「これは奥様ですか?いや、本当にお二人、夫婦そっくりですね。一目見ただけで夫婦だと分かります。だからこそこんなに仲がいいんでしょうね」夢人は羨ましそうな表情で言った。海咲は彼の言葉を聞いて、何かを思い出したかのように軽く頷き、持参した果物かごをテーブルに置くと、椅子を引いて病床のそばに座った。「仲がいいっていうのは、必ずしも夫婦そっくりである必要はないと思います。本当にお互いを愛していることが一番大切なんです。森田さんのように優秀な方なら、きっと理想の女性に出会えますよ」海咲は遠回しに、夢人が紫に好意を持っているのかを確かめたかったが、あえて名前は出さず、相手に自分から認めさせようとして
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