樹理はティッシュを一枚引き抜いて彼女に差し出した。「そんなふうにしないでください。病気を治し、人を救うのは医者の務めです。私はただ、自分の責任を果たしただけです」少女の母親は何度も何度も礼を言ってから帰っていった。樹理は軽く身体をほぐし、この件もこれで落ち着いただろうと思った。だが翌日になると、少女の母親が花束と菓子折りを持って病院を訪れ、深々と頭を下げて礼を述べた。病院はちょっとした騒ぎになった。樹理は顔が真っ赤になり、どうにか家族を見送ったあと、昼食を取りに院内の食堂へ行くと、今度はそこでからかわれた。「中川先生、今朝感謝の花束をもらったんですって?すごいじゃないですか、来て
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