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第 488 話

Auteur: スイカのキノコ
まさか聖名子が泣き出すとは、紗月も呆然とした。

真依も聖名子が泣き出すとは予想していなかった。

雅義は紗月の手をポンと叩き、優しい声で言った。「君と怜、真依は先に上がっていてくれ。俺は後で上がるから」

「ええ」紗月はすっかり呆けていた。

三人が雅義の書斎に入ると、紗月はゆっくりと我に返った。

「彼のお母さん、どうして子供みたいなんだろう。言い負かされたら泣くなんて......」紗月はぶつぶつと怜に言った。

怜は傍らの椅子に座り、笑いながら言った。「おば様はとても可愛らしい方だよ。二人も子供を産んだのに、今でも性格はとても純粋なんだ」

真依は以前から気づいていた。聖名子はいつもわざと威張ってるよ
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