり》に飲ませて快楽に沈《しず》む所を写真として残す計画を考えいたのだが、タイミングが合わさって、違った方向で使用する事にした。目の前に遊莉《ゆうり》が現れたタイミングを見計らって私の自由を奪《うば》い、口の内部に仕込んだ媚薬《びやく》を飲ませる為に、無理矢理《むりやり》流し込んだ。飲み込んだ瞬間から、作用の効果《こうか》が発動《はつどう》する即効性《そっこうせい》のある薬だ。馴染《なじ》ますまで時間を待つ必要もなかった。 自分の思い通りに事が進んだ実崎《さんざき》先輩は、満足そうに何度も私に唾液《だえき》を流し込み、より早く促進《そくしん》させていく。最初は自我《じが》があった私も、時間が経《た》つに連れ、視界《しかい》は歪《ゆが》み、何をしているのか理解できない程に染まっていく。そんな事を遊莉《ゆうり》は知るはずもなく、ただ二人が心地よさそうに絡み合っている姿をぼんやり見つめている。 「ねぇ、美穂。私の方がいいでしょ? そうならほら、舌絡《から》めて……んんっ。いい子」 思い通りに動いている私を見て、手に入れる事が出来たのだと実感する。実際は薬の効果《こうか》でこうなっているだけで、実崎《さんざき》先輩の気持ちを受け入れた訳でも、求めた訳でもない。しかし遊莉《ゆうり》から見たら、全く違うものに見えてしまっていた。
私はあの時の出来事を今でも反省している。先を考えずに行動してしまった幼い自分を恥《は》じるようにーー ほんのりと照《て》らされているルームライトが私達を包み込む。ベッドに雪崩込《なだれこ》んだ二人を祝福《しゅくふく》するように。ギュッと抱きしめ合いながら、互いの体温を確認するように、何度も何度も戯《たわむ》れ合っていく。ハラリと束ねられていた髪を解《ほど》くと、ふんわりとしたシャンプーの匂いが鼻について離れない。 二人の時間を大切にしたいと願いながら、火照《ほて》りを貪《むさぼ》るように舌先を堪能《たんのう》し始めた。チュチュと唇が重なる音が部屋全体に広がり、響き渡る。 大人になったからこそ、素直に自分の気持ちを表現出来るようになった。あの時のすれ違いも、苦しみも、歯痒さも全ては過去の産物《さんぶつ》のように忘れ去られてしまう。この環境に慣れてしまった私と遊莉《ゆうり》は、一つ一つ、階段を登るように新しい刺激を求めていくのかもしれない。 「きっと私はまた貴女に恋をするーー」 一度の別れを経験した私達は成長した姿を見せながら、現在を生きている。 瞼《まぶた》を閉じるとあの瞬間が再び訪《おとず》れてしまうのではないかと疑念《ぎねん》に揺られながら、快楽への世界へと沈《しず》んでいった。 あの時の私はどうして遊莉《ゆうり》の気持ちを大切に出来なかったのだろう。ふるふると部屋の隅《すみ》っこで後悔に埋《う》もれながら、ただ泣き続けるしか出来ない。会話を交《か》わして、互いの気持ちを形にする事で関係性を作っていく。その事を忘れてしまっていたのだろう。きちんと了承《りょうしょう》を取ればよかった……実崎《さんざき》先輩と時間を共有《きょうゆう》していた私は、何も考えれずにいた幼子《おさなご》だった。 ピコンとスマホから音が溢《あふ》れた。もしかしたら遊莉《ゆうり》から
