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第 13 話

Author: 水井柔子
私は視線を戻し、夏美の腕に自分の腕を絡めて、ショッピングモールの映画館へ入った。

上映が終わると、夏美は鑑賞特典を引き換えに行った。

私はその場で待っていた。

すると突然、背後から低い声が聞こえた。

「偲」

私は振り返らず、目の前のガラスケースに映る人影を見つめた。

明央は私の後ろに、半歩ほどの距離を置いて立っていた。

「元気にしてるか?」

私は頷いた。「うん。元気よ」

彼は長いこと黙っていた。

そして最後に、低い声で言った。

「俺も、元気だ」

私は何も答えず、彼の言葉の続きを聞いた。

「君がいなくなってから、俺たちが一緒にいた頃のことをよく思い出すんだ。あの頃、俺たちは貧しくて、苦労も多かっ
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