色々あって疲れた私は、やっと文化祭を周れる事に安堵《あんど》しながら、三人で歩いている。ぐぅーとお腹の虫が鳴ってしまって、顔を真赤にしていた。誰にも気づかれないといいのに、そう心の中で言葉を吐きながら、何事もないように表情を保《たも》っていた。 「お腹空いたねー。そういや二年生露店《ろてん》出してなかった?」 「出してますよ」 「美穂のクラスは何出してるの?」 「……チョコバナナです」 嫌な予感がして堪《たま》らない。この話の流れ的に二年生が展開《てんかい》しているブースに行くのではないだろうか。そこには遊莉《ゆうり》がいる。二人は彼女の存在を知らない。私は遊莉《ゆうり》に何も伝えずに、先輩との戯《たわむ》れを楽しんでいる。この状況《じょうきょう》を見られるとマズイ。 浮気をしている訳ではないのに、後ろめたい。こんな事なら一言、伝えとくべきだったと今更反省している自分がいる。そんな私の内情《ないじょう》なんて知らずに、実崎《さんざき》先輩は露店に行こうと言った。最初は一年生のブースから周るものだと思っていた私は、言葉を失いながら呆然《ぼうぜん》としている。 「美穂?」 「……はい?」 「なんだか顔色悪くない? 体調良くないの?」 「いいえ……そんな事は」 言えない、恋人に黙って先輩達と居るなんて。遊莉《ゆうり》にどんな言い訳をしたらいいのか考える事が出来ない。そしてこの話からどうやって逃《のが》れる方法が思いつかずにいる。 「美穂が顔色悪いのはーお腹が空いているからなのさ」 「ほえっ?」 「聞こえてたよー。お腹の虫さんが泣き叫んでいる音を……」 誰にも気づかれていないと思っていたのに、神楽坂《かぐらざか》先輩
全力を出し切った私達は楽器を仕舞い終わると、少しの間、休憩に入った。文化祭は続いているが、休む事も大切だ。久しぶりの演奏に観客の拍手がまだ耳に残って離れない。刺激的な空間は思い出の一つとして心の奥底に仕舞われていく。緊張感を吐き出すように、息を漏《も》らすと、全身の力が抜けていった。 「美浦、お疲れ。演奏会上手くいったね」 「やっぱり舞台に立つと、緊張感が半端ないです。疲れました」 実崎《さんざき》先輩は満面の笑みでコキコキと首をまわしている。余程力が入っていたのだろう。私はそんな実崎《さんざき》先輩のいつもと違う表情《かお》にほんわかしている。他の先輩は同級生達とのグループ内で話しているのに、何故だが実崎先輩はいつも私の所に来てくれた。上下関係が厳《きび》しいのが嘘みたいに思えてしまう。 「先輩はこれからどうするんですか?」 「ん〜。文化祭周ってないから、色々見てこようと考えてるよ。演奏会が終わった後、続けて休憩を取る事が出来たんだ」 私達の学年は露店をしているが、実崎《さんざき》先輩はお化け屋敷を開いている。時間に追われていた私はまだ見に行けていない。一人で周ろうと考えていたが、こういうイベントは複数で周るのが一番楽しい。遊莉《ゆうり》と一緒に見に行きたいが、休憩時間を合わす事が出来なかった。こういう時程、理想通りには行かない。 「美穂の休憩は何時から?」 そう聞かれ、隠す必要性もないだろうと思った私は、先輩と同じ休憩の取り方になっている事を説明していく。こんなタイミング良く、自分にとって都合良く姿を現したチャンスに、乗っかるようにある提案をしていった。 「それなら、私と一緒に周らない? 友人と時間合わなくてさ、淋しいんだよね。美穂《みほ》さえよければだけど……」 「いいですよ。私も一人で周るしかなかったし、一緒に周りましょうか」 後先を考えずに誘いに応じる。実崎《さんざき》先輩は余程《よほど》嬉しいらしく、はにかむように笑っている。その姿を見て、いつもの先輩とは違う雰囲気に飲まれそうになっていく私がいた。元気いっぱいで、何事にも挑戦する実崎《さんざき》先輩の可愛らしい姿と雰囲気が部室に漂い始めた。 「さーゆーきぃー、みーほぉー」 私達の会話を聞きつけたのか実崎《さんざき》先輩の友人である神楽坂《かぐらざか》先輩が名前を呼びながら、げっ